【感想・ネタバレ】世界十五大哲学のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年08月29日

ギリシャの哲学者から現代にいたるまでの哲学の歴史を、その時代時代に影響を与えた主要な15人を紹介されることを通じて解説をされています。個々の時代において、どのような考えがあったのか、その中で哲学者がどのように活動したのか。それが連綿とはいかずともつながり、後世に影響を与え、新たな哲学を生み出した流れ...続きを読むを一つ把握することができます。過去から今に至るまでの哲学史の教科書といえるものだと思います。本書の主要な内容としては3つに分かれており、1は哲学の歴史を一通り解説されており、2は個々の哲学者15人についての解説、3は用語の解説となっています。偏った方向に行かないように慎重に丁寧に書かれていますので、安心して読み進めることができました。思想や哲学の場合に得にくかった「巨人の肩に立つ」を感じられる必読書だと思います。

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Posted by ブクログ 2018年03月11日

哲学の歴史、思想の流れの変遷を著者達のしっかりした視点を持って述べている点に入門書として第1級の風格を感じる。何度も読み返し、その度に新たな視点を得られる

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Posted by ブクログ 2022年01月19日

哲学初心者には難解な内容でしたが、哲学とは何かを考えるにはちょうどいい、容易には理解できないくらいの文章が楽しい

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Posted by ブクログ 2016年02月17日

特に、第一編の「哲学思想史」が良かった。どのように哲学が発展していったかの全体像が面白い。第二編からは15
名の哲学者の思想を順に説明がなされるが、こっからはなかなか難しい。
再読必要だなと。著者が唯物論寄りの人のようなので、そこは注意して読み返したい。

*観念論(アイデアリズム)⇔唯物論(マテリ...続きを読むアリズム)

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1. ソクラテス:古代ギリシア。「無知の知」。科学と哲学を区別した、哲学はソクラテスから始まった。

2. プラトン:ソクラテスの弟子。『国家』、イデア論。

3. アリストテレス:プラトンの弟子であり、批判者。三段論法。アレクサンドル大王を教えた。

4. トマス・アクィナス:13世紀イタリア。アリストテレスの哲学とキリスト教の教義を結びつけた。『神学大全』

5. デカルト:17世紀フランス。「我思う、故に我あり」すべてのものを疑った。『方法序説』。生得観念。機械論的唯物論という自然観。

6. ロック:17世紀イギリス。生得観念の否定、観念は経験を起源にしている。社会契約説

7. ディドロ:18世紀のフランス啓蒙思想家。

8. カント:18世紀。ドイツ古典哲学者。フランス革命、イギリス産業革命、ドイツ精神革命に影響を与えた。

9. ヘーゲル:19世紀。カントを発展させた。ドイツ古典哲学の完成者。弁証法的方法。

10. キルケゴール:19世紀デンマーク。

11.マルクス、エンゲルス:19世紀ドイツ。マルクス主義は、弁証法的唯物論(哲学)、剰余価値学説(経済学)、階級闘争理論(社会主義)を含んでいる。

12.チェルヌィシェフスキー:19世紀ロシア。農奴解放。フォイエルバッハの弟子。

13.中江兆民:19世紀日本。唯物論。「わが日本、いにしえよりきまにいたるまで哲学なし。すべての病根ここにあり」

14.デューイ:20世紀アメリカ。プラグマティズム(観念論でも唯物論でもない第3の哲学)目に見える現象だけを哲学の問題とする。

15.サルトル:20世紀フランス。実存主義。存在論。

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memo:

31
できる限り前提をはっきりさせて議論をすすめるのが、哲学のやり方である。常識でははっきりしていると思われている前提でも、少なくとも一度は疑ってみて、再検討するのが、哲学の主要な仕事の一つである。

47
自分自身の理性と経験にもとづいて、何ものかを、それが真理であるかどうか、と吟味することになる。

94
明治の初年に西周がphilosophyの訳語として作った「哲学」という用語

99
ローマは、軍事的にギリシャを征服したことによって、文化的にはギリシャに征服された、といわれている。だが、この場合のギリシャ文化とは、東方化したヘレニズム文化であった。

399
今日、哲学上でどんな立場に立つ人でも共通して認めなければならない哲学史上の巨大な山系に二つある。一つは、古代ギリシァにおいてソクラテス、プラトン、アリストテレスと続く山系であり、もう一つは、カントからヘーゲルに至るドイツ古典哲学の山系である。

466
この思想体系(マルクス主義)の根底に弁証法的唯物論とよばれる哲学を持ち、さらに剰余価値学説を中心とする経済学と、階級闘争理論を中核とする社会主義理論とを包含している。

475
唯物論は、世界が神の被造物であるとか、世界が何か知られない原因によって無から創造されたものであるとか、と主張する思想(観念論)に対立して、世界は自然である、つまり、世界はひとりでに出来上がっている、ーー「自然」とはこういうものであるーーと主張する思想である。

479
マルクス主義は、哲学を「唯物論」と「観念論」との2つの党派、2つの陣営に区別した。(中略)哲学史を、自然を根拠とみなし、自然から精神が発生するという「唯物論」と、精神に対して自然を根源とみなす「観念論」との対立であると明確にとらえたのは、マルクス主義であった。

493
マルクス主義によれば、このさい人間と他の動物とを区別する特徴は、人間が「労働する」ということである。「道具」を用いて生産することである。

500
マルクス主義は、社会の「土台」の段階的な変化に応じて「上部構造」が変化すると説明する。(中略) 「上部構造」のこのような、全体的な変化は「革命」と言われる。

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Posted by ブクログ 2016年01月30日

佐藤優氏が初めて買った哲学の概説書、ということで、PHP文庫で復刊されたもの。著者らはマルクス主義哲学の立場にあること、刊行が1962年であり、古くなっていること、OCRによる誤字が幾つか見られるなど、問題点がありますが、哲学史、15名の代表的哲学者の思想のコンパクトな解説などは、なるほど、確かに価...続きを読む値があると思いました。これで、1000円は安い。

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Posted by ブクログ 2015年04月13日

序文では含蓄がある哲学についての概観、哲学への取り組み方などが端的な言葉で述べられている。続いて、第1章哲学思想史のⅠでは「哲学のすすめ」が詳しく書かれている。この数十ページを読むだけでもいかに私たちにとって哲学的考え方が大切であるかを理解することができる。哲学者については、主にデカルトを読んだ。他...続きを読むのデカルトに関する本の内容とも比較しながら読んだが、デカルト像が今までにも増して立体的に深くとらえることができた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年01月29日

入門書とあるが、難しいと思う(私自身哲学は門外漢)。
特にキルケゴールがきつかった。時間をおいて再読する。

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Posted by ブクログ 2014年12月27日

 1962年に出た『世界十五大哲学:哲学思想史』という本を文庫版で復刊したもの。まず哲学とはどういう学問か、哲学思想史の概観が解説され、その後にソクラテス、プラトン、アリストテレス、トマス・アクィナス、デカルト、ロック、ディドロ、カント、ヘーゲル、キルケゴール、マルクスとエンゲルス、チェルヌィシェフ...続きを読むスキー、中江兆民、デューイ、サルトルの15の思想について、時代背景と主な著作の内容、著者らの分析を合わせて解説される。巻末には「用語解説」として、本文中に出てくる哲学用語を解説した部分があるので、第一編が読み終わったら用語解説に飛んでから第二編を読む、という流れがいいかもしれない。
 文庫版においては佐藤優という作家の解説が冒頭にあるが、「この本は12歳の時に買いました」みたいなことが書いてあって、いきなり気分を害してしまう。分かりやすいし面白いけど、30のおれが読んでも結構何回も読み直したりして、決して簡単なものではなかった。
 まず哲学の精神とは「人民の中にあって人民のために考え、かつそれを実現するために働くこと」(p.534)であるという著者の強い考えが伝わってきた。そして思想史全体としては、「感覚的には知ることができない精神とか神とか、あるいは自我とかを原理にして、そこからすべてを説明」(pp.559-60)する観念論と、「原子とか、なんかの法則とかを原理にして世界の諸現象を説明」(p.560)する唯物論という、存在に関する思考の2つの出発点があるということが分かった。さらにそれを越えようとした現代思想(プラグマティズム、実存主義など)がある、という構図が見えてきた。
 以下、興味深いと思ったところを列挙すると、ギリシャ哲学が衰退し、エピクロスやゼノンのような「どうすれば各個人が心の不安なしに生きられるか、という生活術を説くもの」(p.97)が現れたかということについては、ギリシャ哲学がそもそも統治者による哲学であり、労働者(奴隷)には開かれたものでなかったから、という分析は面白いと思った。「統治者とは」という視点しか持っていないと、コスモポリタンとして世界人民の平和をという発想に至らない、ということだろうか。
 ソクラテスの後への影響について述べられた部分が興味深い。「主体的な側面がより全面にでるか、比較的背後にしりぞいているか、ということは、それぞれの哲学者によってちがいがある。しかしそれにもかかわらず、主体的な問題をまったく含まない哲学はない」(p.205)と解説され、理論と実践の統一を目指す哲学像はソクラテスによって及ぼされた影響とされているのが重要な部分だと思った。
 また、思想と言えばよく「形而上」、「形而下」ということが言われるが、もともと形而上学とは、アリストテレスの遺構を編集したアンドロニコスが自然学の後に(=メタ)置いた学問(第一哲学)という編集上の都合を表す言葉に過ぎない、という部分に驚いた。「わかりにくくいやな言葉」(p.251)と著者が書いているのが面白い。
 次にカントの認識論における悟性、というのが高校の時勉強しても訳わからん、と思ってたけど、要するにドイツ語のVerstandの訳語で「理解力」ということだ(p.614)、というのは知らなかったし、理性とは違うものだということは分かった。そして一見すると要するにヒュームの「目による主観主義から頭による主観主義に変った」(p.383)というのは分かりやすい。
 そしてヘーゲルと言えば弁証法だけど、そこから三分法によって体系化するということが言われたが、「あくまでも対象の内的運動を追求するという弁証法的方法の主旨を裏切り、かえって、外的、偶然的な理由をあげて事柄にとって余計な説明をもっと捕捉しなければならぬ破目に、ヘーゲルをおとしいれている場合が多い」(pp.424-5)というのは、なんかヘーゲルに限らず、いろんな学問の理論や、あるいは組織の規則なんかでありそうなことだなと思った。そしてこれが「観念論的弁証法」であり、エンゲルスが言う「唯物論的弁証法」というのは、「対象における矛盾の解決は、出発点にあったものより以上の具体化であり、より高い発展である」(p.491)と述べたのも面白いと思った。
 最後に、チェルヌィシェフスキーという人を初めて聞いたが、この人は「25才で結婚するまえに、その婚約者に、自分には苦難の運命が、おそらくは死がまっているかもしれない、と語っていた。しかも彼は、敢てその道を進み、自らこの苦難の生活を選びとった」(p.514)人で、25年も流刑地にいたというすごい人らしい。哲学者というのは、実際はこういう人たちのことを言うのだろうか、と思った。そしてこの人の言う「あたらしい人」とは「打算」に基づいて行動し、「善と真、誠実と知識、性格と知性は、同一の概念」(p.525)となり、「気にいった有益な労働にむけられた知性は、人類の真の利益と一致するような個人的利益に合致すること、したがってもっともきびしい正義ともっとも鋭敏な道徳的感情とがもつ諸要求に合致することだけを、つねにすすめる」(p.525)という思想は、なんか悟っている感じがする。打算、というのがどういうことなのか、もっとよく知りたいと思った。
 他にも、デカルトの用意周到な性格や、キルケゴールの恵まれな生涯など、思想というのはその人、その時代を見ることによって、よく見えてくるんだな、と思って、高校の時はそういう学習をしなかったので、分厚い本ではあっても飽きずに読むことができた。(14/12/27)

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Posted by ブクログ 2014年05月09日

【読書その140】尊敬する佐藤優氏の推薦の哲学書。哲学を学びたいと思っている人にはお勧めの入門書。アリストテレス、プラトン、カントなどの哲学者の考え方をコンパクトにまとめた本。

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Posted by ブクログ 2014年03月17日

朝、出張に行く前に東京駅構内の本屋で手にした本。帯に「佐藤優推薦!」とある。そういえば、この本を紹介していた記憶があった。買うしかないじゃないか!

冒頭に佐藤優さんが「復刊に寄せて」とコメントを書いている。彼がこの本を手にしたのは中学1年生のときらしい(今から42年前!)。確かにこの本は分かりやす...続きを読むく書いているが、なんと中学1年生がこれを読んでいたのかと思う。赤線をたくさん引きながら、ボロボロになるまえ読んだ本らしい。いまの佐藤さんがある理由を垣間見れるような気がする。

本書がいいのは、最初に哲学の歴史的流れ(概観)がある点ではないか。2部構成になっていて、前半が哲学の歴史的流れ、後半が個別の哲学者の紹介となっている。人の営みの根底に流れる考えが、古代から近代までにどういう風に変遷してきたのか。それをザッと理解してから個別の哲学論に入るというスタイル。そこが秀逸のように思う。

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Posted by ブクログ 2014年02月20日

哲学の初学者は、まずはこの書籍から読み始めたら良いかと思う。

西洋哲霊は、「Plátōnに対する一連の脚注である」というのは有名な言葉である。
ただし、最初からPlátōnを読み始めるのはチャレンジングであると思う。
まずは土台を固めてから建物を作ったほうがよいのである。ここでの基礎とはつまり、哲...続きを読む学を俯瞰的にみた視点であり、古代から現代まで哲学が何を論点としてきたのか、ということを意識してまず眺めてみる。
本書はこれにぴったりの一冊である。

1人数十ページでまとめられており、15人の哲学者が登場する。
かなりメジャーな哲学者が多く、歴史の潮流を完璧に捉えている。が、ページ数の制約から、哲学自体の紹介はかなり荒いと思われる。

さて内容であるが、哲学とはその本質に、究極まで物事を疑いなにが真理であるのか、ということを探る学問である。数学でいう公理系を世界に対して構築するようなものである。
ある人は、物事の本質が「あり」、それが存在として表面化すると言う。ただし、その本質は見ることができない。
一方で、実在主義者は確かに本質はあるかもしれないが、それを見ることができないのでそれに意味はなく、その存在が本質であるという言う。
(さらにSartreは実在主義の観点から上記の理論を精密化している)
というように、哲学とは新しい人が新しい理論を構築するというよりも先人の理論に対して新しい解釈や反対する論理を構築するという歴史的な背景があるのだ。
(この意味で、哲学はPlátōnの脚注といわれるのであるが)

また、哲学の書籍で頭を悩ませるのが難解な単語が多いことである。その点で、本書は巻末に簡単な辞書が載っており必要に応じてそちらを参照することで理解の助けとなる。
が、常々思うのであるが、哲学の専門用語を調べると、それを説明している単語もわからなくなる。
例えば、「実在」とは真実の存在とある。そこで問題となるのは「真実」と「存在」の意味するところであるが「存在」の意味は載っていない。存在するってなんでしょうか。

哲学って難しいし、この一冊で哲学を理解したならば、たぶんそれは哲学をわかっていない証拠であろう。

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Posted by ブクログ 2021年08月27日

著者がピックアップした哲学者の主張(解説)については、自分には難解すぎて付いていけなかったのが正直なところ。それぞれの用語を正しく理解しないと「●●の主張は~的…論」となった瞬間に思考が止まる。後半になるほどこの連続で、巻末に用語の説明があるものの、記載個所に立ち返ってその意味合いを咀嚼する気力もな...続きを読むく、果ては理解することをやめて斜め読みになってしまった。もう少し哲学をちゃんと勉強するともっと面白く読めるのだろうか。この点は真摯に本著に向き合わなかったため反省。

それぞれの哲学者がどういった社会情勢・時代背景のもとで自己の主張を展開したのかについての解説は、その哲学者の主張や思考の背景が垣間見れた点はとても良かった。

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Posted by ブクログ 2017年04月04日

読みやすい本。表現がわかりやすく、しかしその哲学者の思想核心にはちゃんと触れている。

しかし中には「おや?」と思う哲学者も混じっている。
それとこれを書いた学者さんがマルクス主義者のためか、観念論を唯物論より劣った思想とする主張が文章に滲み出ているので、その辺を割り引く必要がある。

あと関係ない...続きを読むが、佐藤優って人が何かにつけて用いる「ビジネスに効く」の売り出し文句に見え透いたマーケティング臭を感じて不快になる。
哲学ってビジネス以前に目的とする何かがあるべきなんじゃないですか。

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