斎藤潤のレビュー一覧
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東京の島、と言ってもマニアックではない正統
的な?伊豆諸島や小笠原諸島への訪問記です。
著者は島旅に関しては第一人者と言える方です。
この本でも何と硫黄島に上陸しています。
あの戦争で激戦地であった硫黄島です。
さらに驚くことに日本最南端の島である沖ノ鳥
島へも訪れています。
民間人では最初の訪問者ではないでしょうか。
その他の島々でも観光客視点ではなく、その島
独自の産業や文化に光を当てて、一過性ではな
い道を探る内容となっています。
それぞれの島にも知られざる歴史があります。
観光気分で島の光の部分だけを楽しむだけでは
なく、陰の部分も学ぶべきと思い知らされる一
冊です。 -
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最近、地震などの報道で話題となっているトカラ列島。屋久島と奄美大島の間に7つの有人島が連なっており、それぞれ100名前後の人口が住んでいる。アクセスするには鹿児島と奄美大島を往復する十島丸という週2便のフェリーに乗船する必要があり、悪天候や各港の状況によっては接岸しない場合もある。
そんなラストサンクチュアリと呼べるトカラ列島の魅力はその多様性にある。島ごとに特徴がはっきりしており、野生牛の棲む島、温泉が湧いている島、そして海賊が財産を隠したその名も宝島など、パッと聞いただけでも興味をそそられる独自性がある。黒潮がぶつかる豊かな漁場であり、島では魚食を中心に食文化も独自進化している。とくに人 -
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[ 内容 ]
吐〓喇(とから)列島は、屋久島と奄美大島の間南北百数十キロに連なる七つの有人島と五つの無人島からなる一つの自治体で、十島村という。
日本で一番細長い村だ。
昭和二一年二月米軍政下におかれるまでジットウソンと呼ばれていたが、北緯三〇度線以北の現三島村(黒島、硫黄島、竹島)が独立し、昭和二七年二月の日本復帰以降はトシマムラと呼ばれるようになった。
広大な荒海七島灘に散らばる七つの島に住む人々は、合わせて六二五人。
しかし、わずかこれだけの人たちが保持している伝統文化、多様な民俗、そして生活の知恵は、計り知れない。
廃れた習慣や知恵も膨大なのだが、それでも都会暮らしをする人間にはとても -
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ネタバレ[ 内容 ]
太平洋戦争の激戦地であった島、日本で唯一の砂漠がある島、かけがえのない温泉の島、皇室とゆかりの深い島、極上の酒が眠る島、ホエールウォッチング発祥の島、日本で唯一の熱帯に属する島…。
東京の島は伊豆諸島と小笠原諸島からなる。
東京から約一〇〇~二〇〇〇キロ南の太平洋上に大小三〇〇余りの島々が点在し、約三万人が暮らしている。
近年、ダイビング、釣りといった海の楽しみだけでなく、日本有数の巨樹の森や高山植物、散策できる噴火口など、豊かな森や山も注目され始めている。
「荒波の中にポツンとある島らしい島々」―四季折々、変化に富む表情を持つ東京の島々は、眠れる楽しみの宝庫であった。
[ 目 -
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ネタバレ[ 内容 ]
海がきれい。
空気がきれい。
都会に疲れた。
静かな所で過ごしたい。
誰も知らない島へ―。
[ 目次 ]
第1章 こんな顔もあったんだと思った島
第2章 島人はどんな暮らしをしているんだろう
第3章 大自然の恵みにどっぷり浸る
第4章 いるだけでなんだか寛いでしまう島
第5章 ちょっと遠かったなあ~―絶海の孤島
第6章 なにもないのにもう一度行きたい島
第7章 すべて美味しくいただきました
第8章 みんなどうもよく知らない謎の島
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 -
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ぎりっ、ぎりっ、ぎりっ。
音のする方を振り返ると、公社の制服を着た郵便配達が、桟橋上のシルバーのポール脇に「起立」している。赤い旗がするすると揚がってゆく。聞き慣れない音は旗の紐を引く音だった。
対岸の漁船型の渡し舟が「ぶおっ」と汽笛で応え、ダイナミックな方向転換で渦波をおこしながらこちらに向かってくる。
「渡してよ」、「了解」の合図だった。
郵便配達は自分の担当エリア内なら、隣の配達先までは当たり前だが道を歩く。川があれば橋を渡る。でもここでは、お隣との間には狭いながらも「海」がある。渡し舟がここでは「公道」なのだ。
寒風沢島と記して「さぶさわ」島と言うこの島へ