ダニエル・ギルバートのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ良本です。幸せについて様々な実験を通してまとめてあります。
その中でもお気に入りは。
慣れについて
素晴らしい出来事は最初に起こった時が一番素晴らしく、
繰り返し起こるに連れて、薄れていってしまう。
我が子に「ママ」と呼ばれ、連れ合いの恋人に「愛してる」と言われてた
最初と最後のときを比べればわかるはずだ。
私たちは一つの経験をなんども体験すると、得られる喜びが
減っていってしまう。
これを心理学者は「馴化(慣れ)」と呼び、経済学者は「限界効用の逓減」と呼ぶが
我々一般人は「結婚」と呼ぶ。
この一節はとても面白かったです。直前の限界効用の逓減などは少し難しいですが、
結 -
Posted by ブクログ
ネタバレハーバード大学の心理学者が、
心理学や行動経済学、社会学などを駆使して、
どうやったら、未来の幸せを的確に予測できるかについて、
多数の実験例を紹介しながら考えていく本です。
個人的に、序盤からもうアツいです。
なぜなら、最近、いつも頭の中で転がしている考えと
おなじ考えを著者が述べて始めたからです。
<人間はコントロールへの情熱を持ってこの世に生まれ、
持ったままこの世から去っていく。>
というわけで、常々ぼくも考えていることですが、
ひとは自分自身にしろ他者にしろ、
支配したい欲求にがんじがらめですよね。
<生まれてから去るまでのあいだにコントロールする能力を失うと、
みじめな気分に -
Posted by ブクログ
「こうなれば満足する」と思っていたが実際は満足しなかった未来の自分
「こうなったら幸せだろうな」と思って実際にそうなるように努力した、
でもそこにいる未来の自分は「幸せでない自分」という現象
自己啓発本かと思い敬遠していましたが、
内容は心理学の観点から見た「幸せ」について
(たくさんのジョークを交えつつ)書かれていました。
未来の自分を予想することがなぜ困難なのかを
丁寧に解き明かして、幸せとはなにかを理解できる良書でした。
とくに「実在論」(物事は心に現れるままの姿で現実に存在するという考え)と、
「現在主義」(過去や未来を見る観点が、現在の経験に影響される傾向)について
説明され -
Posted by ブクログ
ネタバレ怪しいタイトルだけれども、実はキチンとした科学書。
幸せって難しいよねー、な一冊。
人が幸せをうまくつかめないのは、「慣れ」の問題だと僕は思っているけど
筆者はどちらかというと「予測」するから、ってのが一応の趣旨かな。
この「予測」が人は(自分が自分を特別だと思うために)うまくいかないんだけど、「他人だったらどう思うか?」だと意外と正確な答えを当てられたりする。
つまり残念ながら、アナタも私も特別ではない普通の人だということなんだな。
ただ、この部分が悪いというわけではなく、むしろそれは生きる上で「幸せ」になるコツのような気もする。
まぁこうまとめてしまうと強引だけど、人は人であるがゆえ -
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Posted by ブクログ
「人間だけが未来を考える」を根底にし、さまざまな理論を展開する本書。
読めば読むほど、自覚ありな経験がたくさんのっており、自分を第三者目線から見る感覚に自然となる。
特に、人は減ることにとてつもなく恐怖を覚えるというのが、たしかになぁと実感する部分があった。最近テレビ番組で、賞金が増えていくのではなく、賞金が減っていく企画があるのはそのためだろう。日々、未来を推測する人間ではあるが、それはたしかな結果をもたらすとは限らない。
何のために人は想像し、今を改めるのか…?
しかし、そもそも理由なんて考えようとするから、人間は人間たる所以なのかもしれない。
最後に文章体について、
文章が簡潔か -
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Posted by ブクログ
メモ程度
人間は未来を想像する考えることができるが、こと未来を予測することは苦手だという
幸せとは何か幸せの定義が記載されている
感情の幸せ
道徳の幸せ
判断の幸せ
未来とは今のこと
今を生きることが未来につながる
未来を読み違えない
未来にたいしていい結果良い未来を呼び起こす(と信じている)方法は、
こうしたいと思っている時に、
実際にそうしている人に聞くこと教えを乞うことだという
人間はみんな愚かなことに自分は他人よりも平均以上だと思う傾向があるらしい
しかし圧倒的大多数の人間が平均というものを出している以上上記のような方法が幸せに近づく唯一の方法のようだ
自分自身を特別視して -
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Posted by ブクログ
不都合な真実
この感想レビューも、実は参考になるものではないかも知れない。というのも本書を読めばわかるが、人間は最後の印象でその作品の良し悪しの評価を決めてしまうクセがあるらしいから。思い返して見れば、中盤、ツマラナイところも多々あったけど、第6部「正しい予想をする方法」から盛り返してきたから、私の感想は「総じて面白かった。」となった。
さて、人は幸せになる為に、自分にも嘘をついて生きているらしい。というか、この「過去を都合良く書き換える」能力があるからこそ人は発狂しないでこの現実を生きられるのだなぁ。
社会通念の、お金が沢山あればあるほど幸せ、子供がいれば幸せって、まあ、ある意味真実ではある -
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Posted by ブクログ
本書は心理学の知見に基づいて「幸せな未来を得るためにはどうすればよいのか」を解説した本である。著者はハーバード大学の心理学部教授で,感情予測,社会知覚,信念などについての研究者だ。Scienceなどの一流誌に多数の研究を発表している。しかし本書は堅い学術書ではまったくない。ユーモアが散りばめられた軽妙な文章ですいすい読める。著者のウェブサイトを見ると学術論文のほかにSFのタイトルが挙がっているが,そうした経験がきいているのかもしれない。
タイトルからは「ひとの幸せ」が本書の主題に見えるが,幸せそのものの解説に割かれているページはそれほど多くない(第2部)。幸せの定義はひとによって違うはずなの -
Posted by ブクログ
いかに「自分の判断」というものがあやしいのかを怒涛の勢いで教えられて面食らいながら楽しんだ。
題名は切り口、とっかかり。
人間が「明日」という時間軸の未来についてうまく考察できない特性と、「幸せ」というものが想像力や感情、記憶にまつわる対象であることがあいまって、認知の歪みが特に顕著に観察できる。しかも、明日の幸せと聞いたら興味をもたずにはいられない。
一番ヘェ〜と驚いたのは、「説明がつくと幸せ感が低くなる」という指摘。
人は、説明を強く強く求めるくせに、説明がついたらついたで納得して落ち着き、印象が弱まり、感情の起伏=記憶の強度が下がり、出来事を片付けて次のことへと関心を移してしまうから -
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Posted by ブクログ
自らの脳で未来を想像するのは、限界があるのと同時に、不明瞭・不確定であり、それを信じることに警鐘を鳴らす。
結果、他人の経験を自己へ投影する術が未来を想像するのに役たつ。
自分は他と違うという感覚と個人の多様性という根拠のない信念こそ、他人の経験を参考しない、またはわれわれが他人を代理人にするのを拒む最大の理由なのは納得するところがあった。
自分は特別という意味のない根拠が、変なプライドを武装し、知っているフリをしてしまう。
他人の経験を勉強することは、自分の間違った思考を考えるのにも役たつ。これが結果的に、自分の未来やどうありたいかを想像することにつながるのかも、という結論に至った。 -
Posted by ブクログ
私たちが日々行う意思決定は、結局のところ幸せになるためである。それは自分の幸せのこともあるし、家族、他人の幸せのためもあるかもしれない。
私たちは意思決定をする際には、ほぼ間違いなく予想する。行動の結果がどうなるかを予測し、それに対して自分や家族、他人の感情を予想する。これが正しく予想できれば、幸せになれるに違いない。
客観的な結果については、統計や確率でそれなりに精度を上げることができるかもしれない。本書はそこは扱わない。
本書が扱うテーマは、未来にどう感じるかについて、正しく予想するにはどうすればいいか?である。
著者は心理学者として、この問題がいかに難しいか、さまざまな実験結果をも