坂野徹のレビュー一覧
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明治期には石器時代の遺物はすべて先住民(アイヌ、コロボックル)のものと考えられていた。また記紀の信頼性が非常に高く、神武東征が歴史的事実としてとらえられていた。
鳥居龍蔵は弥生土器を残したのが固有日本人で、アイヌの石器時代と日本人の祖先の石器時代があったとし、人種交替モデルが主流だった。
戦中から戦後における日本人起源論の二大学説は長谷部言人の変形説と清野謙次の混血説。
戦後、1946年9月市川市国府台にグロートが日本考古学研究所を設立、58年に閉鎖。
1946年に秋田県大湯環状列石の調査。1947年から始まる登呂遺跡の発掘と日本考古学協会の創設。
1946年秋、相沢忠洋の岩宿遺跡の発見、49 -
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<目次>
第1章 日本人類学・考古学の誕生と人種交替モデル
第2章 日本人とは誰か
第3章 人種交替モデルを越えて
第4章 土器編年と日本人起源論
第5章 日本に旧石器時代は存在したか
第6章 アジア太平洋戦争と縄文・弥生研究
第7章 敗戦と考古学の時代
第8章 人種連続モデルと縄文/弥生人モデル
終章 縄文/弥生人モデルと縄文の時代
<内容>
日本の考古学の発展、特に縄文時代・弥生時代の設定を土器、人骨の研究史でまとめたもの。著者は考古学者ではなく、科学史の研究者。明治から大正期は、日本人のルーツ=アイヌ、という説が主流で、縄文や弥生時代は想定されておらず、違う民族が入