谷垣暁美のレビュー一覧
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ゲド戦記の作者
子供は言われたことを信じないといけない。子供にとって、進んで信じることは生き続けるために、人間らしくなるために必要なこと。
教えられることに耳を傾けてそれを信じなくてはならない。情報が妥当であるかテストすることは常に許されるべきだが、同時に危険を伴う。
道路に飛び出したら?コンロの赤くなったバーナーを触ったら?ということはテストすることなく信じた方がいい。学ぶことが多すぎて全てをテストすることは不可能だ。本能的に死っていることがほとんどないので、世界をどのように把握し、その中で生きて行く道をどうやって見つけるかに着いて基本的パターンを人に示してもらわないといけない。 -
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ネタバレ最初からほぼずっと何かを非難したり責めたりしているので、なんだか疲れる。「鋭い指摘」とか、誰かをけなすための「ユーモアたっぷりの皮肉」とか、合う人はきっとたくさんいるんだろうけど、私がエッセイで読みたいと思っているのはそういうタイプの文章ではないな、とようやく気づいた。絲〇さんとかもズケズケ言う毒舌系でエッセイがどうも合わない。
ただ、それだけに「怒りについて」の話は考えさせられるところがあった。
本人も「怒りが私の行為や思考の燃料になっていることがいかに多いか、自分がどんなにしょっちゅう怒りに身を任せているかに気づかずにはいられない」と認めている。そして、怒りの有用性、怒りという武器が正当 -
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途中、途中、飛ばしながら最後まで完走。内容の厚いエッセイで、読んでいると考える脳を刺激され、落ち着かなかった。すんなり入ってくることもあれば、なんとなくしか理解できないことも。読む側を想定しないまるで独白のような文章を読むことはとても心地良く、エッセイというもののほとんどがこうであるなら楽しいなと思った。訳者あとがきで引用されていた一節が素敵だったのでメモとして掲載。
「お告げは命令を下すのではない。その逆で、考えるよう促すのだ。謎に対して思考を寄せることを、私たちに求めるのだ。考えて行動した結果が思わしくなくとも、それがわたしたちにできる最善のことなのだ。」 -
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西のはての年代記Ⅰ~北の高地のブランターに伝わっている不思議な能力はギフトと云うが,低地の人々は魔法使いだと思っている。カスプロ家に父から息子に伝わるギフトは「もどし」だ。父カノックはこのギフトで低地から妻であるメルを得て,オノックが生まれたが,オノックにはギフトの兆しが見られない。父との訓練,母との読み書きの学習をしている内に,隣国を併呑したオッゲは「すりへらし」のギフトを振るった。親密な隣国「ナイフ」のギフトを持つターノックと「呼びかけ」のギフトを持つパーンの間にはオノックと同じ年のメルがいるが,「呼び掛け」のギフトをメルは動物たちとの繋がりを付けるために使いたく,母のように狩りに使いたく
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西のはての年代記Ⅲの上巻~ガヴは西のはての都市国家群のひとつであるエトラのアルカ家の少年奴隷だが,幸せなことに姉がいて面倒を見てくれエヴェラ先生から目を掛けられ次の教師としての教育を受けている。そして,これから起こることを思い出す特別な力がある。思い出したのは,緑の幟を立てた兵士がエトラの町を荒らして回っている様子だった。2歳年長の主人の次男トームと同じ日に生まれた奴隷のホビーは戦争ごっこで苛めに来る。ホビーの目の上を木の剣で傷つけた後は奴隷達によって井戸に逆さ吊りにされ殺され掛けた。トームは奴隷に武器を持たせたことと幼い奴隷の男の子を叩いて殺したことにより夏の農村でのバカンスに同行を許されず
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西のはての年代記Ⅲの下巻~バナーの率いる森の心臓に攫われてきたイラードはメルと云う名の妹を連れていたが,バナーから逃れるためにイラードがカヴの部屋に隠れていたことで命を狙われると恐れる周囲が森を出ることを勧めた。行く場所は故郷である水郷地帯しかない。14・5年前に攫われた時の姉と自分の名前だけだったが,すぐに伯母が見つかり,伯父の許へ送られた。水郷では男と女が別れて村を作り,男は狩りや漁で手に入れた水鳥や魚を持って女の許に行き,料理をして貰うのだ。大人の儀式と釣りの腕で認められたガヴは暫く後,自分の力の話を始めるが,伯母が同じ力を持っている事を知り,他の大人に葦の島に連れて行かれる。カヴは偉大
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