鍵空とみやきのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
語り損ねた、真実の愛の挿話たち。
人が全てを切り捨てて、最期に残るのは、愛だけ。「ハッピーシュガーライフ」本編完結後に発表されたキャラクター別の短編読切を収録。しおの「その後」を描く、単行本描き下ろし作品も収録。余分で、過剰で、特別な、それぞれのエクストラ・ライフ。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
本編を最後まで読み終えたのがちょうど3年前ぐらいでした。まさか続編(後日談ですが)が出るとは…。
本編の感想に「誰かのために死ぬ」ということは美談に聞こえるが、生き残った側の心の中にドス黒く残り続けるものだ、と書きましたが、まさにそれが現実のものになってしまいましたね。 -
Posted by ブクログ
作者があの『ハッピーシュガーライフ』の鍵空とみやき先生で、あらすじを読んだ段階では恋に燃えるドール達のおどろおどろしい恋愛模様が描かれるかと思いきや、冒頭からコメディ調であった事に大変驚いたよ!
「恋をするとバカになる」、これは比喩表現だと思っていたのだけど、どう見てもバカそのものだね!顔の造形すら変わってしまうって相当やばい事態ですよ……
愛玩具として出荷される商品なのだから、そりゃカタログと異なる状態になってしまったら不良品の烙印を捺される……そのロジックは判るけれども、慈悲無く焼却されるドール達の様子が悲惨な筈なのにギャグ描写でしか無いという……
冒頭では恋を禁ずる側に居ると思われた -
Posted by ブクログ
美しくも、けれど破滅的に完結した本作の続巻が出るとは夢にも思わなかった……
でも、エクストラエピソードという事である程度気楽に読めるのかな?と思いつつ、読み進めていたら……
いやはや、やっぱり本作は狂気と純愛に満ちた御伽噺のような物語でしたね…
だってね、最初こそさとうの叔母の話でスタートしつつ、その次には保育園ネタなんていう二次創作のようなネタが明るく繰り広げられるのだから油断もしてしまうじゃないか
その後に続く幾つかの話もいずれ辿り着く破滅さえ抜きにすれば明るい要素の多いエピソードだったし
その流れが変わるのはしょうこのエピソードからかな
思えば本編においてもしょうこの破滅から作品全体 -
Posted by ブクログ
さとうとしおの破滅が描かれる最終巻。けれど、その破滅は周囲の人間にとっての破滅であり本人達にとってはそのままハッピーシュガーライフの始まりであるという点は恐ろしい
火の手とあさひが迫りくる中で思っていたような逃避行ができなくなってしまったさとう達
その中でさとうとあさひはしおを巡って争うのだけど、しおから見ればその様子は両親のDVの場面と被ってしまう描写は印象的
そうなれば、しおの中でさとうは虐められて泣いていた母親とダブりつつ別人と認識できてしまう。しおがさとうから離れる理由が薄くなる。
また、しおはさとうの共犯者になる決意を固めているのだから、さとうの危機には立ち上がるし、さとうの犯罪歴 -
Posted by ブクログ
ネタバレボリューム少なめでストーリーの進展があまり見られなかった前巻。第7巻はどうなるのだろうかとワクワクしていたらまさかの過去編
ただ、それによってあさひとしおがどのような家庭環境で育ったのかが十分に伝わってくる内容だったので良し
扉絵で純粋可憐さを充分に主張してきたゆうな。まさかたった数ページでその笑顔が曇ってしまうとは思わなかったよ……
当たり障りない生活を送りながらも誰かが自分を素敵な世界に連れてってくれるのでは?と夢想するとても普通の人生を歩んでいた少女。そんなゆうなの人生が一瞬にして、そして本人の意思を置いてけぼりにしてあっという間に奈落の底に突き落とされる。
ゆうなは母親にも大人になっ -
Posted by ブクログ
しょーこはとんでもない物を遺して逝った。これであさひはしおを取り戻ししょーことの約束を果たし「幸せ」を手に入れるためにさとうと衝突せざるを得なくなった。ラストのバットが不吉な展開を予感させる
けれど、そんなタイミングでこれまで庇護される存在だったしおがさとうを守るために共犯者に名乗り上げ。
この決断の原動力となったのが、母親によってしおに遺された残酷な記憶であった点には妙な巡り合わせを感じてしまう。さとうがしおへの愛情に固執するのだって叔母から与えられた嫌な記憶や体験が元になっているんだものなぁ
しおは全て思い出したと言うけれど、あさひからすれば「あの日」何があったか知らないと言う。「あの