大庫直樹のレビュー一覧
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わかりやすくて、鋭い指摘がなされている良書。
(概要)
日本では、海外企業との競争にさらされ、IT化が重要になるなど、
80年代に比べて、中小企業の経営が難しくなってきている。
それにより収益性が悪化しているため、
銀行はなかなか中小企業にお金を貸すことが出来ない。
だから、貸し渋り問題の本質は、銀行にあるのではなく、
中小企業の収益性の低下にある。
外銀と比べて収益性が低い邦銀が収益性を高める方法として、
・金利の適正化
・手数料収入の増加(投資信託の販売促進など)
・中小企業の収益アップ→融資拡大
の3つを挙げている。
このうち最も重要なのは、「中小企業の収益アップ→融資拡 -
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銀行業界以外の人が読むことを想定した内容であり、平易な文章にて一気に読める。ざっくりとだが、銀行とはどのようにして収益を上げているのかがよく分かる。俗に言う「図解シリーズ」的な幅広い網羅性は無い分、肝心な部分に絞っているので理解が進む。
でもそこで語られているのは、読み手想定ではない銀行の人たちや融資をしてもらいたい中小企業の人たちだったりするところがおもしろい。銀行業界に長く関わり、日本の銀行業界の行く末を案じ、私案を提示することで日本の銀行業界の底上げを願っており、とても愛情に満ちた内容である。
銀行業界に興味ある方には入門編としてオススメ。銀行の胡散臭さやあくどいと感じている人には、 -
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民営化騒動の際のマスコミの騒ぎかたは異常だったが、基本はマスコミも民営化を推進する気はなかったんだろう(大蔵省には逆らわない)。ただ人気が出てしまった小泉さんを敵にはまわせず、本筋を避けたということか。避けたかった本筋であろうゆうちょ銀行の問題点や銀行の実態についてちょっと分かったような気がする。
預貸率(集めた金の残高に対して融資した金の割合)はピーク時の93年には90%ほどが今は70%程度に留まり、ソニー銀行は30%台、じゃパネット銀行では10%を切る水準にあると。これには驚いた。銀行は預金が集まりすぎて困っているんだ。融資したくても効率的な融資先がないんだ。 -
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ネタバレ[ 内容 ]
「銀行の貸し渋りは問題です」と言われているが、「何が問題なのか」、「なぜ起きているのか」を理解している人はそれほど多くない。
また、「ALM収益とは何か」と聞いてすぐに答えられる人は何人いるだろうか。
経済生活を支える金融システム。
しかし、その核となる銀行について知らないことは驚くほど多い。
そのしくみを知ることは私たちの経済生活の礎となるはずだ。
あしたのための「銀行学」を学び、正しい判断力を養える一冊。
[ 目次 ]
プロローグ みんな名前が変わりました
第1章 貸し渋りって本当ですか?
第2章 預金ばかり集まって困っています
第3章 ALM収益という魔物
第4章 金融技 -
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規制や法律にガチガチに固められ、取引先の中小企業は収益が上がらない。今、銀行に一体どんなイノベーションができるのだろう?なかばあきらめムードが漂っているようにさえ感じてしまいますが・・・。そんな折、この本を発見したので読んでみました。
本書では、日本の銀行を取り巻く環境や、収益が生まれる仕組みなどから始まり、貸付先である中小企業の実態までとても分かりやすく書かれています。
銀行は、貸し渋りのイメージのせいか悪者にされがちですが、この本を読めば、業界の実態と、銀行が何をしているのか分かります。そもそも「貸し渋り」を非難する前に考えなければならないのは、中小企業が抱える本質的な問題。目先の運 -
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マッキンゼーで金融機関の経営改革に長年携わった著者が、銀行(およびその主要顧客である中小企業)の実態について、一般の人々向けにわかりやすい文章で書いている本。
あっという間に読める分量で、かつ著者が考える問題の本質も明確に示しており、満足のいく内容でした。
著者の提言対象は、主に銀行(の収益構造)と中小企業に分けられます。
中小企業の経営悪化の実態はマスコミなどでも取り上げることが少なく、銀行経営に関する議論のベースに組み込まれていない気がします。著者が述べているように、「金融=悪」という昨今の紋切り型の議論に終始して満足するのではなく、現状を把握して地に足をつけた議論を進めていくことが重 -
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経済を活性化させるためには銀行の存在は必要不可欠だ。
ただ、90年代あたりからバブル崩壊、不良債権問題、サブプライムローン問題などなど金融がらみの危機が相次ぎ、また、銀行の統廃合が繰り返されたり過剰融資や貸し渋りなど、銀行業界は激しい問題や変化にさらされてきた。
銀行や金融業界、金融システムの批判も一理あるだろうけど、貸したり預けたりしたお金の流れや収益モデルなど銀行のシステムがどうなってるか、あまり知られてない部分も多いと思う。
この本は銀行のしくみなどについて分かりやすく説明するとともに、銀行の課題、銀行の今後がどうあるべきかについて書かれている。
銀行の事が分かれば、お金の流れにつ -
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「金融技術を超えて人間がどう判断しどう行動していくべきか」
日本の銀行の海外と比較した特徴、規模別の特徴、銀行の貸し渋り、などについて幅広く定量・定性的に分析されており新書としては十分な情報量。
国際的に邦銀は内部コストが低く、効率性は高いが、手数料ビジネスなどの強化が遅れ、また金利の決定方法にも問題があり収益が低いため結果として収益性が国際的に低く外銀にとって魅力のあるマーケットとはいえないという。
確かに手数料ビジネスについては邦銀上層部の方も新聞などでコメントしているが「頭を使う仕事」であり現在遅れていて急激に伸ばすことは難しいが取り組まなければならない問題である。
大蔵省時代から規 -
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ネタバレ新聞の広告をみて購入したつもりだけど、2009年発行と結構古い。著者の大庫氏は東大⇒マッキンゼーで銀行コンサル。
感想。メディア主導で築かれている銀行への誤解を解きほぐすというほんの目的は十分果たされていると思います。感情論や浮ついた主張ではなく、事実を淡々と説明してくれています。ただ保証協会の説明は完全に誤っている(銀行で断られた人が頼るのが保証協会だと。まあ与信的にはわかる主張だが。)
備忘録。
・ALM収益の構造がよくわかるとの広告につられたのだが、語彙として覚えることができたけど、極々当たり前でした。
・中小企業とは具体的にどんな企業か、という話の前提はやっぱり必要だ。
・中小企業向け -
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コンサルとして銀行経営に携わった著者による日本の銀行の問題点を解説している本。
日本の銀行の歴史から、現在の銀行の問題点まで網羅的に解説されている。
・中小企業に融資をしても銀行はもうからない。
・それは金利水準が低すぎるからで、根本の問題は、中小企業の経営を革新することにある。
・預金で資金を得て、貸付を行うモデルでもうからないために、投信販売や住宅ローンに注力し始めている。
・その他長期金利と短期金利の差で収益をあげている。この収益は、金利リスクをはらんでおり、預金者や株主に還元すべきものだが、そこで企業の貸倒コストを賄っているのが現状。
・また、銀行は今までイノベーションをしこなかった -
Posted by ブクログ
【預金は儲からない】
・預金金利と市場金利があまり変わらない
・預金には利息以外のコスト-預金保険料(0.08%程度)、ATM、ネットバンキング、広告費・・・がかかる
【コントローラブルな預金~プライシング~】
・預金金利をほんの0.数パーセント上げるだけで、数百億円あるいは数千億円といった単位の預金が流れ込んでくる
・預金をどれくらい獲得するかは銀行側の意思でかなりコントロールできるようになった
・キャンペーンという形で、時期や場所、顧客層を限定して取引を強化したいお客様にアピールする
【貸出収益でも預金収益でもない、ALM収益】
・収益=貸出収益(貸出金利-貸出と同じ期間の市場金利)+ -
Posted by ブクログ
著者、大庫氏である。東大理学部ーMckーパートナーー独立というような経歴。
数学に得意で、かつMck時代にリテールバンキング案件を主に行っていた事からも、
銀行学?を語らせるには、申し分ない。
本書の内容は。いくつかのトピックの組み合わせであり、銀行って何だ?と
いった漠然とした内容に答えるには不十分であると個人的には思うが、コンパクトかつ
明瞭で、なんとなく今の銀行の状態が分かるって感じにはなっていると思う。
しかし、軸がぶれている感が出ているのは否めない。
結局何が言いたいのだろうか・・・?
まぁ、主張は、対銀行、対中小企業、対銀行を知りたいヒトって感じに分けられると
思うが、主張にイ