森政稔のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2度の政権交代を経て、自民党が政権に復帰しが、過去の自民党政治に戻ったとは必ずしもいえない。こうした政治の流れは、民主主義思想の視点からはどのように評価されるか。選挙で多数の支持を得たからといって、数に頼って自らの政策を強行するのは民主主義だと言えるのか、民主主義によっても奪えないような高次の規範は存在するのか。歴史的にみても、民主主義を選挙を通じた代表者の行動に限定するのは狭すぎる考え方である
「政治の役割とはそもそも何なのかを考えると、政治家が何か目立つ振る舞いをすることではなく、主体は個人、企業、NPO、自治体などであって、これらの主体のさまざまな活動が可能になるような条件を整えること -
Posted by ブクログ
近年資本主義と民主主義に関する本が多数出ているのですが、著者によって視点やメッセージが随分違うので、はたしてみんなどういう意味で資本主義や民主主義という言葉を使っているのだろうといぶかっていました。たとえばヴォルフガング・シュトレークは「資本主義と民主主義の離婚」ということを言っています。またロバート・ライシュは資本主義の暴走、資本主義を救え、ということで資本主義の終焉論を述べていますが、他方シェアリングエコノミーの大家であるアラン・スンドララジャンは、シェアリングエコノミーの勃興は「大衆資本主義」の登場だということで、資本主義が滅ぶのではなく資本主義が高度な形に変質しつつあるという見方をして
-
Posted by ブクログ
東大の講義ノートをもとに、戦後の社会科学を通観する。教科書的に幅広く網羅する関係上どうしても雑然とした印象が強くなってしまうが、それなりに時代を区切って思想を特徴付けることには成功している。
まずは丸山眞男からの出発となるが、丸山についてはかなり公平な評価と言えるだろう。丸山の思想は現代にも通用する部分と、「旧制一高の秀才の限界」が同居しており、多角的な評価がなされている第一部だけでも値段ぶんの価値はある。
その一方で、70年代の低成長、石油危機による不況あたりからレーガン・サッチャーを経て市場至上主義が進展する、いわゆる「新自由主義」についての解説には歯切れが悪い部分もある。もちろん、個 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「云われてみれば」という内容がとても多い。
「多数決はなぜそれがいいのか」「自由主義と民主主義は対立しうる?」というように、当たり前になっている。
内容としては、種々の主義主張(自由主義、民主主義、国家主義、ポピュリズム、リバタリアニズムなど)を対比させながら、もろもろの関係性を洗い出している。ただ同じような内容を繰り返しているきらいもある。
個人的には、「皇室は身分制度の飛び地であり、男女同権などの日本国憲法の制度は適用されない。」という了解には、目を見張った。
古典的な民主主義論に終始せず、新しい民主主義の解釈を垣間見た思いになった。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
かつて民主主義は、新しい社会の希望であり、人間の生き方を問う理想であったが、いまや、それも色あせ、陳腐なお題目と化している。
しかしそれは、単に現実が堕落したためではない。
その背後には、民主主義を支える思想が、社会の深層で大きく変化したという事情があるのだ。
本書では、デモクラシーのありようを劇的に変容させた現代の諸問題を、「自由主義」「多数者と少数者」「ナショナリズムとポピュリズム」「主体性のゆらぎ」といった論点から大胆にとらえ返す。
複雑な共存のルールへと変貌する姿を鋭く解き明かす試みだ。
[ 目次 ]
序章 現代世界と民主主義
第1章 自由主義と民主主義
第2章 多数と -
Posted by ブクログ
私が新聞やテレビの報道を通じて感じている現代の日本をとりまいている民主主義への漠然とした幻滅がどこからくるのか、強行採決や衆議院再可決を繰り返し見せられるたびに去来する議会制民主主義の限界を知りたいと思って手に取った期待にこたえてくれた、新書ながら中身の濃い構成で書かれた本です。著者が冒頭で表明しているように、この新書は「民主主義」そのものについて書かれた本ではありません。民主主義が、それ自体と関係するさまざまな概念と混ざり合う中で、日本という国の民意がどのように揺り動き、国民がその経験から民主主義をどのように理解し、与えられた権利を行使してきたかをえがいています。
著者にとって衝撃的体験