川本耕次のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
およそ資料などが残らない業界なので、そこで働いていた筆者による貴重な記録。一般的な認識とは異なり、ヤクザ屋さんは儲からないからビニ本には手を出さない、ヤクザ絡みの裏本はどこで出しているのだかまったくわからないが、ビニ本は奥付に責任者の住所氏名まで出しているのだから、取り締まってくださいと言っているようなもの。猥褻物陳列より児童福祉法違反の方が罪が重いので、モデルの年齢確認には気を使ったという。
のちにAVに進出するKUKIの中川徳章社長は劇団天井桟敷の文芸部に半年くらいいたとか、モデルの寺山久美(もちろん寺山修司から芸名をつけた)、エロジェニカ編集長の高取英 など、天井桟敷出身者がけっこういた -
Posted by ブクログ
いわゆる
「エロ本」と呼ばれるポルノ雑誌。
大人は眉をひそめたり、欲望を抱えて、子供は好奇心丸出しで手に取るもの。
今やネットにお株を奪われたかも知れないが、手を替え品を替え、きっとこの手の本は生き残るに違いない。
読み始めるとすぐに違和感を感じた。
それは、「だ・である」調と「です・ます」調が混在しているからだ。
乱雑に入っているわけではなく、おそらく読み手に対し語りかけるような、カジュアルさを狙ってのことだろうが、なれるまでそればかり気になってしまった。
些末なことながら。
さて、面白いのが
セーラー服とキャットガーター。
とってもセクシー。
淫靡で秘め事めいて、背徳感がある。
でもも -
Posted by ブクログ
文末の統一感がなく読みにくい文章ではあるが、これが著者・川本の文体の特徴なのだろう。むしろその読みにくさが内容のアンダーグランド感を際立たせているかもしれない。
内容的には、自販機本がハード側の制約で版の大きさやページ数が決まっていたこと、ビニ本と裏本の違い、そうした本屋がAV業界に発展できたか出来なかったかなど、ここの重要なポイントはしっかり抑えられている。
また、登場してくる現役編集者やAVメーカーの経営者、昭和史を知る上で重要な存在だったポルノ雑誌モデル名などもかなり参考になる。
写真家でもある関係で、ポルノ雑誌に開催されている画像の撮影に使われた機材に関しての記述が詳細なので、ポ