大内伸哉のレビュー一覧
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「働き方」を労働法の観点から解説している良書。東レ総合研究所宮原部長お薦め。
P89ー90 ブラック企業家どうかの判断には、企業と個人の相性の面がある。個々の企業がブラックかどうかを判定するよりも、働く側にとって企業を選ぶ際の情報開示をしっかりとして、企業をブラックと呼ぶかどうかの判断は個人に委ねるべきである。例えば、勤務時間が長くてメンタルで問題がある社員がいるけど、育成をしっかりとしてくれてやりがいがある仕事をどんどん任せてくれる企業があるとして、WLBを重視している人にとってはブラックでも、働きがいを強く求めている人にはブラックでは無い。
p150 イタリア的な働き方の本質;イタリアでは、産業別に労働協約がある。労働条件の交渉は産業別に経営者団体と労働組合の間で行われる。企業別の協約は産業別の協約を補完する意味合いしかない。従って、イタリアでは大企業に就職しないと高い給料を得ることができないということはなく、自分が専門とする仕事についてどれだけ難易度が高い仕事が出来るかが重要となる。
P172 日本企業にとって正社員とは「いつでも」「どこでも」「なんでも」やることを前提に非正社員よりも恵まれた環境を与えられているという側面がある。ブラック企業の犠牲にならないために、自分のスキルが商品であるという意識を持って「転職力」を高めておく必要がある。 -
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ネタバレチェック項目21箇所。ネット上でも企業の秘密漏洩は懲戒解雇に相当。社員の労働条件は本来は個別に契約をかわして決めるもの。それが大変だから就業規則を使って統一的に労働条件を決めている。転勤命令について・・・裁判所は社員に「通常甘受すべき程度を著しく超える不利益」が生じているとは簡単には認めない傾向。給料ドロボー・・・横領している人について法的にさばかれる。給料分の働きができないタイプについては簡単に解雇できない。会社としてしっかり教育することが先。合法的解雇・・・リストラ(経営不振を理由に)。三六協定があるだけでは定められた範囲で時間外労働をさせることが許されるだけ。会社は残業命令を出せるわけではない。試用期間から正式な雇用契約は始まっている。能力不足は社内での訓練で改善していけばよいとされる可能性高い。契約期間1年間の雇用契約について・・・労働者の適正評価・判断のためならばそれは試用期間。解雇には正当な理由が必要・・・適正がないは正当な理由に当たらない。セクハラ・・・極端に言えば相手の女性が不快にさえ思わなければ問題がないということ。日頃からのコミュニケーション等を心がければ不意打ちは減る。イギリスなどは労災がそもそもない。職場の喫煙に関して・・・努力義務。
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この本では、タイトルにあるように、会社員が消える(より厳密には、「会社員が減る」だとは思いますが)、という主張をしているわけですが、その根拠は、ざっくりいうと次のような感じです。
・AIの進歩・拡大により、人に求められる仕事の能力・スキルが変わる。
・企業からは、即戦力を求められるケースが増えている。
(新卒採用した社員を育成するケースは減っていく。)
・企業のあり方が変化している(上記の原因でもあり、結果でもある)
自分が勤めている会社でも、上記のような動きを感じています。
そんな企業の動きに対し、法令などの社会の制度や仕組みはまだまだ整っていないわけですが、制度等に関する具体的な問題点の指摘や、解決に関する提案についても、丁寧に書かれています。
そういう意味では、この本は、これからの社会・会社のあり方を予想しているわけで、その予想について、どれくらいの確度があるのかはわかりませんが、今の社会の動きを知ること、その動きから、こういう予想ができることを知るには、なかなかよい本だと思います。 -
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私が会社員になったのは平成元年なので30年以上前になります、父も祖父も皆、会社員でしたので、私も学校を卒業して迷いもなく会社員になりました。
私が会社に入ったころは、仕事の仕方はまだ「昭和」のやり方でした、平成の世においては10年を過ぎたころから、会社というものは、それまでの従業員よりも株主を大切にすることが社会的に容認されてきたことを感じました。
転職を経て、令和の世に至りますが、ITが発達したのが大きな要因と思われますが、個人間の差が以前よりも大きくなり始めたと思います。私の理解では、会社は「軍隊」と似たような組織と思いますが、会社の組織やそれを構成する人に求めらえているものが変わってきているようです。その結果として、いま私たちが思っている「会社員」が消えるように、後から振り返るとそうなっているのだと思います。
この30年間で「働き方」は少しずづですが変わってきました、IT技術が進む中、今後30年間で、今では想像もできない変化が起きていることでしょう。私はそこにいないにしても、私の二人の娘達には、そこで元気で幸せに過ごしてほしいなと、思いました。
以下は気になったポイントです。
・Society 5.0 では、フィジカル空間のセンサーからの膨大な情報がサイバー空間に集積され、それをAIが解析し、その解析結果がフィジカル空間の人間に様々な形でフィードバックされるようになる、仮想空間と現実空間が融合し、これまでなかった新たな価値が産業や社会にもたらされる、その代表が、フィンテックと無人自動運転である(p19、24)
・人間に残される業務は、1)創造性、独創性、協調性、非定型型といった要素をもつ、機械によって代替えされにくい業務、2)AIやロボットなどの先端技術に直接携わる業務(p42)
・2035年の企業は、ミッションや目的が明確なプロジェクトの塊となり、多くの人はプロジェクト期間内はその企業に所属するが、終了すると別の企業に所属する形になる。(p48)
・副業解禁論の真の狙いは、大企業の正社員が他社で雇用されるという形よりも、大企業が抱えている優秀なプロ人材が中小企業で活用される余地を広げることにある(木)51)
・人々の働き方が、企業というものを中心に展開しなくなる、プロ人材がときには個人で、時には起業して、新たなプロジェクトを企画、参画して価値を生み出していく(p55)
・20年を超えて勤続した場合の退職金の所得税を優遇数る制度をとっていて、転職抑制に一役買っている(p65)
・賃金は潜在的能力に着目し、年功的に運用される(継続年数に応じて上昇)職能給ではなく、職務の専門性を考慮したものとなるだろう(p81)
・経団連が2021年春以降から、自主的ルール(会社説明会は3月1日以降、選考活動は6月1日以降、内定は10月以降)を廃止するというのは新しい動きである(p88)
・2018年の法改正では、高度プロフェッショナル制度により、労働時間規制の適用を外す制度が導入された。(p97)
・Aiが自分に下した結果について、納得いく説明を受けることはできない、つまりAIには、アカウンタビリティ(説明可能性)や、トランスペアレンシー(透明性)がない、人間から見ると、理由はわからないけれど、当たっている、という得体のしれないもの(p124)
・自動車が登場したとき、イギリスでは「赤旗法」という法律により、車の前方で赤旗を持って歩く人を置くことを義務付けた。これによりイギリスは自動車産業の発達が遅れた(p128)
・日本で工場で働く人を保護する法律として、工場法が1911年(施行は1916年)に制定され、これが労働法の第一号である。ここでブルーカラー、ホワイトカラーの区別なくすべてに適用された(p151)
・今日成功した企業は、デジタライゼーションの波にのり、ビックデータを収集、AIに分析、そこから新たな価値を創造することができた企業(p152)
・労働組合は日本では一部の大企業に集中しているだけで、全体的には存在感が薄い、今後大企業が減少していくと組合の存在意義はますます小さくなる(p180)
・フランス革命は、王様と結びついて特権階級化していたギルドを打破することも目的としていた(p187)
・2025年度には、高年齢者雇用安定法により、希望すれば誰でも65歳まで働くことができるようになる(p196)
・本業と副業というのではなく、どちらも本業というものが、複業である(p205)
・今まで日本は、すでにある「正解」に早くたどり着けるのが成功の秘訣であった、これからの人間に必要なのは、機械をどう使うかを「考える」ことになる。その仕事をなぜしなければならないのかに疑問を持つことが必要、それに必要なのは、1)原点に返る、2)違うものと比較して新たな視点を持つ(p211、215)
・哲学的思考をするための基礎となるリベラルアーツ(自由の術)とは、「言語」に関する、文法・修辞学・論理学、「数学」に関する、算術・幾何・天文学・音楽、である。これと対置されるのが、職業活動に直結する、メカニカルアーツ(機械的な術)であった。前者は、精神・知性、後者は、身体的な動きに関するアートである(p222)
・デジタライゼーションの時代には、さまざまな形で序列が変わる時代である。企業の序列、国家の経済力の序列など、こうした逆転現象は、労働者の間にも起こりそうである。ホワイトカラーの仕事がAIによりなくなるという話は、高い学歴、高い収入を持つ人に当てはまる。創造性をもったプロ人材に転換する必要がある(p231)
2019年9月8日作成 -
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ネタバレ<目次>
はじめに
第1章 大企業がなくなる~モデルチェンジする企業
第2章 日本型雇用システムの限界~これまでの働き方の常識は通用しない
第3章 働き方の未来予想~技術を味方につけて自立的に働く
第4章 新しいセーフティネット~企業に帰属しない働き方へのサポート
第5章 「時間主権」を取り戻せ~人生100年時代に必要なスキルとは
<内容>
2013年にアメリカの研究者が、「2020年代にはアメリカの雇用の約47%がAIに取って代わられる」と発表してから、こうした本が多く出ているが、この本では「ではどうすればいいか?」がかなり具体的に書かれている。第3章以降である。技術を持った人間が自営業的な立場となり、企業から請負をすることで、仕事をしていく。そこでの最低限の生活を成り立たせるため、第4章で具体的な「セーフティネット」が書かれ、第5章では、そうした時代を生きていくための「仕事」探し、「生き方」などが語られる。若い世代はある意味必読かもしれない。 -
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判例。
これは大丈夫なのか、アウトか。質問に対して、例えばこんな判例がありました。と出してくれます。
まさに入門編。わかりやすく、より興味をそそられます。労働法に限らず、生きていくうえで知っている方が有利に生きられる、知識は言い返す武器になる。
うちの職場で以前揉めていた「時短勤務者が時短控除で金額を数万円もひかれているのに、結局時短で帰れなくて本来の定時以降まで働いた。でも残業代は本来の定時である8時間以降しか支払われず、金額はそのまま全額ひかれているため、労働時間と給料が見合わない」8時間以内であれば残業代は必要ない。
でも契約上の労働時間は決まっているからそれを過ぎた分は6時間勤務だろうが残業代は払う、で決着。
知らないと損をする。 -
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なかなか刺激的なタイトルだが、中身は穏便な、実に真っ当なもので、サラリーマンが遭遇しがちな職場でのトラブルを18個取り上げて、それぞれについて労働法の観点から述べたものになっている。実際ブログや副業、社内不倫にセクハラとなかなか生々しい事例が並んでおり、サラリーマンならば18個のうち一つくらいは興味深い事例があるだろう。
個人的に興味深かったのは副業で、本業と競合するような副業を避けなければならない競業避止義務はともかく、日本社会全体で副業に対する認識を緩和する必要があるのではないかと思った。
トラブルを避けるためにも、またトラブルに巻き込まれた際に過去の事例を役立てるためにも、サラリーマンは一度はこの手の本を読んでおくべきなのだと思った。非常におすすめ。 -
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[ 内容 ]
ブログで社内事情を書くのはOKか?
社内不倫を理由にクビになることはあるか?
経費の流用がバレたらどうなるのか?
副業はどこまで認められるのか?
サラリーマンにとって身近な疑問を、実際の裁判例を参照しつつ、法律の観点から検証。
法のルールを知れば、社内の不条理の正し方も、我が身の守り方も見えてくる。
組織で働くすべての人のための、超実践的労働法入門。
[ 目次 ]
ブログ-ブログで社内事情を書いている社員がいてヒヤヒヤしています。あの社員はクビにならないのでしょうか?
副業-会社に秘密で風俗産業でアルバイトをしている女性社員がいます。法的に問題はないのでしょうか?
社内不倫-社内不倫しています。これを理由にクビになる可能性はありますか?
経費流用-私用の飲食代を経費として精算したのがバレてしまいました。どれくらいの額だとクビになりますか?
転勤-会社から転勤を命じられました。どういう事情があれば拒否できますか?
給料泥棒-まったく働かない給料ドロボーがいます。会社はこういう人を辞めさせることはできないのでしょうか?
内部告発-会社がひどい法令違反をしています。内部告発をした時に自分の身を守る方法はありますか?
合併-会社が他の会社と合併することになりました。合併後は給料が下がりそうなのですが、そんなことは認められるのでしょうか?
残業手当-上司に言われていた仕事が勤務時間内に終わらずに残業しました。こういうときでも残業手当をもらえますか?
新人採用-半年の試用期間で「採用失敗」が明らかになった新入社員がいます。会社は彼を本採用することを拒否してよいのでしょうか?〔ほか〕
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]