おおよその概略は知っている、と思っていたが、読んで良かった。
少女(著者)が掲げている白旗が、どのようにして作られたのか。どうして手を振ろうと思ったのか。そこに、この体験記の真骨頂があると思う。
本人に自覚はなかったと思うが、ガマの存在、そのガマにいたおじいさんとおばあさんが諭す「人の命は、その人一
...続きを読む人のものではなく、父や母、先祖から受けついたもの。命が一番大事(命どぅ宝)」の精神は、沖縄人ならではの古くからの教えだ。
また、敵と対峙する時こそ笑顔を見せろ、という父の教え。
そういった、戦争に関わらず人々の心に根付いていた気持ちが、少女を救うことになったのではないだろうか。
「白旗」は「しらはた」と読むのか。なんとなく「しろはた」かと思っていた。
「白い旗は、世界共通の平和のサイン」。
それは、命乞いや降伏のサインなのではない。平和を希求する、というサインなのだ。
日本国憲法は、この「白旗」なのではないだろうか。
少女のように、高く、大きく、笑顔で掲げていきたい。