安東次男のレビュー一覧
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ネタバレ花を咲かせる力を持った少年チト。彼が蒔いた種とは。
花を咲かせる「みどりのゆび」を持った少年チト。兵器工場を営む父と美しく優しい母ももとで何不自由なく育った。囚人が押し込められている刑務所に、貧しい人たちが劣悪な環境に暮らす地域に、生きる希望を持てない人がいる病院に、遠くから連れてこられた動物たちがいる動物園に、次々とチトは花を咲かせていく。ある日戦争について聞いたチトは、戦争を無くす方法を考えた。それは兵器に花を咲かせて使えなくしてしまうこと。その計画はうまくいったが、そのせいで父の工場は注文を失ってしまう。勇気を持って自分がしたことを告げたチトに対して、父は方向転換を決心し、それからは花 -
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児童文学に駄作無しと思っています。大人が子供に読んで欲しい本というのは真剣に選んでいるので必然的に名作が残っていくのでしょう。
本作もレビューするのがおこがましい作品です。植物を異常繁殖させる能力を持った、恵まれた家に生まれたチト。彼の生家の家業が兵器商人だと知った時どうするのでしょうか?
人と人が争う事、人が人を裁く事。局地的な平和と貧富の差。誰かの不幸で成り立っている世の中の仕組み。色々な要素が詰まっていて、読み取るものが沢山入っています。
特に目新しい事が書いてあるわけでは実は無いのですが、大人になると真っすぐこういう事と向かい合っていく事も減り、「世の中はこういうものだ」という固定観念 -
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ネタバレ春の岬旅のをはりの鴎どり
浮きつつ遠くなりにけるかも
三好達治の処女詩集「測量船」巻頭を飾る短歌風二行詩。
昭和2-1927-年の春、達治は伊豆湯ヶ島に転地療養中の梶井基次郎を見舞った後、下田から沼津へ船で渡ったらしく、その船中での感興であると紹介されている。
梶井基次郎と三好達治はともに大阪市内出身で、明治34-1901-年2月生まれと明治33-1900-年8月生まれだからまったくの同世代だし、同人誌「青空」を共に始めている親しい仲間。梶井は三高時代に結核を病み、昭和2年のこの頃は再発して長期療養の身にあり、不治の病との自覚のうちに死を見据えた闘病の日々であったろう。「鴎どり」には湯ヶ -
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60年近く前に翻訳された、フランスの童話。著者のドリュオンは小説『大家族』で有名な文学賞であるゴンクール賞を受賞した作家です。
小学校低学年の年齢に当たる少年チトは、町の大金持ちの両親やその大きな家で働く家政婦や庭師のおじいさん、両親の工場で働くかみなりおじさん、そして馬たちに囲まれて生活しています。学校へ通うことになると、まるでそのシステムに適応できず、すぐに退学することに。両親の指示によって庭師やかみなりおじさんに物事を学んでいくことになるのですが、そのうちに自分の家が武器工場だと知ることになります。
中盤までは横へと筋が流れていくお話だったのが、中盤からはそれまで語られた世界や人びと