横山悠太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ第57回群像新人文学賞受賞作品。
思わず吹き出しちゃったくらい笑えるユーモア小説。
日本語を学ぶ中国人向けの日本の小説を書こう、というコンセプトで書かれた小説であるとのことだが、逆に日本人にとっても中国語を学ぶというか親しみをもつのにいい小説なのではないかと思った。
中国人にとってカタカナはかくも大敵とは。主人公の中国人と日本人のハーフ(とは言わないんだっけ)もカタカナが憎く、彼の語りで進められるこの小説はずっと本来カタカナで表される単語に中国語の漢字(に日本人向けにカタカナのルビがふられている)が当てられているが、ラスト猫になった後の文章は自然にカタカナが使われている。これは何を意味するの -
Posted by ブクログ
2014年群像新人文学賞受賞作であり、先日の芥川賞候補作となった作品(受賞はならず)。著者のデビュー作。
日本語を学んでいる中国人の友人が「日本語はとにかくカタカナがやっかい」自分の日本語レベルで読める小説はないかと聞かれ、ひと昔前の小説を渡した。すると今度は「カタカナが少ないのは良いが、時代遅れの漢語ばかりで読みにくい。とくに夏なんとかという作家の作品は漢字の使い方がでたらめ」だという。そこで、日本語を学ぶ中国人のための小説を書こうと思い立つ。その作品が「吾輩ハ猫二ナル」であった。
文章はカタカナを全て漢字に置き換え、また
日本語と漢語が激しく入り乱れる。最初は読みづらくもありますが、疲