厚香苗のレビュー一覧
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
一口にビジネスマンと言っても、最近ではさまざまなワークスタイルを見ることができる。いわゆる会社勤めだけを見ても、フレックス勤務や在宅勤務というものがあるし、フリーランスや起業という働き方もすっかり定着してきた。
とりわけその中でも注目を集めているのが、都市ノマドというスタイルであるだろう。昨今のインフラの充実ぶりを背景に、MacBook AirやiPadでクラウドサービスを駆使しながら、WiFiのあるカフェを点々とする。そんな身軽で自由な生き方が共感を呼んでいるという。
しかしこの東京下においても、お祭りからお祭りへと点々と移動しながら、時には焼きそば、時には綿アメと手を替え品を替え、商い -
- カート
-
試し読み
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
自身も墨田区出身の研究者が、墨東地域のテキヤ社会のフィールドワーク(2002-03年)をまとめたもの。テキヤが学問的な研究の対象になることには意外感もあったが、たしかにカタギとは違う伝承を伝えていることが分かる。文献資料が残らないので、あるうちに調査しないとそのまま失われてしまう貴重な研究と言える。
<序章>
露店商(テキヤ)の性質
1.露店商いで生計を立てている
2.擬制的親族関係 親分−子分
3.「昔から」「伝統」という言説で口頭で商いの権利を主張する
4.集団は商圏としての縄張りを持っている
5.地域住民との関係が良好 (墨東地域では「テキヤさん」と呼ぶ)
神農を職能神とする・・・危 -
Posted by ブクログ
テキヤ。
古くは江戸期より、香具師、テキヤ、露天商(露店商)などと呼ばれる。
イメージしやすいのは、祭りの縁日で、焼きそばやお面を売ってる彼らだ。
商人七割、ヤクザ三割と呼ばれる、極道ではなく神農道の彼ら。
そんなテキヤを文化人類学、社会人文学、民俗学的見地から考察した一冊。
非常に興味深い一冊でした。
GHQが蔓延った時代、また、戦後闇市での独自のネットワークなど、感嘆もの。
近年では暴対法やら道交法やらと、法律や倫理が力を持っているが、そういった権力が肥大し過ぎると、地域に根ざす文化が衰退するのだな、と。
そして、それぞれの地域ではそれらを黙認し受け入れる許容がある、と。それが、庶 -
Posted by ブクログ
頻繁に目にはするけど由来や仕組みがよく分からないもの、その代名詞的な扱いの「テキヤ」にスポットを当てる本。何しろ口頭伝承を重んじ文献を殆ど残さない(残しても自らの商売の正統性を都合良く書き立てるだけの「由来書」という偽書程度)というテキヤ集団自体の特質に加え、正統的民俗学の立場からも亜流として研究対象から除外されてきたがために、現在では外部からはその内実を窺うことが極めて困難だという。
「三割ヤクザ」と自らを揶揄する言葉に象徴されるように多少の反社会的性格を帯びる一方で、「神農」という職能神信仰に基づく慈善的行動や、血縁よりも親分子分関係を重視する伝統的な相互監視システムで組織の紐帯を強化し -
- カート
-
試し読み
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
タイトルの答えは「地元に住んでいて近所から来る」。
たいていの露天商は地域の同業者組合に所属しており、組合のなわばりなどの兼ね合いもあって遠征勢や一匹狼はかなり少ないらしい。
本書をとおして、テキヤの神農皇帝信仰や「一人前」「本家分家」「親分子分」の制度、一人前になる際の儀礼・ダイメ(代目披露)の存在など、外部の人間ではなかなか知ることのできない情報が得られた。
正直気になっていたテキヤとヤクザとの関係も述べられていた。中には暴力団系の人間もおり、あるテキヤさん曰く『ヤクザ3割・商人7割』とのこと。
ちなみに、暴力団系テキヤが警察を遠ざけるのに対して、真っ当な露天商は書類申請に関しては意外 -
Posted by ブクログ
冒頭いきなり「静岡あたりの見えない壁」。僕の住む静岡県は、電気の周波数がわかれているのと同じように、テキヤにとっての行動様式の境界にもなっているらしい。
僕の知るテキヤ像が東西どちらのものかわからないが、地元の祭りではいったいどこから現れたのかというようなヤクザまがいの人が大量にあらわれる。まさに「テキヤはどこからやってくるのか」であるが、地元にもいるし、他所からも来る、そしてそれらはテキヤ界ではしっかり区別されているし、また地元もひといろではない。
完全にフリーランスでどこにも属さないテキヤと言うのはほとんどいない一方で、テキヤの素性は7割商人、3割ヤクザだとか。そして親分が白い