江川文庫/橋本敬之のレビュー一覧
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江川家の長い歴史(源満仲まで遡る)の中で第36代江川英龍が幕末においてなした偉業について詳述した一冊。伊豆だけではなく武蔵、相模など8万〜10万石の御領地を差配した代官の仕事って、町奉行以上の仕事をカバーしてた(しかもかなり安い俸給で)大変な役職で、こういう代官が徳川400万石を支えていたんですね。英龍って韮崎の反射炉を造った人 というイメージでしたが、かなり視野の広い、何にでも(和歌や絵画にも)興味を持っていたし、自分の領地のみならず日本の将来を見据えたすごい人だったんですね。
反射炉、大小砲、お台場、さらにパン(兵糧としての乾パン)まで作ってた。維新を迎える前に亡くなってしまったのが残念で -
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≪目次≫
序章 江川文庫の資料的価値とその調査
第1章 今なぜ、江川英龍(坦庵)なのか?
第2章 英龍、誕生す!
第3章 英龍、我を磨く!
第4章 英龍、奔走す!
第5章 英龍、大自然に学ぶ!
第6章 英龍、国を憂い動く!
第7章 英龍、次代に夢を託す!
≪内容≫
幕末の伊豆韮山の代官で幕臣、江川太郎左衛門英龍(坦庵)の残した膨大な記録を財団法人江川文庫が整理を終え、中心となった著者が概要をまとめた本。
これによると、江川英龍は大変有能な官吏であり、人望も厚く、指導力に長け、判断力があり、危機管理能力に優れた人物であったことがわかる。一方で権力志向だったライバル鳥居耀蔵(こいつはあちこちで -
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ネタバレ韮山代官を代々世襲した江川家のなりたち、特に第36代江川太郎左衛門(英龍)の生涯と業績について紹介。
『風雲児たち』を読んでいる江川ファンには目新しさはないかも知れない(ということは、やはり、みやもと太郎が歴史をマンガ化する力量がすごいということなのだが)。が、改めて英龍が幕末まで生きていたら時代はどうなっていたかと思う。
仲田正之氏は英龍をあくまでも攘夷思想だったと紹介していて(根拠は不明)ずっと疑問に思っていたのだが、本書ではアメリカはともかくロシアに対して開国すべきという建白を書いていたことに触れられている。早くから蘭学に触れていた人で、マリナー号事件の時も西洋側の外交スタンダード