小川和久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
筆者の、日本は既に集団的自衛権を行使してきたという主張などは?だが、集団的自衛権についての各論点についてQ&A方式で示されていて概ねわかりやすい。
筆者の、日本はすでに集団的自衛権を行使してきたという主張についてだが、国連憲章やICJ判決などで示された要件を満たしていない以上、そう主張する事は、日本が国際法違反をしている疑いがある事になると思うのだが。たとえば、集団的自衛権に基づいて武力行使をしているとするなら、国連への報告義務があるはずではなかったか。さらに、米国と日本の関係は、ニカラグア事件判決で示された要件を満たしているかといえば、そうは言えないのでは?あとは、何を武力行使と捉えるかという武力行使との一体化の議論が関わってくるけど、これは自分もよくわかってないところなので勉強したい。
納得したり、初めて知ることも多く勉強になった。
こういう本だと、自らのとる主張は礼賛し、反対する主張は徹底的に批判していく内容のものが多いなか、安倍政権、マスコミ、反対派、賛成派など、集団的自衛権の議論に関わるものそれぞれの問題点を指摘しているのは好感。また、突然賛否に別れて戦いを始めるのではなくて、まずは現状や、なぜ必要なのか、どう改善すれば受け入れ可能かなどを考えようよという主張と、それに沿った本書の内容も良い。
以下、勉強になった点など。
2015年に控えた、財政難にあえぎ国防費削減を余儀無くされているアメリカとの日米ガイドライン見直しを見据えると、日本が集団的自衛権が行使できることを明確にすることは、日米同盟の深化につながり、また周辺国の軍事的脅威の抑止、安保理常任理事国入りを視野に入れた国際的な信頼の獲得という効果もある。
本書の中で、自衛隊は戦力投射能力を持たないので集団的自衛権行使を認めても外国で戦争をするようになる恐れはないという主張があるが、そんなのは、集団的自衛権も、解釈変更によって必要最小限の自衛権に含めたように、敵基地攻撃のためのいわゆる攻撃型空母、爆撃機、弾道ミサイルとか保有することができるように解釈することだってできてしまうんじゃないか。今は能力は持たないが、敵基地攻撃自体は自衛権の範囲内ということは、政府も言ってる訳だし、これは反論として甘いと思う。
そもそも米国が、日本から遠く離れた地での、後方支援を越えた本格的な戦闘に加わって欲しいとは考えていないので、外国で戦争することにはならないというのはわかった。
日米同盟は武装中立よりコストが低く、また日本の防衛に不可欠なだけでなく、それは米国にとっても同様な点で双務的。
諸外国の軍隊の権限の規定はネガティブ・リスト方式だが、自衛隊に関してはポジティブ・リスト方式で記述されている。禁止されていること以外はすべてできると、できると書いてあること以外全て禁止なのの違い。これが自衛隊を縛っている。日本の安保情勢が厳しくなり、また、積極的平和主義に基づいてこれから行動していくうえで、このままでいいのかという話。