文末の統一感がなく読みにくい文章ではあるが、これが著者・川本の文体の特徴なのだろう。むしろその読みにくさが内容のアンダーグランド感を際立たせているかもしれない。
内容的には、自販機本がハード側の制約で版の大きさやページ数が決まっていたこと、ビニ本と裏本の違い、そうした本屋がAV業界に発展できたか出
...続きを読む来なかったかなど、ここの重要なポイントはしっかり抑えられている。
また、登場してくる現役編集者やAVメーカーの経営者、昭和史を知る上で重要な存在だったポルノ雑誌モデル名などもかなり参考になる。
写真家でもある関係で、ポルノ雑誌に開催されている画像の撮影に使われた機材に関しての記述が詳細なので、ポルノグラフ撮影史のような一面もある。
それにしても、ポルノ雑誌がAVへと映っていく過程のキーポイントが「ニセモノを撮るか本物を撮るかの違い」というのは確かに納得。