池田知沙子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「満天の星である。遠く稲光もする。
焚き火が燃えあがると、ひととき星数が少なくなる。美しい闇のただなかに、沢音がたしかなリズムをきざむ。
みんなちさこの思うがままさ。月もだしてみせると有言してしまったさ。多分、私たちが寝静まった頃、なんといっていいかわからないお月様が、静かに静かにめぐるのだろう。」
本は極力蔵書しないようにしているのに、思わずポチッとしてしまった帯のこの言葉。
詩のような、抒情詩のような、つぶやきのような、まるでものがたりを切り出してきた絵画のような。
1999年に急逝した池田知沙子さんは、奥利根などの地域研究に力を入れていた浦和浪漫山岳会で「浪漫の母」として慕われ