櫻井武のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレSF小説に出てくる脳に関しての様々な発想が実際には実現可能なのかを各シチュエーションごとに考察した本です。
目次は以下の通り。
第1章 サイボーグは「超人」になれるのか(『二重太陽系死の呼び声』ニール・R・ジョーンズ)
第2章 脳は電子デバイスと融合できるか(『攻殻機動隊』士郎正宗)
第3章 意識はデータ化できるか(『順列都市』グレッグ・イーガン)
第4章 脳は人工冬眠を起こせるか(『夏への扉』ロバート・A・ハインライン)
第5章 記憶は書き換えられるか(『追憶売ります』フィリップ・K・ディック)
第6章 脳にとって時間とはなにか(『TENET/テネット』クリストファー・ノーラン監督)
第7章 脳に未知の潜在能力はあるのか(『LUCY/ルーシー』リュック・ベッソン監督)
第8章 眠らない脳はつくれるか(『ベガーズ・イン・スペイン』ナンシー・クレス)
第9章 AIは「こころ」をもつのか(『2001年宇宙の旅』スタンリー・キューブリック監督)
ここに挙げられているSF小説以外にも多くのSF小説を引き合いに出しながら、どういった方法で実現可能か?や何故実現が難しいのか?などの考察があります。
SF小説は結構読む方ですが、題だけ知っていて未読のものや今まで知らかなった作品を知ることもできました。
また、人工冬眠には細胞を冷やして活動量を低下させる方法以外にも、脳に備わっていると思われる冬眠のスイッチを入れることでも実現可能でその方が副作用が少ないということや、量子理論に基づいた時間の定義などに関してなど知らないことを知ることもできました。
Sense of Wonder!
科学的に解明されてきていることも多くありますが、それ以上に人の想像力が大きなウエイトを占めるSFのWonderの魅力を改めて実感しました。
SF好きの方は是非ご一読を。
竹蔵 -
Posted by ブクログ
ファスティングを始めて1年。きっかけは、昨年9月に盲腸の切除手術でちょっとした縫合ミスがあり、炎症したのがきっかけで3週間入院し、体重が10kg減少したことから。それを健康に維持して、入院前についていた贅肉を付けないように軽い筋トレと食事制限から始めた。
16時間ダイエットは慣れても常に空腹を感じる。
この空腹がサーチュインという酵素の活性化を促しているサインだということ。
こういう経験が、この本にあるような生体学の理論と組み合わさると理解が定着し、自分の体と会話するのによく役立つ。流行や一部の人の話しに飲み込まれることなく納得して試みていることを継続できる。
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Posted by ブクログ
意識の問題
神経科学からみた「こころ」の働き方、いわば生体の機能としての「こころ」の働き方
●ドーパミン
ドーパミンが前頭前野や前帯状皮質に放出されると「気持ち良い」という情動認知、つまり、快感が生まれる。
そしてドーパミンが側坐核という部分に放出されると、その放出に至った原因となった(と脳が認知した)行動が強化される。報酬系では、これがキーイベントとなる。
●脳のモード調節
「気分」に作用するモノアミン類(アミノ基がひとつだけ)
脳全体のモード調節
ノルアドレナリンのレベルが上がれば興奮状態になり、筋緊張は高まり、一般的に「緊張している」という状態が生まれる。ドーパミンは緊張を緩め、動きを大きくする。セロトニンはすべての調整役として働き、適切な状態にとどめる役割をしている。これらのレベルがチューニングされることによって、動物は「気分」を大幅に変動させる -
Posted by ブクログ
<動機>
毎日あまりに眠いので、眠気を除去するヒントがあればと思い読んだもの。
<成果>
・眠気に対抗するウルトラCはなく、単に睡眠の量または質が十分でない可能性があると自覚した。毎日少しずつ睡眠時間を増やし、睡眠負債の解消を試みる。
・自由自在に身の危険を感じることができれば、眠気を追い払える可能性がある。
<要点>
・なぜ眠るのかは謎。ただ、眠らないと眠気を追い払えない。
・睡眠を省略することはできず、いつかは必ず眠ってしまう。ただ、脳には恒常性を維持しようとする働きがあり、ある程度の睡眠の乱れには柔軟に対応する。
・睡眠は身体の恒常性維持、精神の正常な機能の維持、記憶の強化に関与している。
・脳内には睡眠システムと覚醒システムが別個に存在し、それらの力関係で睡眠と覚醒の切り替えが発生する。
・覚醒時間の長さや心身の疲労度により「睡眠負債(睡眠圧)」が増えていくと睡眠システムが優位になり、睡眠をもたらす。睡眠負債の正体は謎だが、覚醒中に脳内に蓄積する特定の物質である可能性がある。「アデノシン」が有力。
・睡眠負債は睡眠状態になることでしか返せない。
・覚醒は「食っていくため」「食われないため」の仕組み。不安やストレスが眠りを妨げるのはそのため。不安やストレスを感じたり、逆に興奮しているとき、脳は「寝ている場合じゃない」と思い覚醒システムを優位にしてしまう。同じ理由で、空腹時も覚醒システムが優位になる。
・動物やヒトにとって、睡眠状態がデフォルトであり、注意や行動が必要なときに無理をして覚醒している可能性がある。
・体温を下げることで入眠できる、光で体内時計をリセットし、入眠習慣を作れるなどは世の中一般に流通している説の通り。 -
Posted by ブクログ
「睡眠」とは何かに迫る。脳科学、神経科学のフロンティアを覗く専門的文庫本
●感想
睡眠に対して「what」から迫った本。ハウツー本は多いが、真摯に「眠る」ことそのものについて語る本は少ないため、貴重。面白いのは「睡眠の研究者にとっても『なぜ眠る必要があるのか』はよく分かっていない」ということ。ただ、「眠らないと身体に不調をきたす」「眠っている最中は脳で色々と活動が起きている」ことは分かっているようだ。何かしらの方法で脳・身体をメンテナンスしていることは間違いないという。特に、様々な動物が色々な工夫で睡眠時間を確保していることが興味深い。イルカは脳の半分ずつを眠らせて、泳ぎながら眠ることができるという。
身近な「睡眠」だが、まだまだ分かっていないことが多く、神経科学の最先端研究分野なのだなぁ..。
●本書を読みながら気になった記述・コト
◆「睡眠は進化の過程でどうしても省くことのできなかった機能」
・野生動物は命をかけて眠る。キリンは立ちながら、鳥は飛びながら、イルカは泳ぎながら眠る。「バンドウイルカは、一度の睡眠では片側の大脳半球のみが眠る。つまり、交互に大脳半球が眠ることによって、どちらかの脳は覚醒した状態を保ったまま睡眠をとっている」
→脳という高度な情報処理機能を維持するためには絶対に必要なもの
・「睡眠は脳が積極的に生み出す状態であり、身体の、とくに脳のメンテナンスに必須の機能である」
・「睡眠をとらない状態が続くと、動物は感染症や多臓器不全で死亡する」
◆「睡眠の役割は謎が多いが、メンテナンス作業と情報の整理をする役割がある」
・脳では、老廃物の処理を血流だけでなく、脳脊髄液という液体が行っている。その処理はノンレム睡眠の最中に行われている、という研究結果がある
・眠らない時間が長時間続くと様々な不調が現れる。しかし、睡眠時間を確保することで、それらの不調は消える
◆レム睡眠時は、脳から身体への命令はインターフェースレベルで遮断される
・レム睡眠時の大脳皮質は覚醒時よりも強く活動していて、それらの状態では、脳を外界と遮断しておかなければ、身体の機能が暴走するのではないか
◆「浅い睡眠」として軽視されがちなレム睡眠を、身体は必ず必要とする
・連続的にレム睡眠の時間を遮断すると、次に寝るときにレム睡眠のとる時間が増える
・レム睡眠には独自の恒常性を保つメカニズムがあり、「ノンレム睡眠の隙間を埋める」以上の生理的な機能を持っている
・筆者の仮説では「ファイルシステム」の整理
◆夢を夢と判断できないのは、脳の一部分の働きが低下しているから
・「夢を見ているときに奇妙だと気づかないのは、前頭葉の前頭前野背側部という部分の機能が低下しているためである。この部分が十分に機能しないと、見ている現象に関して、反省するとか、「おかしいぞ」と疑問に思うことができなくなるのだ」
◆なぜ空腹だと眠れないのか
・空腹時は、覚醒物質であるオレキシンを作るニューロンは、活発に活動していると考えられる
・血統度が上がると、オレキシン作動性ニューロンの発火頻度が上がる
・野生動物にとって、空腹は感じ始めたらまず食物を探し始めなければならない。餓死してからでは遅い。そのため、空腹を感じる、身体の血糖度が下がると、食物を探すために動物は覚醒レベルを上げるようになっている
・ご飯を食べると眠くなるのも同じである。血統度が上がると、オレキシン作動性ニューロンの活動が低下する。一時的に覚醒レベルが下がるのである
・食事は就寝の4~5時間前くらいに摂るようにすると、よい眠りをとるコツになる
◆適切な睡眠時間は「あなたが日中に眠気を感じずに過ごせる」かで判断
◆「寝だめ」はできないが、睡眠負債の返済はできる
◆新生児は「覚醒」「睡眠」のリズムが確立されていない → 夜泣き