この本のことばは、「いま渦中にいる人」に届くだろうか。がんじゃなくてもいい、人生の大きなものを突きつけられている人、またはその家族。友人。
もしくは死を意識するということを「まだしたことがない人」には引っかかりにはなるだろうか。
むやみにドラマチックにされてないのは個人的にありがたかったけど、当事者
...続きを読むでないなら響くには想像力が必要かもしれない。本を閉じて、考える時間をもつとか…してみたらいいのかな…
タブー視されて遠ざけられてきた「死」。代償の大きさを感じる。
たぶん、自分が重大な告知を受けたとき、この本のことばは素直に受け取れなかったと思う。
通り過ぎてみてこの本に触れて「あぁそうだったなぁ」と思ったりできる。発見というより振り返りの気持ちで読んだ。ひとつずつ腑に落ちて感覚的に「わかる」と、世界がちょっと違って見えてくる。その人なりの納得で良いんだと思う。
病気、災害、当たり前の日は簡単に壊れてしまう。このご時世にあって尚更そう思う人は増えているかもしれない。
「自分の声を信じて生きる」のは不安だし怖い。リスクを減らしたいから、誰かに正解を決めてほしい。でも、死にそうになったとき、いまのままで後悔しないか。どうあってもなにかは後悔するのかもしれないけど、他人の物差しで決めた人生はその傷は大きく深いです。
ちなみに、ぽっくり死にたいという人は自分の周りにも確かに多い。そんななか「がんという死に方は悪くない、準備ができるから」というのはちょっと思うところありました。よく噛み締めたい言葉だった。
お世話になるとしたら、決めつけない、押し付けない、考えるきっかけをくれる、こういう先生とお話してみたい。