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Posted by ブクログ
沖縄戦の状況が、正に手に取るようにわかる一冊です。
わずか、6歳の女の子が経験するにはあまりに過酷で残酷すぎる事態が次から次に起こる戦争の現実。子供向けの本とはいえ、あっという間に読み切ってしまいました。
その中、女の子は生きる為に、異常なまでのスピードで様々な知識を身につけて成長していきます(本来であれば、まだまだ周囲に甘えていられる年齢であるにもかかわらず)。それが、また悲しい気持ちにさせます。
ガマの中で偶然出会うおじいさんとおばあさんは、正に地獄に仏。そんな奇跡みたいなことが本当にあるんだな、と思いました。この方々のその後の消息が不明なのが、またこの奇跡の神秘さを増しています。
この女の子は、お父さんやお兄さんに助けてもらったのだなと、何の根拠もありませんが、確信に近いものがあります。それと女の子本人の生きる強い意志が重なって、こういう奇跡的なことが稀に起きる。
この一冊を読んだあと写真を見ると、また色々違って見えるのは私だけでしょうか。
不思議です。
Posted by ブクログ
七歳になったばかりの少女が、沖縄戦争に巻き込まれ、逃げる途中ですぐ上の兄が流れ弾に当り死亡する。二人の姉とも別れ別れになり、一人で逃げることになった。
その間、いくつもの死体を見ただろう。感覚の麻痺していくさまが苦しくなる。
最後の最後、ガマで出会った老夫婦から命を大切にしろと諭され、老人の褌の前垂れを切り裂き、三角にしたものを枝にくくりつけた。それを高く掲げて歩けと強く言い、少女・富子を外に出す。
終戦を迎え、投降するように呼び掛けがあったのを、老人が知ったからだ。
老人の教えの通り、富子は白旗を掲げて堂々と歩いた。そして、別れ別れになった二人の姉とも再会した。
後に、富子は白旗を掲げた姿をアメリカ軍に付いて行ったカメラマンに撮影されて、写真を公開された。そのカメラマンを探したら、関係者と会うことができたと言う。
実話であり、沖縄の戦場がいかにひどいものか、伝えるものだと思う。
Posted by ブクログ
・とにかく信じられない、衝撃の連続でした。
・ほんの6,7歳の少女が、たったひとりで?本当にひとりで?こんな過酷な状況野中で、3ヶ月ものあいだ、こんな生活やこんな立ち回りをしていたの?
・戦争を直接知らない私達からすると、信じられないようなエピソードが次から次に押し寄せてくる。でも写真が教えてくれる、紛れもない現実であり、事実であるのだと。
・この写真の少女、見たこともない武器で攻撃打たれると思って、だからこそそれに向けて笑顔で手を降るこの少女に、思いを馳せてしまう。自分だったら、大人の自分だとしても、そんなことぜったいにできない。
・どのエピソードも衝撃を受けるのだけど、やはりおじいさんおばあさんの白旗づくりの場面は、フィクションでも書けない鬼気迫る緊迫感がある。
・そして、2025年9月現在、著者の方がまだまだご健在であるということも、衝撃に拍車をかける事実なのである。
・多くの人に、長く、読みつがれてほしい本でした。
Posted by ブクログ
戦後22年経った1977年、コザ市(現沖縄市)の洋書店で見つけた写真集の白旗を持った少女の写真。それは、沖縄戦終戦の日の自分だった。
この写真を撮ってくれたのは誰なのか。さらに11年後の1988年、撮影者であるカメラマンを探すため、プラカードを持って、ニューヨークの平和行進に加わったという話から、この記録は始まる。
「あのときわたしを撮ってくださったカメラマンは、いまどうしているだろう。もし、元気でいるのならお会いして、ひとこと感謝の言葉をつたえたい。」(p13)
それは、どんな「感謝」だったのだろうか。
少女が持っていた白旗は、沖縄戦の最後、ガマで自分を匿ってくれたおじいさんとおばあさんが、必死の思いで作ってくれたものだった。しかし、その白旗は、この写真が撮られた直後、日本人の男の人によってとりあげられてしまう。
あの一枚の写真は、苦しい戦争の最中に、自分を助けてくれたおじいさんとおばあさんが、たしかにいて、二人が作ってくれた白旗が、たしかにあったことの唯一の証明だったのではないかと思った。だから、あの写真は、「撮ってくださった」ものなのだと思った。
「ところが、しばらくすると白旗の少女について、いろいろな想像でえがかれたり、推測で物語られたり、真実とはちがう話が、一般につたわるようになりました。このままでは、あのおじいさんとおばあさんの愛が失われてしまう。」(p13)
この記録は、一枚の写真の白旗に込められた、体の不自由な老夫婦がくれた愛を失わせないために書かれたものである。
「物」を通じた、人の記憶や気持ちの大切さを伝える物語だと、ぼくは思った。
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