沢山美果子のレビュー一覧

  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    性にまつわる話しは敬遠されがちだが、江戸時代からの性の営みを通して現代の性を見つめ直すのも良い機会ではないか。江戸後期は、性の営みやいのちの問題を考えるときに、大きな画期をなす時代。家を守り子孫に引き継ぐために子どもと子どもを産む女いのちを守ろうとする意識が高まり、医者や産婆が各地域に誕生する。一方...続きを読む
  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    フェミニスト風味が強いが、とてもおもしろい。偉い歴史家の仕事、っていう感じ。できれば「なぜそうなったのか」っていうのについては、いかにもフェミニスト風味政治的要因みたいなのに加えて経済的側面みたいなのをもうすこし知りたい気がするが、情報もりだくさんなのでそこまで望むことはできないだろうと思う。
  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    性の言葉の語源、心をまっすぐにして生きることにある。

    江戸時代前期は、交合について、割と奔放。後期は、打って変わって、家計の存続ということで、性交渉と家族が一体化して、前期ほど頻繁な交渉は避けるようにと養生訓で言われるようになる。いわゆる武士道というやつになる


    今まで江戸時代全体で、筆者も語る...続きを読む
  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    史料をもとに論じる歷史研究において、「からだ」と「こころ」がテーマになったのは1990年代、「性」がテーマになったのはそれよりさらに遅く、2000年以降のことである、と著者はいう(iiiページ)。そんなに遅かったかしらんという感じがしなくもないが、比較的最近であることには間違いなかろう。ことに江戸時...続きを読む
  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    歴史を、細かいところは置いといて、ざっくりと大きな視点で捉え、おもしろくしよう!という、「絶対に挫折しない日本史」(けっこう話題になっていた)を読んで、私は全然面白くなかったので、逆にものすごぉおおく細かいところに着目した「性からよむ江戸時代」を読んでみました。で、断然こっちの方が面白かったです!
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  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    第1章の一茶の日記も面白かったが、第4章の性売買の話が重要だと感じた.多くの庶民が生活に困って、娘を売りに出す.そのような社会が存在していたことが多くの資料で明らかになって、女性の権利など全く考慮されていない時代があったことを認識した.私の祖父の時代には、ある程度お金のある人は妾を持つことが当然であ...続きを読む
  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    そう言えば、江戸時代の「性」が出てくる小説は、大抵は「遊郭」モノばかりだ。この新書には「買う男、身を売る女」の章もあるが、大半は人口的に最も多い百姓の性実態を描く。封建社会で表に出てこない人たちに焦点を当てた、新しい江戸時代史料の読み解き本。

    一章目には比較的有名な小林一茶の「七番日記」(1810...続きを読む
  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    資料から江戸時代の庶民を丸裸にするのは事実の部分は、素晴らしい。
    しかし、コメントというか、評論、考察のところがダメダメ。
  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    江戸時代の女と男の性の営みは、まさに生きることだったのだと感じました。生殖としての性の特権化、婚姻・性・生殖の一致という性規範の浸透、家の維持・存続への人々の願いによる家の価値化の一方で、快楽としての性は抑圧されるようになり、家と遊所の区別と遊所の広がり、性売買の大衆化が進んだと筆者は指摘します。そ...続きを読む
  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    性は人間と人間社会にとって避けられない営みであり,時代や場所で性をどのように扱っていたかは興味深い。生物的な営みは大きく変わらない(変えられない)が,どのような意味を持たせるかは時代背景やその価値観によって変わるため,江戸時代と現代とは異なる。交わる,孕む,産む,堕ろす,間引く,買う,売る,といった...続きを読む
  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    <目次>
    第1章  交わる、孕む~小林一茶『七番日記』
    第2章  「不義の子」をめぐって~善次郎ときやのもめごと
    第3章  産む、堕ろす、間引く~千葉理安の診療記録
    第4章  買う男、身を売る女~太助の日記
    第5章  江戸時代の性
    おわりに

    <内容>
    江戸時代の後期の庶民の性と家族をさまざまな文献...続きを読む
  • 性からよむ江戸時代 生活の現場から
    江戸時代の性について当時の資料を元に読み解くというもの。取り上げられている資料は小林一茶の日記や、農村で起きた不義の子をめぐる裁定に関する記録や、町民の日記など、どれもなかなか興味深い。ただ新書で紙幅がそうないためであろうか、やや展開に強引な箇所があり、結論ありきで資料を自分の都合の良いように読み解...続きを読む
  • 「家族」はどこへいく
    ゼミの教科書第1弾。

    第5章の発表を担当。
    興味のある
    「家族内殺人」についてすることができる。

    家族内殺人には3パターンあるのでは、と発表&みんなとの質疑応答を通して気付く。
    1.親→子(他人に迷惑をかけてはならないという社会規範)
    2.介護殺人、介護心中(自己犠牲、自己完結、心中)
    3.子→...続きを読む