大井篤のレビュー一覧

  • 海上護衛戦

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    貴重な史料だし、ある海軍参謀の仕事に関わる読み物としても非常に面白い。血湧き肉躍るようなものではなかったとしても。
    日本は英と違って海上護衛の考えが著しく乏しかった。兵站線を考慮せず戦線を拡大した日本は、船腹喪失が増えても護衛に関しての着眼がなく、護衛総司令部はできても十分な兵力があてがわれず、状況は改善しなかった。レイテ沖海戦など航空戦力を失い、丸裸で特攻のような使い方をしたが、これを護衛に回していたら勝てないのは変わらずともまた戦争は違った様相を呈していただろうと思う。
    中央の参謀でジリジリと部隊がやられていくのを見てるのはどんな気分だろうか。心臓が強くなければ務まらないな。
    軍令部の連合

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    2025年06月14日
  • 海上護衛戦

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    ローマ帝国一千年の礎は諺にもある通り「全ての道はローマに通ず」である。即ち平時においても戦時においても兵站・輸送は国体の護持に欠かさざるものであることを歴史において証明している。著者は、日本という海洋国家がいかに海上輸送を確かにしなければ開戦な能わずを主張していた。当時の日本の才ある人々が帝国海軍の中にあり、様々なデータを元に日本が戦うべきか戦うとしたらどのように戦うべきかを論じていた。後世から観ると軍の暴走やメンツばかりで論理的な勝算があったかわからない先の大戦であるが、開戦の是非は別にしても少なくとも数字的な根拠はあったことが本書によりわかる。おそらくこの数字的なベースが山本五十六をして短

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    2018年04月10日
  • 大井篤海軍大尉アメリカ留学記 保科さんと私

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     大井氏が最晩年に水交会の雑誌に連載したエッセイをまとめたものである。1994年に92歳で亡くなり未完となったが、昭和一桁の時代のアメリカ留学の話を、自身や同行の保科善四郎の日記を参考にしつつも、平成の時代に書くのだから凄い。これだけでも大井氏の頭の良さが窺える。
     保科さんと私という副題ながら、次第に私が何を考えていたかに重点がおかれていく。丁寧で飾らない文章は読みやすいながら、ジェファーソンやアリストテレスを引用してのアメリカ理解、「リクツヤ」の自覚、海軍留学組や現地の人々との交流、など昭和初期の海軍エリートの等身大の姿がよく表れていておもしろく読めた。

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    2015年05月02日
  • 海上護衛戦

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    資源(石油)獲得の為に、始まった戦争であるにも関わらず、決戦重視で資源輸送への意識の低さの実態がよくわかる本。
    戦争当初から、海上護衛やロジスティクスに対する意識が高かったとすると、どういうような戦争過程になっていたかという想像にかられる。
    潜水艦による商船・タンカーへの攻撃が、日本のロジスティクスを破壊していったことがわかるが、当初から護衛&護衛戦略をつけていたら、潜水艦からの被害がどこまで減らせたか興味がさらにわきました。

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    2014年11月13日
  • 海上護衛戦

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    ネタバレ

    徴用船舶の護衛を担当した海上護衛総司令部の参謀であった大井大佐による、シーレーン防衛の重要性を説く本です。

    潜水艦・航空機の本格活用に伴い、物資を搭載した船舶を敵の通商破壊からエスコートすることは戦争を継続していくためには不可欠ですが、日本海軍は運用思想の相違からそれを重要視していませんでした。

    詰めの甘さからくる楽観視や後手後手の対応、海上護衛の観点から見る連合艦隊の柔軟性の低さによって、貴重な人命と資源が簡単に海に沈んでいきます。

    連合艦隊がいかに戦い、そして散ったかを書く本は多いですが、敗戦の直接の原因の一つである補給について個人名を出しながら痛烈に批判する本著は、海自がシーレーン

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    2014年08月21日