野上元のレビュー一覧

  • 私たちの戦争社会学入門

    Posted by ブクログ

    実況中継風の文体で、とても読みやすい。

    軍事・戦争について客観的に考えるための入門書。

    著者は1971年生まれの早稲田大学教授。

    戦争や軍隊へのアンチを前提としない内容。

    一方的な唯一の見方を示すのではなく、多面的な情報を提示する論の進め方は、非常に好印象。

    結論も、理想主義的な平和万歳を叫ぶのではなく、次の学びのステップにつながるような、オープンエンドになっている。

    バランスのとれた本でした。

    末尾のブックガイドから、次に読む本を探してみます。

    0
    2025年08月07日
  • 私たちの戦争社会学入門

    Posted by ブクログ

     無関心、思考放棄としての「わからない」(DK)から、前提知識を知った上で/問い自体の難しさを理解した上での「わからない」に向けて、軍事・戦争・暴力にかかる歴史的・社会的なリテラシーを高めていくことを目指した一冊。入門書とはいえ、社会システムの中の/社会システムを作った戦争と軍事を考える視野の広さはほんとうに勉強になった。とくに、総志願制をとった日本の自衛隊が、現代軍隊の特質を先取的に制度化・内面化しているという指摘には成る程、と思わされた。
     
     古代から中世のヨーロッパを出発点に戦争の歴史をたどり直し、テクノロジ-の変革が戦争のあり方をどのように変え、よってもって社会をどう再編成してきたの

    0
    2025年04月14日
  • 私たちの戦争社会学入門

    Posted by ブクログ

    戦争はもちろん反対である。起こらないほうがいいし起こるべきではない
    それでも今なお戦争は起こる。その原因も形も歴史ごとに変わっている。そもそも戦争というものには宣戦布告をするという決まりがあり、それを守らずに開始したものもある。日本もやったことだ
    また諸外国と日本の事情を比べながら、日本独特の国民の思想やその原因となる社会背景などを紐解いていく
    戦争は起こらないほうがいい。じゃあ戦争ではなく平和なときの軍事はどうしていけばよいか。ただイデオロギーに引っ張られるだけではなく、今まで日本が戦前から戦後、現在までどのように戦争に向かい、戦争をし、戦争を終えて今に至るかを知り、いかに"わから

    0
    2025年05月24日
  • 浮遊する「記憶」

    Posted by ブクログ

    絵本、銅像、空間、歴史、物語などから「共同体」の記憶という問題を浮かび上がらせる論考集。
    野上元の「「戦争の記憶」の現在」と阿部安成の「記憶から歴史へ/歴史から記憶へ」は、自分のテーマとからめて考えることもできて、おもしろかった。
    村落共同体の中で、戦争の記憶を語らせたり、口ごもらせたりする「力」の存在や、記憶という言葉で語られ、共有される物語が、「国民」の枠を強化しつつ他者を生み出して排除する問題について考えることができた。

    0
    2011年01月08日
  • 私たちの戦争社会学入門

    Posted by ブクログ

    素人にも分かりやすい入門書。面白い。…けど、やっぱり難しい。

    エネルギーがある時でなければ読めない。考えて納得しながら読みたいと思うと、読んでいでも理解が追いつかないタイミングが来る。一度閉じると次開くまでにハードルが高い。でも面白いはずだから頑張りたい。でも無理。の繰り返し。

    いつか再チャレンジしたい。でもきっと当分先。

    0
    2025年12月03日
  • 私たちの戦争社会学入門

    Posted by ブクログ

    戦争や軍事が日常生活の延長にあるんだと言う。私もそのように思うし、また、その通りの主張が展開される。
    ただ、本の後半については、問題点の提示に終わるように思い、少々迫力に欠ける。

    0
    2025年09月03日