東谷暁のレビュー一覧
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1章 中野剛志
日米同盟と自由貿易について。冷戦終結前後での意味合いの変化。米中関係の変化。
2章 関岡英之
日米構造協議、改革要望書に始まるアメリカによる日本の構造改革。
6章 施光恒
日本語による近代化の意義、明治日本の近代化における英語による近代化か日本語による近代化かの議論。
TPPによって壊される日本の良さとは
7章 柴山桂太
グローバル化の波。20世紀転換期、第一世界大戦、第二次世界大戦等。
グローバル化と国家主権の制限
などが各章のキーワードかな。3、4、5章は知識不足から少し難しかった。他の4人は他の書籍や講演などで背景知識もあり、とても読みやすかった。 -
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副題は「日本は食い物にされる」~TPPのオリジナルは,チリ・ニュージーランド・ブルネイ・シンガポールで始まった。アメリカが加わることになっても,アメリカの経済規模が大きすぎて,アメリカにメリットが認められず,日本が加わらせてこれを食い物にしようと考え,「最恵国待遇」「内国民待遇」「市場アクセス」「透明性」がポイントで,金融・サービスの自由化を日本に求めている。アメリカのアグリビジネス・保険業が簡易保険・農協共済を狙っている~野田首相がTPP参加を是認しない候補は公認しないと言い出して,また注目を集めているTPPだが,彼の予想(2011年春)とは違った事態が起こっている。「死に体」のオバマが再選
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言論誌の編集にも携わったことのある、政治・経済のジャーナリストである著者。言葉が巧みに使われているので、内容もさることながら、表現の素晴らしさは学び取りたいと感じました。
バブルを「感染」。言い得て妙です。
サブプライムローン問題が起こった背景や、証券化の功罪についてストーリーを追って章を進めているので、これらの問題について基本的な部分から知りたいという方に読んで頂くと良いでしょう。
各章は単独で読み切ることができる一方で、1章から読み進めていくと、過去の事象が次の問題の火種となっていることがわかります。またこれも文章のテクニックとして学びたい点でもありますが、各章の終わりに、次の章につ -
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今話題になっているTPPに関し、知識を得るため購入。
本著の中にある、APEC前後に日本はTPPへの参加を表明した。
今まで日本が取り組んできたFTA/EPA等の経済協定についても触れられていたので、比較検討することができわかりやすかった。
マスメディアではとりわけ農業への議論盛んであるが、金融面その他安全保障等にも細かく記載がありわかりやすかった。
今回は、反対派の本だったので次回は賛成派の本を読んでみたい。
・コメの輸入関税778%という数字はWTOのミニマムアクセス米を毎年77万トン(国内のコメ消費の8%)を受け入れることで抱き合わせられている
・オリジナルのTPPの目的
この協 -
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ネタバレ[ 内容 ]
未曾有の危機に陥った世界経済。
元凶は、ヒト・モノ・カネの歯止めなき自由化で世界を投機市場に変えた、経済のグローバル化であるのは明らかだ。
にもかかわらず、わが国のエコノミストや政治家は「サブプライム問題は決定的な原因ではない」「日本はまだまだ構造改革を進めるべきだ」「もっと公共投資を削り、公務員を減らし、民営化を進めるべきだ」などのデタラメを垂れ流す。
緻密なデータ分析とロジックで絶大な信頼を得ている経済ジャーナリストが、亡国の虚言・妄言を徹底論破。
[ 目次 ]
いまの不況は構造改革を後退させたから
世界同時不況には戦争以外の解決策がない
欧米金融機関が破錠のいま日本の金融 -
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TVで一時的に指示された意見や、
討論なので少し変わった切り口で展開しようとする
意見の中で、デタラメなものを否定する本です。
小泉内閣不支持だったので、そりゃそうでしょう。
って内容も多かったです。
他にもぱっと聞いて「無理だね」直感的に皆が思うことを
論理的に解説してたりします。
特に作者が拘っていそうで、紹介したい内容は、
「日本の公務員は多すぎない」ということ。
嫁が公務員だから弁護するわけじゃないですが、
先進国の中で、国民あたりの公務員数は少ないほうです。
なので税金も決して高くないそうです。
北欧の福祉制度のいいとこだけ紹介したりしますが、
税金 -
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よくまとまっている本。
第三章の中央銀行に関するくだりは良くまとまっていると思う。成立に関する歴史的経緯を織り込みつつ簡潔に分かりやすくまとめた点は評価できる。もちろん新書なのでけちをつければキリがないが、導入としてはいいのではないか?筆者が挙げている「証券化」という言葉が、現在の世界を覆う金融資本主義が実体経済とかけ離れたものであるということを象徴している。REITとか特にそうだろう。今また二酸化炭素の「排出権」までも取引されているが、環境すらも「証券化」の対象にしてしまって果たして温暖化対策として有効に機能するのかどうかはなはだ疑問である。 -
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梅棹忠夫と交流のあったジャーナリストの著者が、梅棹の仕事について解説している本です。
梅棹の生涯と思想の全貌をえがいているわけではないので、評伝というにはすこしもの足りなく感じられますが、たんに著者自身の目を通して見られた梅棹にかんするエピソードが紹介されている本ではなく、文明論者としての梅棹の「予言」に着目し、現代の視点からその先駆性を評価するという試みがなされています。
わたくし自身は、歴史や社会についての歴史法則主義的な議論には意味があるとは思えず、梅棹の文明史的な立場からなされた「予言」についても、著者のように高い評価ができるかいささか疑問をいだいているのですが、梅棹のユニークな思 -
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近現代の経済学者14人の事績を、コンパクトにまとめた新書。パラパラめくると、経済学者の人となりや、経歴、エピソードなどが盛り込まれており、「経済学の入門書よりも読みやすいかな」と思って手に取った。
が、理解できたのは、取り上げられている経済学者のプロフィール部分のみで、肝心の経済理論についての部分については、用語が難しく、ほとんど理解できなかった。「コンパクト」であることが、かえってあだとなり、専門用語についての説明がほとんどない。
今後、経済関係の本を読んでいるときに本書で取り上げられた人物の名前を見たときに、「あっ、知っている人だ」と思えれば、抵抗感も少なくなるだろうから、そういう意味 -
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やたら読み終わるのに時間がかかった。
もともと経済には興味があるものの、予備知識がないため経済論の解説になると正直8割くらいは理解できない。
それでも最後まで読めたのは、著名な経済学者の生き方と経済観をうまく組み合わせて説明しているから。
特に最近気になっていたドラッガーについて、彼の回想にはしばしば思い違い(ウソ)が混じるという指摘は、以外でもあり興味深かった。
あとは著者のスタンス(アメリカの経済学に対する不信感)がはっきりと内容に表れている点も面白かった。
こういった新書で、しかも入門書的なものの場合、公立公平であろうとして退屈になるきらいがあるので、個人的には著者の思想が強く出た方が、 -
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7名の方々がTPPについて反対の方向で書いているので、合意に至ってしまった現在、どうなっていくのか非常に気になる。
また、新聞・マスコミが取り上げる内容がいかに偏っているかを改めて認識。一般市民が得られる情報って限られるので、「興味を引くための内容」を掲載するのではなく、「国民が知っておくべき内容」を載せて欲しいものです。
個人的には、
・施 光恒さんの「棲み分け型の多文化共生」という考えが好き。
各国、各地域毎にそれぞれ自前のやり方があり、それらを尊重しながら、各国と交流する。良いところは積極的に学んで自国に合うように翻訳して還元する。
・やはり「日本良さって何だろう?」ともう一度考え直し -
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ケインズからフリードマン、ハイエク、サミュエルソン、シラー、ポランニー、ドラッカー、クルーグマン、ガルブレイス、ルーカス、スティグリッツ、ベッカー、ポズナー、ミンスキーの計14人の経済学者の生い立ち、背景とともに彼らの経済理論が説明されている。
知らない経済学者が何人もいたし、名前は聞いたことがあってもその経済理論はほとんど知らなかったのでいい勉強になった。
ケインズの経済学は大きな影響力を持っていたことが理解できる。ケインズ後の経済学者はケインズを批判するにしてもケインズの考えを取り入れるにしてもケインズを無視することはできない。
工学的に見れば、どんな経済の数学モデルを使っても所詮は近似で -
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経済学を横断的に理解できる一冊だと思う。
本書の物語のスタートはJohn.M.Keynesである。本書の2/5くらいは彼の説明である。つまり、雇用利子及び貨幣の一般理論の説明。
つまり、現在の経済学は、Keynesの上に理論を構築するか、又は、彼を否定することから始まる、ということである。
後者は、マネタリストと呼ばれる金融市場主義者で、Milton FriedmanやG.Beckerが登場する。
新書サイズに14人の経済学者が登場するので、説明はかなり大雑把。
本書を読んで思うのは、経済学とうい学問の不安定さ、いや人間の不確実さだろうか。
経済を分析するということは、人間を分析すると