宮脇淳子のレビュー一覧
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共著者3名が、カンボジア訪問を機にアジア史、特にカンボジアを中心としたインドシナの歴史について書いた本。宮脇氏が、古代から英仏の植民地になるまでの歴史を概説し、江崎氏が、残留日本兵の助けを借りながらカンボジアが独立を果たす経緯を記し、福島氏が、カンボジアにおける中国の影響力について書いている。3者とも内容は深く、かつ3者がうまくマッチしていて読みやすい。とても勉強になった。最後の対談でも繰り返し述べられているが、中国が今まで国際政治や覇権争いの中で繰り広げてきた残虐な行為とそれをリードする中国人リーダーたちの人間性を、日本人はよく理解する必要があると強く感じた。
「インドシナは、インドとシ -
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暗黒のヨーロッパ中世、略奪主義の近世ヨーロッパ、第2次世界大戦後の歴史を捻じ曲げてきたアメリカ、そして中国、ロシアー彼らの作る世界史も自己中心的なものであり、今こそ大局から見ることのできる日本が世界史を書くべきだという論旨である。
いくつか、そうかと思ったところを書き抜いてみる。
・①白人は略奪主義だった②キリスト教はそれを正当化する道具にされた③略奪主義の300年間にどんなことが行われてきたかーこの3点をしっかり書き切るだけでも、多くの人がイメージしている世界史とは全く違ったものができる。
・アメリカ人が自作自演したハワイ王党派のクーデターにかこつけて、無理やり女王を退位させ、アメリカにハワ -
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雑誌への投稿エッセイをまとめたもの。モンゴル、中国、朝鮮の歴史の専門化が、一般読者向けに書いたものだけあって、読みやすく説得力がある。既出の著書にはなかった新たな記述もあり、参考になった。
「(ロッテワールド裏の屈辱碑)「愚かな朝鮮王は偉大な清国皇帝に逆らった。清国皇帝は愚かな朝鮮王をたしなめ、己の滞在を許してくれた。良心に目覚めた朝鮮王は自分の愚かさを猛省し、偉大な清国皇帝の臣下になることを誓った。我が朝鮮はこの清国皇帝の功徳を永遠に忘れず、また、清国に逆らった愚かな罪を反省するためにこの石碑を立てることとする」という嫌がらせそのものの内容で、これを清朝の公用語である満州語、モンゴル語、漢語 -
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世界史は今から遥か昔になりますが高校2年生の時に勉強しました、と言っても年に5回あった定期試験の直前に教科書を丸暗記して臨んでいたので、試験終了後にすべて忘れてしまっています。
そんな私ですが、歳と重ねるにつれて日本史だけでなく、世界史、それも近代にいたるまでの欧州以外の歴史にも興味を持つようになりました。アンテナを張っていると目に飛び込む様になるのでしょうか、この本をネットで見つけました。
今までとは異なった視点で世界史を見直すことができる本です。そのポイントは、歴史から意図的に消された「2つの帝国:モンゴル帝国と大日本帝国」というのがこの本の著者の宮脇女史は述べています。大日本帝国が活 -
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中国美女の正体を知りたくて読書。
やや偏った印象も受けるが、中国を熟知している日本人女性が中国人女性を語るコンセプトはユニークだと思う。
文中に中国はEUとアフリカを一緒したくらいの多様性があると紹介されているが、中国へ来たことなく知らない日本人が一元論的に中国はこうだと決めつけるのはのは、現実が見えなくなるので危険だ。大連しか住んだことない私でも同感。外へ出たがらない人が増える傾向にあるという現代日本にはそんな人も少なくないように感じる。多種多様な情報や知識を学び複眼思考で考えられるようにしたい。
著者の1人の福島さんがワイフワークが夜やアングラ世界をフィールドにしてきことが感じられる -
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ネタバレ[ 内容 ]
歴史の表舞台から消滅して六十年。
日清・日露戦争を通じて「一〇万の生霊、二〇億の国帑」によって購われた大地―。
なぜ満洲に日本人が大挙して向かうことになったのか。
清朝中国、モンゴル、朝鮮、そしてロシア。
さまざまな利害と思惑が生み出した満洲帝国とは、いったいなんだったのか?その数奇な運命を詳細にたどる。
政治的立場や道徳的価値判断をいっさい排し、あくまでも歴史学的に満洲を位置づけようとした最初の試み。
日中韓で事あるごとに巻き起こる歴史認識問題を理解するための必読書である。
[ 目次 ]
第1章 満洲とは何か
第2章 満洲の地理と古代
第3章 東アジアの民族興亡史
第4章 元 -
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島国の日本ですが外国から攻められた有名なものとして、元寇があると思います、蒙古襲来と言われることもあるようですが、この本を読むことで、フビライ=汗が日本へどの程度の興味を持っていたのかがよく分かりました。
遠征軍の構成内容を見ると、フビライの本当の狙い(征服したエリアの兵士を消耗させる等)も見えてきた気がしました。すると、秀吉が晩年に行った二度の朝鮮への出兵も、彼の狙いも見えてきた気がしました。
更には、元寇でかなりの被害を受けた「対馬」の位置付けも再認識できました。将来時間が取れた時に、是非一度訪れて、自分の目で見てみたいと思います。
以下は気になったポイントです。
・シナの歴史でい