大井正のレビュー一覧
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ギリシャの哲学者から現代にいたるまでの哲学の歴史を、その時代時代に影響を与えた主要な15人を紹介されることを通じて解説をされています。個々の時代において、どのような考えがあったのか、その中で哲学者がどのように活動したのか。それが連綿とはいかずともつながり、後世に影響を与え、新たな哲学を生み出した流れを一つ把握することができます。過去から今に至るまでの哲学史の教科書といえるものだと思います。本書の主要な内容としては3つに分かれており、1は哲学の歴史を一通り解説されており、2は個々の哲学者15人についての解説、3は用語の解説となっています。偏った方向に行かないように慎重に丁寧に書かれていますので、
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特に、第一編の「哲学思想史」が良かった。どのように哲学が発展していったかの全体像が面白い。第二編からは15
名の哲学者の思想を順に説明がなされるが、こっからはなかなか難しい。
再読必要だなと。著者が唯物論寄りの人のようなので、そこは注意して読み返したい。
*観念論(アイデアリズム)⇔唯物論(マテリアリズム)
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1. ソクラテス:古代ギリシア。「無知の知」。科学と哲学を区別した、哲学はソクラテスから始まった。
2. プラトン:ソクラテスの弟子。『国家』、イデア論。
3. アリストテレス:プラトンの弟子であり、批判者。三段論法。アレクサンドル大王を教えた。
4. トマス・アクィナ -
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1962年に出た『世界十五大哲学:哲学思想史』という本を文庫版で復刊したもの。まず哲学とはどういう学問か、哲学思想史の概観が解説され、その後にソクラテス、プラトン、アリストテレス、トマス・アクィナス、デカルト、ロック、ディドロ、カント、ヘーゲル、キルケゴール、マルクスとエンゲルス、チェルヌィシェフスキー、中江兆民、デューイ、サルトルの15の思想について、時代背景と主な著作の内容、著者らの分析を合わせて解説される。巻末には「用語解説」として、本文中に出てくる哲学用語を解説した部分があるので、第一編が読み終わったら用語解説に飛んでから第二編を読む、という流れがいいかもしれない。
文庫版において -
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朝、出張に行く前に東京駅構内の本屋で手にした本。帯に「佐藤優推薦!」とある。そういえば、この本を紹介していた記憶があった。買うしかないじゃないか!
冒頭に佐藤優さんが「復刊に寄せて」とコメントを書いている。彼がこの本を手にしたのは中学1年生のときらしい(今から42年前!)。確かにこの本は分かりやすく書いているが、なんと中学1年生がこれを読んでいたのかと思う。赤線をたくさん引きながら、ボロボロになるまえ読んだ本らしい。いまの佐藤さんがある理由を垣間見れるような気がする。
本書がいいのは、最初に哲学の歴史的流れ(概観)がある点ではないか。2部構成になっていて、前半が哲学の歴史的流れ、後半が個別 -
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哲学の初学者は、まずはこの書籍から読み始めたら良いかと思う。
西洋哲霊は、「Plátōnに対する一連の脚注である」というのは有名な言葉である。
ただし、最初からPlátōnを読み始めるのはチャレンジングであると思う。
まずは土台を固めてから建物を作ったほうがよいのである。ここでの基礎とはつまり、哲学を俯瞰的にみた視点であり、古代から現代まで哲学が何を論点としてきたのか、ということを意識してまず眺めてみる。
本書はこれにぴったりの一冊である。
1人数十ページでまとめられており、15人の哲学者が登場する。
かなりメジャーな哲学者が多く、歴史の潮流を完璧に捉えている。が、ページ数の制約から、哲学 -
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著者がピックアップした哲学者の主張(解説)については、自分には難解すぎて付いていけなかったのが正直なところ。それぞれの用語を正しく理解しないと「●●の主張は~的…論」となった瞬間に思考が止まる。後半になるほどこの連続で、巻末に用語の説明があるものの、記載個所に立ち返ってその意味合いを咀嚼する気力もなく、果ては理解することをやめて斜め読みになってしまった。もう少し哲学をちゃんと勉強するともっと面白く読めるのだろうか。この点は真摯に本著に向き合わなかったため反省。
それぞれの哲学者がどういった社会情勢・時代背景のもとで自己の主張を展開したのかについての解説は、その哲学者の主張や思考の背景が垣間見