八木澤高明のレビュー一覧

  • 裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡

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    今では一つのブランドでもある「ヨコハマ」。

    異国情緒やオシャレな雰囲気により観光地化されて
    いますが、それは現在の話です。

    裏の顔があるわけではないですが、港町ですので
    港湾労働者が数多くいたわけで、黒歴史はありま
    す。

    ただ、どんな街にも似たうようなエピソードは
    存在すると思いますが、横浜はそれが覆い隠された
    スピードが早いので、あまり知られていないの
    です。

    あの赤レンガ倉庫にそんな歴史があったとは、
    と驚きの側面を持ちます。

    人に歴史あり、と同様に街にも当然歴史が
    あることを思い知らされる一冊です。

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    2025年11月30日
  • 軍都の陽炎 軍靴と娼婦の記憶を旅する

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    港あるところ遊郭あり、というのは聞いたことがあったけど、軍隊あるところ遊郭あり、も言われてみればなるほどね、と。こういう男たちを相手するハメになった女の人たちの気持ちを知りたい。戦後はそりゃもう生きるため、なんだろうけど。

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    2025年11月16日
  • 忘れられた日本史の現場を歩く

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    どこにでもありそうな日本の風景。そこに潜んだ実は悲しい歴史。
    飢饉、キリシタン弾圧、パンデミックからフクシマまで、土地に込められた強い霊力を探訪する異色のルポルタージュ。

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    2024年09月12日
  • 裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡

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    横浜出身のノンフィクション作家が描く知られざる裏の横浜。

    大洋ホエールズを応援した横浜スタジアムに始まり、赤レンガ倉庫、中華街、寿町、鶴見、山手、元町、伊勢佐木町。

    風俗系の取材作の多い筆者が自己の体験と深く斬りこんだ取材を通じた類書にはない知られざる横浜。

    東海道の一宿場町神奈川とその対岸の小さな漁村だった横浜が、開国と明治維新を経て変わりゆく果てが丹念に描かれている。

    朝ドラ「ちむどんどん」が終わった直後なので鶴見の章が特に気になった。アントニオ猪木は鶴見出身。中学生の時一家でブラジルへ移民している。

    華やいだ印象の多いだろう横浜。実は港町として多くの人々が出会いと別れを繰り返し

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    2022年10月21日
  • 日本殺人巡礼

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    表紙写真とか題字のインパクトが強いけど、内容は全然、おどろおどろしいものではない。むしろ、真摯に事件と向き合う作家の姿勢が滲み出る、渾身のルポって感じ。”誘拐”とか、”復讐するは~”とか、以前読んだ作品で取り上げられていた事件についても触れられていて、個人的には復習にもなった。ちょっと犯人寄り過ぎかな、とも思ったけど、カレー事件とか、妙に納得できる部分もあったりして。現代は、決して以前より犯罪が増えている訳ではない、というのはよく耳にする言説だけど、こうしてその裏側まで掘り下げると、なるほど時代によるのっぴきならない事情というのも存在するのかも、と思いたくもなる。示唆に富む書。ちなみに”文庫王

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    2021年02月09日
  • 娼婦たちは見た イラク、ネパール、中国、韓国

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    著者がイラク、ネパール、中国、韓国の現場に入り、普段なかなか知る機会の無い世界をこれでもかというほどの生々しい記録で語っている。

    娼婦は古今東西、人間社会に通底する存在なのだろう。
    戦争、植民地化の傍らでは、どの国でも必ずと言っていいほど売春史がある。

    語られている女性たちは逞しく生きており関心させられるのだが、常に悲劇とも隣合わせであることに、この世界の辛さを感じる。ただ彼女たちからすれば、悲劇とすら思っていないのかもしれないが…。

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    2020年07月08日
  • 忘れられた日本史の現場を歩く

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    ネタバレ

    公的な資料に残りにくい歴史をもつ各地を巡る旅。
    残りにくいだけならば、例えば「一世風靡した」土地は、もっと取り上げられてもよいのではなかろうか。
    ダークツーリズムのような負の側面が強いのは、そのマイナスの魅力に著者が惹かれているように思える。もちろん、読むことを想定されているであろう、読者である我々も。

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    2025年03月20日
  • 忘れられた日本史の現場を歩く

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    見慣れた景色だと思ったけど実は、忘れられた歴史があった。
    昔から今に続く風習が残っている所もあるだろうが、誰も住んでおらずに土地だけがひっそりとあるところも。
    これは消えつつある風習や歴史の記憶を辿った旅の記録である。

    平家の落人伝説のあるところや、拝み屋がある集落。
    からゆきさんがいた村。
    遠野物語に記されたデンデラ野、姥捨山。
    アイヌの集落、夏泊半島。
    秩父にある無戸籍者たちの谷。

    まだまだあるが、どちらかというと、由緒正しきものではなく、悲劇や血に彩られた哀しい歴史のある場所。
    知らないところも多く、とても興味深く感じた。
    特に山口県周南市にある郷集落。
    ここは、平家の落人集落であり

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    2024年08月25日
  • 裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡

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    横浜に住んでいる方は、特に読んだ方がいい一冊。
    2022年5月刊行。
    特に若い人には、知らないヨコハマが出てきます、

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    2024年04月15日
  • 裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡

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    横浜の大型書店では軒並み店頭に平積みされており、横浜の住民としてはとても興味深く、買って読んだ。普段あまり語られることのないダークサイドの横浜をいろいろと知ることができとてもおもしろかった。

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    2023年02月15日
  • 裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡

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    「横浜いれぶん」「追いかけてヨコハマ」が流行っていた頃、サザンの「LOVE AFFAIR~秘密のデート」からゆず「桜木町」までの頃、人生で二回、横浜市民でした。なぜか住みたくなるのは横浜という街のキラキラ感と訳アリな感じが他の街にはない匂いになっているから…なんて言ってみたりして。でも今でも野毛や黄金町を「大人のディズニーランド」と称してふらふらしています。その「訳アリ大人な事情」を垣間見たくて「裏横浜」という書名に即反応した訳です。キラキラ光が当たる石をひっくり返すとそこは湿った黒い土が相当にジメジメしています。それを語る著者の視点も極私的な横浜育ちとしての思い出からなので湿度も高いです。そ

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    2023年01月26日
  • 裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡

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    <目次>
    第1章  横浜スタジアムの足元
    第2章  海上の楼閣~山下公園、みなとみらい
    第3章  消えた大陸の空気~中華街
    第4章  日の当たらない人の居場所~黄金町
    第5章  デラシネのゆりかご~寿町
    第6章  世界との架け橋~鶴見
    第7章  高低が織りなす風景~山手、元町、その周縁
    第8章  夜の街に吸い寄せられる~伊勢佐木町

    <内容>
    横浜のディープな歴史を、自分の体験とルポライターらしい、体当たり取材によって構成されたルポ。その地域の人に必ず当たっている分、説得力のあるルポであり、横浜で若き日に働いていた身からすると、読みながら懐かしさとくすぐったさがよぎった。 

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    2022年05月24日
  • 江戸・東京色街入門

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    街歩きが好き。
    しかし、テーマを決めて歩きたい。
    本書はちょっと毛色の違う街歩き本だ。

    街歩きをすると、何か雰囲気の違うエリアがあったりする。
    何か土地相と言うか・・・。

    本書は、東京の色街あるいは色街跡を紹介した本で、目次には神奈川県は含まれていない。
    でも本文では、出てくる。

    古典落語やシュールな柳家喬太郎の新作落語、更に東京を舞台にした作品を理解する上で、本書の世界を知っているとよりその世界に入り込める。

    昨年の大河ドラマ、いだてんにも本書で紹介されている凌雲閣が出ていた。
    橋本愛演ずる小梅は、その凌雲閣の十二階下の女の役柄だった。

    そう言うことを理解していると、作品の意図が深

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    2020年09月18日
  • 江戸・東京色街入門

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    東京に残る色街の実態を調べた本。
    著者の考察と取材方法が好きです。
    個人的には皇居前広場で青姦が盛んだったことに驚きを隠せない。
    そして娼婦の労働環境がとても劣悪で切ない。

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    2020年06月05日
  • 殺め家

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    評価低いけど、一章が4頁ずつくらいなので、ノンフィクションとして読むと物足りないかも。文章の質がわりと良い週刊誌連載をまとめた本ってかんじ。もっと背景が知りたいとかその事件に興味を持って深掘りたいという方はその事件の関連の書籍を読めば良いと思う。
    日本を震撼させた様々な殺人事件をわりと満遍なく扱っており、あーそんな事件あったなあ、実際はこんな現場だったんだ。。と著者と一緒に怖いもの見たさの旅をしている感覚になれた。ノンフィクションというより事件現場を訪れる紀行エッセイくらいの感覚で読むと楽しめるかも。

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    2025年07月01日
  • 裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡

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    当方北海道民のため横浜ってキラキラしがちなイメージを持ちがちなのですが、そのイメージが少し変わりました。

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    2025年05月10日
  • 殺め家

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    読んでいて、結構怖くなりました。なぜこのような人生を歩んでしまったのか、家というか、住んでいた環境というか、家庭も含めて勉強になりました。

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    2025年05月06日
  • 忘れられた日本史の現場を歩く

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    ネットで見つけて気になって購入しました、読書には様々な楽しみ方があると思いますが、その一つに、自分では体験することができない、やろうとしても多くの時間と費用がかかるものを体験してくれたものを読むことにあります。この本はまさにそれを体現してくれているもので、日本の各地において廃墟となってしまった場所、現在栄えている「かつての姿」を伝えています。

    人々が自由に移動できる権利が得られたのは、明治になってから、本当に動き出したのは戦後からでしょうか、従って、日本の各地の集落には長い歴史が刻まれています、それを実際に現地に行って写真付きでレポートしてくれているこの本は大変興味深かったです。

    以下は気

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    2025年04月15日
  • 殺め家

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    様々な事件の犯人の育った「家」または「土地」に焦点を当てたノンフィクション。一件一件が短すぎるのが難点。扱う事件数を減らしてより深く犯人について掘り下げて欲しかった。ちなみに同著者の『日本殺人巡礼』と一部内容が重複している箇所がある。(山口連続殺人放火事件など)

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    2025年03月15日
  • 殺め家

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    有名な事件ばかりで当時の記憶がよみがえる。
    こういう本に興味を持つことがなんとなく後ろめたいような気分にもなるが、
    こういう視点で事件を見られることはないので。
    事件の深堀り、というほどでもないけれど、丹念に現場を訪れ危険もあっただろうがその土地のことをいろいろ調べている

    「かつてここに怪物が住んでいた」は、ここで、怪物になったのか、ここに住んでいたから怪物になった、のか・・・。

    文章の校閲が甘い個所がいくつか、と、同じ表現が違う事件で使われるのがどうも気になった。「萌芽」とか、「刑場の露と消えた」とか。

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    2025年02月03日