田中雄一のレビュー一覧
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ノモンハン事件というものをきちんと調べたことがなかったので勉強になった。日本が第二次世界大戦に至るまでの過ちの根源あるいはきっかけがここにあったのではと司馬遼太郎が書こうとして書くのをやめた事件。
自決を強いられた井置隊長の話とか組織として考えられない。そして昭和天皇の命と思って兵たちは戦い死んでいったのに、実は一参謀の功名のためだったのではって柳楽さんの疑義もよく伝わってくる。そしてそれは陸軍だけではなかったのかもなとも思うし、もしかしたら今も?とも思う。それは日本型の巨大組織の病理なのか、それとも人間のつくる巨大組織には一般に当てはまるものなのだろうか。 -
Posted by ブクログ
偏に第一次世界大戦、第二次世界大戦といっても両手で数えきれないほどの戦いがある。その中の一つの戦争、ノモンハン戦争の理由や舞台裏が書かれている本。
恥ずかしながら聞いたことはあるが、詳しい内容まではこの本を読むまでよく知らなかった。なので、今回知る機会を与えてくれた本書には深く感謝したい。
辻政信という人物がカギとなって起こした戦争。もしこの戦争の教訓を得ていたら、ガダルカナル島の戦争も真珠湾攻撃もなかったのではないだろうか?家族や村の人たちが知る辻政信と軍関係者が知る辻政信、どちらを信じていいかは戦争書物が焼かれたり、保身を守るために嘘をつく国や軍関係者のためにどちらもわからない。でも、数人 -
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太平洋戦争開戦の直前、満州とソ連との国境で発生したのがノモンハン事件です。”事件”という名称になっていますが、わずか4か月で日本側約2万人、ソ連側約2万5千人の戦死者を出すほどの”戦争”だったのです。
太平洋戦争では日本軍が情報軽視、補給軽視、精神主義などの悪弊によって特攻や玉砕などの悲惨な戦いを繰り広げましたが、ノモンハン事件にもそのすべての要素がすでに見受けられています。
ソ連軍の物量に関する情報を軽視して安易に攻勢に出ようとする関東軍、それを明確に止めようとしなかった参謀本部、兵力の逐次投入(兵力を小出しに投入すること)などの行動原理で大きな被害を被る結果となりました。さらにこの”戦闘” -
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ノモンハン 責任なき戦い
著:田中 雄一
講談社現代新書 2538
NHKの番宣なのか、「ノモンハン責任なき戦い」NHKスペシャルと連動したもので、著者の田中雄一氏は、NHKのディレクターだ
①歩兵中心の軽装備の日本軍を、最新鋭の近代兵器のもつソ連軍に投入した
②そして敗戦処理について、現場の部隊長らが、自決と言う形で責任をとらされた
③その原因は、関東軍参謀の辻政信とその上司である服部卓四郎である
が本書の主旨である
気になったのは以下です。
・結局、ノモンハンを止めたのは、昭和天皇の激怒だった。というか、日本軍を収拾できるのは、515、226以来昭和天皇しか止められない
・がしか