私が自分の中で勝手に決めている、少女漫画(恋愛もの)の四天王の一角
これまで、ポチャッとしているヒロインが、片想いしている相手に振り向かせたい、または手酷いフラれ方をして一念発起し、ダイエットに励み、凄まじい美人に変身し、幸せを自分の努力で掴む、正統な内容の少女漫画は多かった
しかし、これは違う
ヒ
...続きを読むロインは自分のポチャッと加減を心底から恥ずかしく思っていないし、彼氏は彼氏でそこを全肯定して、溺愛している
斬新しイイ設定を、ストーリーで破綻させて台無しにしていないトコも、個人的にポイントが高い
また、キャラの個性がしっかりと確立していて、『描き手に動かされていない』って感じられるトコも好い。好き勝手に、それぞれのキャラが動いている訳じゃないが、設定やストーリーの制約に縛られず、のびのびと自分の思うままに『動いている』、この作品を読んでいると、そう思える
相手の存在を、良いも悪いもなく肯定し、受け入れられるってのは当たり前の事だけど、それが自然に出来ない人が多い以上、紬を肉体的にも精神的にも抱擁できる田上くんは芯のある強さを持っていて、ホントにカッコ良い男に、私には見える
あくまで、私独自の感覚ではあるが、ノーマルな性癖など有りはしない、と思う。誰に対して、何に対して欲情するか、人それぞれである以上は基点にすべき「普通」もない。田上くんのように紬のふっくら体型に性欲を駆られる男性もいれば、眼鏡やメイド服、刺青、拘束されている様、四肢が欠損している、など世間一般からすれば『異常』に只ならぬ肉欲が膨らむ者もいる
自分の性癖を隠したり、制御する必要は確かにある、と思うが、それを「恥ずかしい」と自分を誤魔化したり、強引に消そうとするのは良くない、と思う。田上くんのようにノーブレーキで、周囲の目も省みずに紬を可愛がるのも考え物にしろ、我慢や無理をし過ぎれば、限界を迎えてしまった時に確実に他人を傷つけてしまうのだ。そこが、勝手に決められた「普通」から外れる性癖がアブノーマルと決めつけられて、白い目で見られる原因だからこそ、自分の中の『好き』にだけは嘘を付いちゃならないのだ
この漫画は、自分を偽らない強さのカッコ良さを教えてくれる
女性のみならず、男の読み手も楽しめるし、“勉強”にもなる肉厚な少女漫画
この巻では、男気溢れるまみの、乙女な一面も見られたから、一層に好感度が深まった
野生感丸出しな檜山も面白い味を醸していて、『ぽちゃまに』の弾力のある甘さを強めてくれそうで、続きが楽しみでしょうがない