【感想・ネタバレ】テキヤはどこからやってくるのか?~露店商いの近現代を辿る~のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年09月19日

面白くて一気に読めた
これだけの情報を手に入れるにはどれだけ時間も手間もかかるか、気が遠くなる
それを一気に読める幸せ

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年01月27日

こわいものしらずの素朴な女の子がテキヤのおっちゃんにまとわりついてお話をせがんでいる絵が浮かぶような、邪気のない好奇心を感じる面白い本だった。
神農さんて露店商の神様だったのか~とか、ナワバリが必ずしも自分の周囲とは限らず飛び地に通っていることもあるとか、独特な様式を備える口上とか、知らなかったこと...続きを読むがいっぱい。

P74 香具仲間の愛嬌も薬のうち。今風に言うなら、カワイイものも人を元気にしてくれる

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Posted by ブクログ 2015年11月30日

テキヤ。
古くは江戸期より、香具師、テキヤ、露天商(露店商)などと呼ばれる。

イメージしやすいのは、祭りの縁日で、焼きそばやお面を売ってる彼らだ。

商人七割、ヤクザ三割と呼ばれる、極道ではなく神農道の彼ら。
そんなテキヤを文化人類学、社会人文学、民俗学的見地から考察した一冊。

非常に興味深い一...続きを読む冊でした。
GHQが蔓延った時代、また、戦後闇市での独自のネットワークなど、感嘆もの。

近年では暴対法やら道交法やらと、法律や倫理が力を持っているが、そういった権力が肥大し過ぎると、地域に根ざす文化が衰退するのだな、と。
そして、それぞれの地域ではそれらを黙認し受け入れる許容がある、と。それが、庶民の楽しみであり、文化の醸造だと。

明日は、墨東地区に足を運ぼうかな。

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Posted by ブクログ 2014年10月23日

お祭りには欠かせない露店だが、ヤクザぽい感じはしていた.本書でそのルーツが良く理解できた.日常的なことを記録として残しておく重要性を痛感した.

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Posted by ブクログ 2014年10月19日

面白そうなタイトルに惹かれ、電車の中ででも軽く読もうと手に取りました。あにはからん、文化人類学に基礎を置いた、しっかりとしたフィールドワークと文献から、過去より現在に続く「テキヤさん」の実態に迫った意欲的なものです。
テキヤさんの生活実態や、「神農」への信仰。過去と現在の違いなど。自分とは違った世界...続きを読むの人々の、切実さや重さ軽さに、観察するだけではなく肉薄するのでもなく、慎重に寄り添って研究する姿勢が素晴らしいと感じました。だからこそ、ここまでテキヤさんに迫ることができたのだと思います。

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Posted by ブクログ 2014年06月29日

頻繁に目にはするけど由来や仕組みがよく分からないもの、その代名詞的な扱いの「テキヤ」にスポットを当てる本。何しろ口頭伝承を重んじ文献を殆ど残さない(残しても自らの商売の正統性を都合良く書き立てるだけの「由来書」という偽書程度)というテキヤ集団自体の特質に加え、正統的民俗学の立場からも亜流として研究対...続きを読む象から除外されてきたがために、現在では外部からはその内実を窺うことが極めて困難だという。

「三割ヤクザ」と自らを揶揄する言葉に象徴されるように多少の反社会的性格を帯びる一方で、「神農」という職能神信仰に基づく慈善的行動や、血縁よりも親分子分関係を重視する伝統的な相互監視システムで組織の紐帯を強化し、近現代という社会構造の変化を乗り越えてきたテキヤ集団の姿が生々しく描かれている。

自分の住む地域の(何を祭っているのか皆目分からない)「祭り」では、最近、こうしたテキヤよりも市民団体や同郷会の露店を目にすることが格段に多くなっているような気がする。地域コミュニティの機能が大幅に縮小しつつある現代で、テキヤがどのように自らの組織を保っていくのか、興味は尽きない。

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Posted by ブクログ 2021年03月03日

タイトルの答えは「地元に住んでいて近所から来る」。
たいていの露天商は地域の同業者組合に所属しており、組合のなわばりなどの兼ね合いもあって遠征勢や一匹狼はかなり少ないらしい。

本書をとおして、テキヤの神農皇帝信仰や「一人前」「本家分家」「親分子分」の制度、一人前になる際の儀礼・ダイメ(代目披露)の...続きを読む存在など、外部の人間ではなかなか知ることのできない情報が得られた。

正直気になっていたテキヤとヤクザとの関係も述べられていた。中には暴力団系の人間もおり、あるテキヤさん曰く『ヤクザ3割・商人7割』とのこと。
ちなみに、暴力団系テキヤが警察を遠ざけるのに対して、真っ当な露天商は書類申請に関しては意外なほどマメ。
その土地で長く商いをするためにはお役所や警察と良好な関係が必要不可欠なことをよく理解している、という話には納得できた。

また、非合法の闇市をスムースに運営するためにむしろ警察の許可を取ろうと動いていた商人集団がいた、という話が興味深かった。

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Posted by ブクログ 2018年08月18日

露天商独特のナワバリや信仰のネットワークについて。祝祭空間でしか可視化されない彼らは民俗学のフィールドから社会学的に概括しようとした新書。戦後闇市の編制に伝統的な地域の露天商がネットワークを使いながら流通を担っていったというプロセスや親分が横のつながりを持つことで不測の事態にも対応できる組織的集団で...続きを読むあるとか社会ネットワーク的に面白い。確かに「3割ヤクザ」なんだろうけど震災とかでも彼らの流通網が役立ってきた側面がある。

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Posted by ブクログ 2016年01月17日

うん、思ってたのとちょっと違った。
テキヤという存在を知りたかったが、入口についてあまり言及はなかった。
いわゆるヤクザモノとの関わりをもっと知りたかったのだがな。

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Posted by ブクログ 2014年11月28日

タイトルだけで手に取ってしまいました。光文社新書、厚香苗著「テキヤはどこからやってくるのか? 露店商いの近現代を辿る」。確かにお祭りに行けば必ず並んでいる露店がどう営まれているのかは気になってはいました。いやはや、近所にいらっしゃったんですね、そこが驚き。
確かに毎度いざこざもなくすんなり並んでます...続きを読むし、周辺の地理にも明るいのは確か。新書なのでだいぶ端折られてはいますが、およその構造がわかりました。
新書というのは疲れている時にとても読みやすいです。これからもよろしくお願いします。

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Posted by ブクログ 2022年06月01日

冒頭いきなり「静岡あたりの見えない壁」。僕の住む静岡県は、電気の周波数がわかれているのと同じように、テキヤにとっての行動様式の境界にもなっているらしい。



僕の知るテキヤ像が東西どちらのものかわからないが、地元の祭りではいったいどこから現れたのかというようなヤクザまがいの人が大量にあらわれる。ま...続きを読むさに「テキヤはどこからやってくるのか」であるが、地元にもいるし、他所からも来る、そしてそれらはテキヤ界ではしっかり区別されているし、また地元もひといろではない。



完全にフリーランスでどこにも属さないテキヤと言うのはほとんどいない一方で、テキヤの素性は7割商人、3割ヤクザだとか。そして親分が白いといえばカラスも白い世界。研究文献でもテキヤ界隈は社会病理(は言い過ぎで、社会問題、というようだが)とされていたりする。



きちんと口上が述べられて初めて一人前のテキヤだというが、今時のテキヤを見ると、ひたすらスマホをいじっている若いやつが目立つ。果たしてこの人達、口上述べられるのかなあ。とはいうものの、3割ヤクザ、というのは実にいい。3割はちょっと多い気もするが、1〜2割ぐらいは、そういうぐらいのほうが、何事もいい。けれど彼らは極道ではなく神農道である。人には、そういう○○道が何割かはあったほうが、やはりいい。



近現代、というけれど現代より近代のことが印象的で、もう少し現代のテキヤのことを知りたかった気もするが、実のところ、あんまり詳しくわからないほうが素敵な存在でもあろう。研究とエンターテイメントはわけねばならないが、当のテキヤ自身が研究所は読んでくれないのだとか。むう…。

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Posted by ブクログ 2014年11月01日

おそらく著者の研究成果の一部。悪くはないが、物足りない。もっと重厚感が欲しい。新書にそこまで求めるのは酷か。

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Posted by ブクログ 2014年08月04日

誰もが見たことあるけど、実態は謎に包まれてると感じる人が多いだろう「テキヤ」の生態を調査した研究者の新書。
普段接しない世界のしきたりや歴史についての本なのでなかなかわかりにくい部分もあったが、目の付け所が面白いなと感じた。

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