田中雄一のレビュー一覧

  • ノモンハン 責任なき戦い

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    ノモンハン事件というものをきちんと調べたことがなかったので勉強になった。日本が第二次世界大戦に至るまでの過ちの根源あるいはきっかけがここにあったのではと司馬遼太郎が書こうとして書くのをやめた事件。
    自決を強いられた井置隊長の話とか組織として考えられない。そして昭和天皇の命と思って兵たちは戦い死んでいったのに、実は一参謀の功名のためだったのではって柳楽さんの疑義もよく伝わってくる。そしてそれは陸軍だけではなかったのかもなとも思うし、もしかしたら今も?とも思う。それは日本型の巨大組織の病理なのか、それとも人間のつくる巨大組織には一般に当てはまるものなのだろうか。

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    2019年11月01日
  • 田中雄一作品集 まちあわせ

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    田中雄一氏の作品『田中雄一作品集 まちあわせ(2014) 』を読んでみた。 いやー、この作品は。 どの話も傑作だ。 タイトル作”まちあわせ”が最&高!に泣けた。 良かった作品です!!

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    2019年07月22日
  • 田中雄一作品集 まちあわせ

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    日本は運良く戦後70年の平和を享受している。この安寧がずっと続くものだと思っている。でも、もしかすると、熾烈な生存競争に晒されていたかもしれないのだ。異形の生物の襲来、異星人の侵略、それが同じ人間同士であったとしても。
    『生きる』ということは斯くも過酷で残酷なことなのである。そこには正しいも悪いもなく、生き残ろうとする生命の営みがあるだけなのだ。

    忘れてしまいがちなヒト科の動物の生存本能を刺激されます。異生物はグロテスクに見えるけど、異生物から見ればヒトもグロテスクに見えるんだろうな。あるいは美味しそうに…。

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    2015年10月12日
  • ノモンハン 責任なき戦い

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    太平洋戦争とノモンハン事件の結びつきがよく分かった。つまるところ、敵情の過信と戦力の逐次投入が、権力者によって実施されたことが不幸の始まり。絶対悪がたくさんいると思う一方、そうさせた空気は、当該者だけでは作れないだろう。マスコミなどの論調は、果たして正しかったのか、疑問に思う。
    命令に従い、命を落とした人々は、本当に気の毒に思う。しかもそれが、天皇でなく一部の参謀の自己保身から出た命令なら尚更。そして、近畿財務局の自殺の件に触れていることで、形は変われど現代でも似たようなことが起きてると実感させられた。

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    2021年06月18日
  • ノモンハン 責任なき戦い

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    偏に第一次世界大戦、第二次世界大戦といっても両手で数えきれないほどの戦いがある。その中の一つの戦争、ノモンハン戦争の理由や舞台裏が書かれている本。
    恥ずかしながら聞いたことはあるが、詳しい内容まではこの本を読むまでよく知らなかった。なので、今回知る機会を与えてくれた本書には深く感謝したい。
    辻政信という人物がカギとなって起こした戦争。もしこの戦争の教訓を得ていたら、ガダルカナル島の戦争も真珠湾攻撃もなかったのではないだろうか?家族や村の人たちが知る辻政信と軍関係者が知る辻政信、どちらを信じていいかは戦争書物が焼かれたり、保身を守るために嘘をつく国や軍関係者のためにどちらもわからない。でも、数人

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    2020年08月25日
  • ノモンハン 責任なき戦い

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    ノモンハン関連の本は結構読んでるつもりなので、内容はほぼ理解していたが、テレビの力かNHKの力か、新たな一次証言を拾えているのは素晴らしい。
    辻正信の言動やまわりの証言を読んでいるといつも思うのは、頭の良いこと・自分を律する力があること・滅私奉公の精神が横溢していること、イコール、リーダーの資質とは全く違う、ということ。人間性は素晴らしい方だったのかもしれないが、絶対にリーダーにすべき人物ではない。

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    2020年03月15日
  • ノモンハン 責任なき戦い

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    ノモンハン事件の実相をえぐる、とまでは行かないが、日本軍の様々なレベルの人がどう関与して紛争がどう推移していったのかが分かる。元々がNHKの番組のための取材ということで、当事者の音声記録に重きを置いているところが目新しい。こうしてみると、軍幹部には太平洋戦争で戦死することなく戦後も結構生きた人が多いなと思う。

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    2019年12月23日
  • ノモンハン 責任なき戦い

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    読み進めていくと、呆れちゃうし絶望的な気持ちしか起こらない。誰も責任を取ろうとせず、必死に戦った現場の人間だけが詰め腹を切らされていく。上は我関せずだし、逃げ出す人間までいる。これが巨大組織ってものなんだろうか。現在の政治状況もまるで同じだ。教育改革の頓挫も「誰のせいでもない」ときたもんだ。
    軍事的には、近代戦というものが理解できていなかったわけで、これは第一次大戦に参加しなかったのが原因なんだろうね。近代戦は装備の質と物量がモノを言う。信念では大砲は防げないんだ。

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    2019年12月19日
  • ノモンハン 責任なき戦い

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    父はノモンハンの生き残りだった。一気に読んだ。特に始めの現地取材やロシアのアーカイブの部分は興味深く読んだ。未だに言い訳がましい主張や本が出る。父も含め兵士は一銭五厘で集められた。替えはいくらでもいると頻繁に鉄拳制裁を受けるなど酷い軍隊生活を語っていた。辻政信など家族に取材したのはいいが、敗戦後逃げまわり、国会議員にまでなったのはどうにも納得できない。

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    2019年11月26日
  • ノモンハン 責任なき戦い

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    太平洋戦争開戦の直前、満州とソ連との国境で発生したのがノモンハン事件です。”事件”という名称になっていますが、わずか4か月で日本側約2万人、ソ連側約2万5千人の戦死者を出すほどの”戦争”だったのです。
    太平洋戦争では日本軍が情報軽視、補給軽視、精神主義などの悪弊によって特攻や玉砕などの悲惨な戦いを繰り広げましたが、ノモンハン事件にもそのすべての要素がすでに見受けられています。
    ソ連軍の物量に関する情報を軽視して安易に攻勢に出ようとする関東軍、それを明確に止めようとしなかった参謀本部、兵力の逐次投入(兵力を小出しに投入すること)などの行動原理で大きな被害を被る結果となりました。さらにこの”戦闘”

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    2019年11月03日
  • ノモンハン 責任なき戦い

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    「数千の英霊を犠牲にした場所を放棄することはできない」
    本来、これまでの犠牲と今後の作戦とは関係無い話である。にも関わらず、撤退とはつまりこれまでの犠牲を無駄にするということか、とまるで「撤退=犠牲は無駄」と言わんばかりに否定し得ないものと関連付けさせて訴える。これに類することは現代でもみられる習性と感じる。

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    2019年10月08日
  • 田中雄一作品集 まちあわせ

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    四編の短編漫画のなかに、いま現在の日常に漂う不穏さがエッセンスとして感じられて、ひどく気持ちがざわつく。

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    2014年06月26日
  • ノモンハン 責任なき戦い

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    ノモンハン 責任なき戦い
    著:田中 雄一
    講談社現代新書 2538

    NHKの番宣なのか、「ノモンハン責任なき戦い」NHKスペシャルと連動したもので、著者の田中雄一氏は、NHKのディレクターだ

    ①歩兵中心の軽装備の日本軍を、最新鋭の近代兵器のもつソ連軍に投入した
    ②そして敗戦処理について、現場の部隊長らが、自決と言う形で責任をとらされた
    ③その原因は、関東軍参謀の辻政信とその上司である服部卓四郎である

    が本書の主旨である

    気になったのは以下です。

    ・結局、ノモンハンを止めたのは、昭和天皇の激怒だった。というか、日本軍を収拾できるのは、515、226以来昭和天皇しか止められない
    ・がしか

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    2024年09月05日
  • 田中雄一作品集 まちあわせ

    無料版購入済み

    φ(。_。*)

    続きが気になる、、、。

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    2023年12月05日
  • ノモンハン 責任なき戦い

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    ノモンハン事件っていまいち掴みづらい。

    もはや、事件レベルではない。

    さらにいうと、紛争こえてるし。

    ルポを、見てさらにそれを認識した。

    張鼓峰事件とのつながりとかがもっと有れば、わかりやすいのか?

    んー、勉強不足である。

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    2022年01月31日