伊東玉美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『宇治拾遺物語』、興味はあるけどどうだろう?という導入にはぴったりの一冊。
全197話の中から序と34の説話が抜粋されており、宗教的であったり当時の価値観であったりと、古典独特の側面はあるものの、無駄のない巧みな文章と表現力でとても読みやすい。
話数自体はそれほど多くない分、『宇治拾遺物語』の特徴を濃く感じられるような選択になっていて、説話ごとの説明のほか、『宇治拾遺物語』そのものの解説もあるので、古典文学に対するハードルはかなり低くなるのではないだろうか。
『宇治拾遺物語』には、民話の「こぶとりじいさん」の話なども入っているが、ところで日本の昔話は「全体はゆるいお遊びのように語っていながら