青木冨貴子のレビュー一覧

  • GHQと戦った女 沢田美喜(新潮文庫)
    混血孤児を救うべくエリザベスサンダーホームを、創設した女性の生涯を描いたノンフィクション。もうひとつの占領史。

  • 731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く―(新潮文庫)
    "うだるような暑さの今年の夏、終戦の時期に読んでみたいと思って手にした本。小説のように読者をぐいぐいと引っ張る内容で、一気に読んだ。第二次世界大戦・太平洋戦争時に満州にあった731部隊の闇の歴史をひもとく。細菌戦部隊である731部隊の部隊長石井四郎氏は戦犯とはなっていない。GHQ、アメリカとの駆け引...続きを読む
  • 731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く―(新潮文庫)
    [真暗の気脈]太平洋戦争中に生体解剖をはじめとする非人道的な行為を行いながらも、戦犯とならなかった石井四郎を筆頭とする731部隊。その裏を探った著者は、石井部隊とGHQの間に繰り広げられた、明るみにされていない裏取引にたどり着く......。戦時・戦後に股がる日本の暗い闇に迫った作品です。著者は、ニ...続きを読む
  • 昭和天皇とワシントンを結んだ男―「パケナム日記」が語る日本占領―
    パケナムという名前は、ウィロビー/キーナン/カーなどと並んで近現代史にしばしば出てくる。とにかく「うさんくさい外人」というイメージであったが、本書によりはじめて、戦後史に彼の果たした大きな役割が明らかになった。
    神戸に生まれ、名門貴族一族に連なる英国人で有りながら、実は明治日本人としての気質を色濃く...続きを読む
  • 731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く―(新潮文庫)
    2005年の単行本も読みましたが、文庫本で出ていたのを昨年2月に購入→積読、今頃になっての再読です。

    生半可な付け焼刃の研究でないことは読んですぐさま分かりますが、著者の執拗な追及はついに2冊の新資料の発見に至るまでとなり、いやが上にも読む者をして俄然ヒートアップさせます。

    太平洋戦争中に中国で...続きを読む
  • 731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く―(新潮文庫)
    731の存在を否定している人もいるけど、テレビで元731だった人たちの証言を聞いた。

    人ってこんなに残酷なことができるのかって、背骨の芯までぞくっとした。

  • 731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く―(新潮文庫)
    遠い昔、森村誠一の『悪魔の飽食』を読んだことがある。無知であったが故に、まさに震撼した。随分久しぶりに、その731部隊に関する著作を読んだ。不勉強な小生は青木冨貴子さんというフリーのジャーナリストを存じ上げなかった。この本も文庫になるまで知らなかった。本作で著者は、人体実験の話や満州でこの部隊が何を...続きを読む
  • ライカでグッドバイ ――カメラマン沢田教一が撃たれた日
    34歳で凶弾に倒れたカメラマン・沢田教一。関係者への取材により振り返ったノンフィクション。
    危険と背中合わせで際どいショットを狙いに行く戦場カメラマンという職業を描く。
    作品が評価されていくに従い、さらに前線に向かいたくなるその様子は、男のロマンでなく逆に弱さ、繊細さのようなものを感じてしまった。
  • 731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く―(新潮文庫)
    731部隊を追いかけたルポルタージュ。

    冒頭は、著者が千葉県の加茂へ取材へ向かったところから始まる。
    著者は執筆までに相当に取材を重ねてきた様で、千葉県での取材のほか、膨大な文献や当時のメモの解読、関係者インタビューまであらゆる手を施して当時の様子を読み解こうとしている。

    本書は、実際に足を運び...続きを読む
  • 731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く―(新潮文庫)

    石井メモノートは必見

    終戦間際から戦後に掛けての731部隊関係者の動向やアメリカ政府との免責交渉は興味深かった。
    石井隊長の故郷の加茂人脈や京大閥、朝鮮戦争での米軍の細菌戦疑惑はもう少しち密に解き明かして欲しかった。
  • 昭和天皇とワシントンを結んだ男―「パケナム日記」が語る日本占領―
    トマス・コンプトン・パケナム、終戦後の占領期に「ニューズウィーク」東京支局長を務めた一人の民間人。
    偶然に、彼が遺した日記を入手した著者は、コンプトン・パケナムが単なる特派員ではなく、宮内省の幹部(松平康昌)を通じて日本の皇室と繋がり、当時公職追放されていた鳩山一郎や岸信介といった後に首相となる大物...続きを読む
  • ライカでグッドバイ ――カメラマン沢田教一が撃たれた日
    ピュリツァー賞の沢田教一の生涯を描いた作品。
    強烈だった。
    こうありたいとはならないが、圧倒される生き方。
  • ライカでグッドバイ ――カメラマン沢田教一が撃たれた日
    ベトナム戦争を撮った「安全への逃避(Flee to Safety)」でピュリツァー賞を受賞し、34歳でカンボジアに散ったカメラマン・沢田教一の一生を、関係者への取材により振り返ったノンフィクション。1981年に出版され、1985年文庫化、2013年にちくま文庫で復刊された。著者の青木冨貴子は本作品で...続きを読む
  • ライカでグッドバイ ――カメラマン沢田教一が撃たれた日
     ベトナム戦争の写真で名前は知っていた。後、不肖氏の著書でも。日本人屈指の戦場カメラマンの生涯を記録、取材した本。もとは30年近く前の初版。それが最近再文庫化された模様。あの有名な写真の家族にその後再会しているとは知らなかった。そしてベトナムからカンボジアへ向かい、そこで命を絶たれたことも。
     その...続きを読む
  • 731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く―(新潮文庫)
     敵国人捕虜に生体解剖を行い、実験に供される人間を隠語で「丸太」と表現していた731部隊。人間を人間と思わず、言葉通り単なる実験材料として考えていたことを表すいい例だ。

     その731部隊を指揮していたのが石井四郎。この本は戦後50年経ってから発見された石井直筆のノートを読み解き、彼の人間像に迫った...続きを読む
  • 昭和天皇とワシントンを結んだ男―「パケナム日記」が語る日本占領―
    『象徴』天皇による、確固たる意志だけではない、実効性を伴った戦後日本の政治工作を、丁寧に検証していて、興味深い内容でした。

    昭和天皇をフリーメーソンに入会させる動きがあったなんて、全く知りませんでした。
  • アローン・アゲイン―最愛の夫ピート・ハミルをなくして―
    ピート・ハミルの妻である著者が、ピートとの出会いから看取りの日までを記す。

    最後までニューヨーカーという言葉が似あう人だったのだなあ。ご冥福を祈るとともに、アローン・アゲインとつぶやいてしまう著者に、元気を出してと伝えたくなる。
  • GHQと戦った女 沢田美喜(新潮文庫)
    三菱財閥の末裔である沢田美喜という人物のノンフィクションです。
    岩崎家の栄枯盛衰などがからめて描かれていました。

    彼女自身の思いや
    混血児たちの ホームを作ってからの
    苦労などは 自身の著書にあるからなのか
    あまり描かれていないので
    いつか 本人の書いたものを読んでみたいと思いました。
  • GHQと戦った女 沢田美喜(新潮文庫)
    岩崎弥太郎の孫であり、戦後日本に「エリザベス・サンダーズ・ホーム」という孤児院をひらいた沢田美喜。
    彼女の伝記かと思って読んでいたが、そんな易しい内容ではなかった。
    本書で明かされることはなかったが、実際には知られていない陰謀めいたことが裏ではあったのかもしれない。
    沢田美喜本人よりも、その周辺の人...続きを読む
  • ライカでグッドバイ ――カメラマン沢田教一が撃たれた日
     学生時代はこの領域の本、映画はよく読み観たもの。開高健、近藤紘一、一ノ瀬泰造、映画は『地獄の黙示録』『ディア・ハンター』『キリング・フィールド』(『ランボー』もか?!)、大学3年の時はオリバー・ストーンの『プラトーン』が封切られゼミの教授とゼミ仲間と一緒に鑑賞しにいった。それらを通し当時の冷戦構造...続きを読む