お馴染み(?)エタニティブックスの赤で御座いますよ。
前述のとおり、私は文章を読むときにほとんど絵を想像して読まないのだけど、もちろんこの本も絵的にほぼ想像せずに読みました。
バリバリのキャリアウーマンでサーティーズのヒロインと、10才年下の後輩くんとの恋愛小説で、その設定そのものは
「面白いな」
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と、思った。ありそうでないっていうか、10才年下はまた冒険したな! ちゅう具合。笑
ヒロインが
「私でいいのか」
とか
「この恋愛は一時的なもの」
と、最後の一歩を踏み出せないのも、
「そら、そうやろな・・・」
と、妙に納得できてしまう(笑)。
ほんでまたそのカタクナさを枕営業(?)で説き伏せようとする後輩くんも、若くてイイデスネ、ちゅう具合でした。
彼も彼なりに、仕事でも年収でも人生経験でもヒロインの奈津美さんより下なのがコンプレックスのようで、ベッドで奈津美さんを思い通りに緩ませることによって辛うじて安心できる、ちゅうような弱さも最終的には見せてくれたのも、
「ははあ、なるほど・・・」
と、思った。
捉えようによっては後輩くん病んでないか大丈夫かっちゅう具合やけど、そこはサワヤカイケメンなのでありなのでしょう。
そもそも、冒頭の「絵的に想像しないで読む」ちゅうところに戻るけれども、この後輩くんがまずメガネの長身ちゅうね。
さらにラグビー部出身。
でもって、7つくらい年長のお兄ちゃんがいて、甘やかされて育ってきた末っ子らしい。
昔は女顔やったので「その手のトラブルもあった」とのことで、
何なのこの設定・・・?
と、考え込んだよ(いい意味で)。
面白いキャラ設定にしはりますね。10才も年下の後輩やねんから、ワンコ系でエエんちゃうの・・・(笑)。
奈津美さんは、ちゃんと自立している女性像そのままやったかな。
こちらが落ち着いてるから話として読みやすかったのかも。
ほんで、なにかとひっかかる「くすりやさん」は著者のことやったのか。
同期の中村くんが終盤恋愛しているらしい相手の高校生とやらは、著者の前作品のことなのかしら?
あれこれびみょうにリンクしてそうな、してなさそうな。
キャラ設定も面白いので、別タイトルも読んでみる・・・? とは思うのだけど・・・。
なんやろう、文章も読んでいてストレスは(ほぼ)ないし、筋もしっかりしてるんやけど、なんか
ひつこいねん・・・。(すいません)
説明書を読んでるような感じ?
リズムが悪いわけではないねんけど、もう少し読者に想像する幅がほしい・・・。
細かく、巧みに文章で説明をしてくれてはるけれど、それが若干くどすぎて、何も想像せずに読んだよ。(;^ω^)
(だから後輩くんの容姿すら想像できなかった)
ほんで、さらにまた、同じ話を奈津美目線と後輩くん目線の両方でやってくれるんやけど・・・。
この書き方は個人的には大好きやねんけど、とにかく細かく説明しすぎてて、奈津美目線では見えなかった後輩くんのあのときの行動の理由とか、気持ちは、ああ、こんなんやったんか!!
・・・って、ならへんねん。べつに。
視点を変えてくれなくてももうそこらへんは充分書いてはったやん奈津美主観のときも・・・、ちゅう具合。
著者の独りよがりな文章というわけではないけど、ある程度は読者の自由にさせてほしい気もするなあ。
好みの問題やから、著者や作品がどうのこうのというわけではないし、さらにチャンネルの問題でもあるので、この作品でめっちゃ想像力がかきたてられた! と、いう読者ももちろんいてはるやろうし。
元はウェブ小説を書いてはったというのを見て、納得。
この小説ももしかしてウェブ小説やったのかも。細切れに更新されると、こうやって細かく説明をしてくれるほうが馴染みやすいのかもしれへんな・・・?
そして著者は同世代(やや上)ではないかと思った。
車でバックするときに助手席に左手をかけることにドキッとするとか、昭和ですやんね? え、今でもそういうドキッとか、あるん? (*´▽`*)
いやもう、そもそも10才年下の後輩くんとの恋愛ネタ(を書く)っていうところで、同世代か・・・(笑)。
会話で助詞が抜けるのはともかく、後半は地文でも助詞が抜けてきてるのは、アラー・・・、ちゅう具合やった。
意図してなのか私が知らないからか、若干
「・・・ん?」
と、思う表現もちらほら。
会話ならともかく、地文で、「ご指導してもらっている」っていうのも、「指導」でよいような・・・?
そして後輩くん、仕事早退しすぎやろ。笑
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■泥濘む ぬかるむ
[動マ五(四)]「泥濘(ぬか)る」に同じ。
(2017.05.27)