牧野恭仁雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ10年ぐらい前の話ですが、病院で小児科の担当をした時から「名前が読めない・・・」って思ってました。が、最近の変わった名前はもっとすごいことになっているとオドロキ。
とはいえ、この本はそういった名前に苦言を呈するものではなく、名づけの歴史からたどりつつ、背景にある社会的な問題について書かれた本です。
心理学的な要素も多分に含まれた内容になっているので、読んでいる途中、「この人いったい何者?」って思ってしまいました。
3章の「名前で分かる世相」が興味深い。
確かに、子どもの名づけの時は「こんな子になってほしいな」等の願いを込めてつけるケースが多いですが、戦時中に人気の名前を見ると、戦況が悪くな -
Posted by ブクログ
実はあまり期待していなかったんですが、とてもいい本でした。
この本を読んでいる最中に、今年の赤ちゃんの名前のランキングの記事を目にしました。
男の子は「閉そく感を打開したい」という思いが込められた名前、女の子は「絆を大切にしたい」という思いが込められた名前が上位に並んでいるように思いました。
この本の著者の牧野さんは、「ちょっと危険な傾向」と感じているのではないでしょうか。
この本で展開されている考察は、必ずしも定量的なものではないですが、長年の経験に基づく、説得力のある考察だと思います。
そして、この本を読んでみて、「うちの子の名づけ方は間違ってなかった」と、改めて確認できた -
Posted by ブクログ
最近、我が子にフリガナが無いと読めないような唯一無二の名前をつける親が増えているが、そのような名前は社会的にどのような評価を受けるのか、親たちはなぜそのような名前を付けてしまうのか、を考察した本書。
筆者は、そのような名前を付ける背景には、今の親たちが抱える「無力感」・「欠乏感」・「孤独感」などのコンプレックスがあり、それを発散することができ、自らが主導権をもって行える行為、として子どもへの名づけが使われている、と説く。
その際には当然「認められたい」という欲求から、他にはない特別な名前を付けてしまうのだと言う。しかし、それは親の自己満足でしかなく、子どもにとっては迷惑以外の何物でもない。
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Posted by ブクログ
けっこう面白かった。その名前を付けられる背景とか紐解くとなるほどなぁと思うところも多々あった。私の祖母と母の名前は当時としてはとても人気の名前なんだけれど、そこに込められてる意味や背景を改めて知ったなぁ。私自身の名前は、現代では人気の名前ではないけれど当てはめられた漢字はとても人気の字で人に説明する時も困ったことは一度もない。両親がどこまで考えて決めた名前かきちんと聞いたことはないけれど良い名前を貰ったんだと感じた。
先回り社会とはよく言ったものだ。無駄な案を出せない者に良い案は出せない。確かに!私は未就学児との会話がけっこう好き。それは子どもの「何で?」が大人からすると突拍子もないものも多い -
Posted by ブクログ
こう言っては失礼だが、名付けにまつわる社会問題について思いの外真面目に分析がされていて、期待レベルを超えるものであった。期待が低かったと言うのもあるのだが…
確かに子の名前は、親に足りないものを反映しているとの分析は正しいように思える。キラキラネームが増えているのは、そんなことくらいしか自己表現手段を持たない人が多いからだろう。話は飛躍するが、車のナンバーに拘って77-77みたいな番号を買う心理につながる様にも思える。
車の場合は誰の迷惑にもならないが、子供の名前は一生付いて回る問題であり、看過できないとの問題意識は良くわかる。男女の区別が判りやすいこと、常識的な読みであること、文字がネガティ -
Posted by ブクログ
ずっと読みたいなーと思いつつ、なぜか探そうとしなかった。
が、この前都会の本屋で見つけて購入!
おもしろかったー!やっぱり買ってよかった!
そこまで身近にはキラキラネームの子もいないし、出会ったこともまだないけど、社会に出るのも苦労するんだろうな・・・ってのは簡単に想像がつく話。
なんでそんな名前つけるかね?子どもが苦労するのわかるやろ?
なんとなくやけど、この本読んでわかった気がした。
子どもをおもちゃにするなー!
親がこの名前をつけたい。と思ってつけるのが一番良い、誰かに何か言われたから・・・とか、先回りして口出しするような人がいるからダメなんだとか、その通りやなあと思った。
私もそんな -
Posted by ブクログ
ネタバレついに、いややっとこういう本が出てくれたんだと思って見付けた時は本当に嬉しかった。
増え続ける『DQNネーム』『キラキラネーム』の現状を読み解く本だが、命名研究家である著者が頭ごなしに批判するような内容ではないので安心して読める。
著者が検証するには、名前に現れる世相とは『その時代に求められながらも手に入り難いもの』だそうである。
では子に妙な名前をつける親の心理まで落として考えてみると、自分の抱える欠乏感ひいては無力感が現れているのではないかという推測に行き着くのだ。
親自身の存在価値、生きている実感といったものが無意識に子の名づけに反映されていると思うとちょっとゾッとしてしまった。
子ども -
Posted by ブクログ
珍奇ネーム(ドキュンネーム・キラキラネーム)についての本。
名付けには親の欠乏感が反映しているとのこと。
珍奇ネームは、「カッコいい」生き方ができていないという欠乏感、「こうありたいじぶんでいられない」という無力感が背景にあるとの考察。
なるほどと思うところもありつつ、珍奇ネームのとしてあげられた中の 男女の区別がつきにくい名 というのは、私にとってはあまり珍奇とは感じなかった。例えば、男の子で「真理子」、とかなら確かに珍奇と思うけれど、「かおる」「ひかる」「ひなた」等、別に男でも女でもいいではないかと思うし。
悠希はゆき、ゆうき、はるきと読むし、
真弥はまや、しんや。
こういう名前だったら