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Posted by ブクログ
ぎりっ、ぎりっ、ぎりっ。
音のする方を振り返ると、公社の制服を着た郵便配達が、桟橋上のシルバーのポール脇に「起立」している。赤い旗がするすると揚がってゆく。聞き慣れない音は旗の紐を引く音だった。
対岸の漁船型の渡し舟が「ぶおっ」と汽笛で応え、ダイナミックな方向転換で渦波をおこしながらこちらに向かってくる。
「渡してよ」、「了解」の合図だった。
郵便配達は自分の担当エリア内なら、隣の配達先までは当たり前だが道を歩く。川があれば橋を渡る。でもここでは、お隣との間には狭いながらも「海」がある。渡し舟がここでは「公道」なのだ。
寒風沢島と記して「さぶさわ」島と言うこの島へ来てみる気になったのは、『日本《島旅》紀行』のおかげだ。家から30分の塩釜港発で、500円の乗船賃で行けてしまうこともこの本で初めて知った。
観光地松島の遊覧船から眺める島々は、奇岩に松の生い茂る無人島だと、ほとんどの人は思い込んでいる。仙台人も島の対岸の町の住人でさえ。
そんな島にも人が住んでいて「生活」がある。
「歴史」だってある。日本人で初めて漂流の果て、心ならずだが世界一周を成し遂げてしまった津太夫もこの島の出身だということも、第一章「こんな顔もあったんだと思った島」で紹介されていた。
「島のお葬式」にも遭遇した。
島の人口を上回る乗客で市営汽船は溢れていた。座る席は当然ない。目当ての島に着くと、最初に法衣のお坊さんが、皆に見守られながら下船する。一呼吸おいて黒い喪服集団がわっと降りた。仕出し屋と思しき数人が、荷物一式を器用にかかえて最後に降りる。「式」に必要な人員と資材が全て島に運び込まれた。
そして船には誰もいなくなった。
島でも島以外の陸地の上でも、同じ日常の生活がある。でも島だからこそ垣間見えてしまう物事の側面もある。
島旅の新鮮な楽しみって、コレだと思う。
次はどの島に行こうかな。
「オーハ」島がいいかな。「歩いてしか渡れない。歩いて渡ると危険」な島だそうだ。
隣の久米島までなら空路もあって溜まったマイルでタダで行けるから、その先の渡り方は行ってから考えようかな。
そんな島旅の夢をかきたてる、34ヶ所分の島情報が詰まっています。おすすめデス。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
海がきれい。
空気がきれい。
都会に疲れた。
静かな所で過ごしたい。
誰も知らない島へ―。
[ 目次 ]
第1章 こんな顔もあったんだと思った島
第2章 島人はどんな暮らしをしているんだろう
第3章 大自然の恵みにどっぷり浸る
第4章 いるだけでなんだか寛いでしまう島
第5章 ちょっと遠かったなあ~―絶海の孤島
第6章 なにもないのにもう一度行きたい島
第7章 すべて美味しくいただきました
第8章 みんなどうもよく知らない謎の島
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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