【感想・ネタバレ】ノモンハン 責任なき戦いのレビュー

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Posted by ブクログ 2019年11月01日

ノモンハン事件というものをきちんと調べたことがなかったので勉強になった。日本が第二次世界大戦に至るまでの過ちの根源あるいはきっかけがここにあったのではと司馬遼太郎が書こうとして書くのをやめた事件。
自決を強いられた井置隊長の話とか組織として考えられない。そして昭和天皇の命と思って兵たちは戦い死んでい...続きを読むったのに、実は一参謀の功名のためだったのではって柳楽さんの疑義もよく伝わってくる。そしてそれは陸軍だけではなかったのかもなとも思うし、もしかしたら今も?とも思う。それは日本型の巨大組織の病理なのか、それとも人間のつくる巨大組織には一般に当てはまるものなのだろうか。

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Posted by ブクログ 2021年06月18日

太平洋戦争とノモンハン事件の結びつきがよく分かった。つまるところ、敵情の過信と戦力の逐次投入が、権力者によって実施されたことが不幸の始まり。絶対悪がたくさんいると思う一方、そうさせた空気は、当該者だけでは作れないだろう。マスコミなどの論調は、果たして正しかったのか、疑問に思う。
命令に従い、命を落と...続きを読むした人々は、本当に気の毒に思う。しかもそれが、天皇でなく一部の参謀の自己保身から出た命令なら尚更。そして、近畿財務局の自殺の件に触れていることで、形は変われど現代でも似たようなことが起きてると実感させられた。

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Posted by ブクログ 2020年08月25日

偏に第一次世界大戦、第二次世界大戦といっても両手で数えきれないほどの戦いがある。その中の一つの戦争、ノモンハン戦争の理由や舞台裏が書かれている本。
恥ずかしながら聞いたことはあるが、詳しい内容まではこの本を読むまでよく知らなかった。なので、今回知る機会を与えてくれた本書には深く感謝したい。
辻政信と...続きを読むいう人物がカギとなって起こした戦争。もしこの戦争の教訓を得ていたら、ガダルカナル島の戦争も真珠湾攻撃もなかったのではないだろうか?家族や村の人たちが知る辻政信と軍関係者が知る辻政信、どちらを信じていいかは戦争書物が焼かれたり、保身を守るために嘘をつく国や軍関係者のためにどちらもわからない。でも、数人の軍関係者の名誉のため評価のためだけに何万人という日本軍やロシア軍、敵軍が戦死、死亡したのは事実である。今は亡き私の祖父(満州、ビルマの戦い)に、もう少し突っ込んで戦争の話を聞いておけばよかったと後悔するばかりだ。彼は、戦争の話はしたくなさそうだったが、戦争の悲劇を次に繋ぐためにももっと話が聞きたかった。
とにかく、もっともっとノモンハン戦争やガダルカナル島の戦い、戦争に関しての書物をもっと読みたいと思わせてくれた本。

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Posted by ブクログ 2020年03月15日

ノモンハン関連の本は結構読んでるつもりなので、内容はほぼ理解していたが、テレビの力かNHKの力か、新たな一次証言を拾えているのは素晴らしい。
辻正信の言動やまわりの証言を読んでいるといつも思うのは、頭の良いこと・自分を律する力があること・滅私奉公の精神が横溢していること、イコール、リーダーの資質とは...続きを読む全く違う、ということ。人間性は素晴らしい方だったのかもしれないが、絶対にリーダーにすべき人物ではない。

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Posted by ブクログ 2019年12月23日

ノモンハン事件の実相をえぐる、とまでは行かないが、日本軍の様々なレベルの人がどう関与して紛争がどう推移していったのかが分かる。元々がNHKの番組のための取材ということで、当事者の音声記録に重きを置いているところが目新しい。こうしてみると、軍幹部には太平洋戦争で戦死することなく戦後も結構生きた人が多い...続きを読むなと思う。

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Posted by ブクログ 2019年12月19日

読み進めていくと、呆れちゃうし絶望的な気持ちしか起こらない。誰も責任を取ろうとせず、必死に戦った現場の人間だけが詰め腹を切らされていく。上は我関せずだし、逃げ出す人間までいる。これが巨大組織ってものなんだろうか。現在の政治状況もまるで同じだ。教育改革の頓挫も「誰のせいでもない」ときたもんだ。
軍事的...続きを読むには、近代戦というものが理解できていなかったわけで、これは第一次大戦に参加しなかったのが原因なんだろうね。近代戦は装備の質と物量がモノを言う。信念では大砲は防げないんだ。

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Posted by ブクログ 2019年11月26日

父はノモンハンの生き残りだった。一気に読んだ。特に始めの現地取材やロシアのアーカイブの部分は興味深く読んだ。未だに言い訳がましい主張や本が出る。父も含め兵士は一銭五厘で集められた。替えはいくらでもいると頻繁に鉄拳制裁を受けるなど酷い軍隊生活を語っていた。辻政信など家族に取材したのはいいが、敗戦後逃げ...続きを読むまわり、国会議員にまでなったのはどうにも納得できない。

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Posted by ブクログ 2019年11月03日

太平洋戦争開戦の直前、満州とソ連との国境で発生したのがノモンハン事件です。”事件”という名称になっていますが、わずか4か月で日本側約2万人、ソ連側約2万5千人の戦死者を出すほどの”戦争”だったのです。
太平洋戦争では日本軍が情報軽視、補給軽視、精神主義などの悪弊によって特攻や玉砕などの悲惨な戦いを繰...続きを読むり広げましたが、ノモンハン事件にもそのすべての要素がすでに見受けられています。
ソ連軍の物量に関する情報を軽視して安易に攻勢に出ようとする関東軍、それを明確に止めようとしなかった参謀本部、兵力の逐次投入(兵力を小出しに投入すること)などの行動原理で大きな被害を被る結果となりました。さらにこの”戦闘”を主導した軍幹部は軽い処罰で再び軍の要職に復帰しているにもかかわらず、現場指揮官の多くにその責任が転嫁去れると言う歪んだ人事も横行していました。
しかもノモンハン事件終息後の軍内部の研究会では、兵力の近代化の遅れや情報軽視などの要因を指摘する幹部が存在したにも関わらず、必勝を期する信念の不足が敗因であると結論付けられました。もしもこの時にきちんとした敗因分析が行われていれば、太平洋戦争の展開も違ったものになっていたかもしれません。
本書はノモンハン事件をテーマにしたNHKスペシャルの取材班が番組取材の過程についてまとめたものです。上述したようなノモンハン事件に関する詳細なデータや、関係者へのインタビューなどを交えて非常に読みやすく、昭和の転機となった歴史上の出来事について押さえるべき点を理解することができます。

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Posted by ブクログ 2019年10月08日

「数千の英霊を犠牲にした場所を放棄することはできない」
本来、これまでの犠牲と今後の作戦とは関係無い話である。にも関わらず、撤退とはつまりこれまでの犠牲を無駄にするということか、とまるで「撤退=犠牲は無駄」と言わんばかりに否定し得ないものと関連付けさせて訴える。これに類することは現代でもみられる習性...続きを読むと感じる。

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Posted by ブクログ 2022年01月31日

ノモンハン事件っていまいち掴みづらい。

もはや、事件レベルではない。

さらにいうと、紛争こえてるし。

ルポを、見てさらにそれを認識した。

張鼓峰事件とのつながりとかがもっと有れば、わかりやすいのか?

んー、勉強不足である。

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