師岡康子のレビュー一覧
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購入済み
ヘイトスピーチの入門書
ヘイトスピーチの入門書です。著者が法規制に賛成に偏った意見だったことが一番気になりました。合わせて法規制慎重派の書も読むと良いと思います。
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Posted by ブクログ
現在の日本におけるヘイト・スピーチ(差別煽動)、特に在日コリアンや被差別部落出身者に対するそれの横行の状況、日本政府による差別放置・助長の現状、現行法下での規制の限界、イギリス・ドイツ・カナダ・オーストラリアにおけるヘイト・スピーチ規制の現状と課題を示し、罰則を含む包括的な差別禁止法制の必要性を訴える。日本の法曹界では、権力の濫用により「表現の自由」を危うくするという理由で、ヘイト・スピーチの法的規制(特に刑事規制)に否定的な見方が強いが、国際的には人種差別撤廃条約に基づく法規制の流れが一般的であり、事実上無法状態にある日本の現状はむしろ異常であることを強調している。
法学的アプローチか -
Posted by ブクログ
問題はシンプルなのにその解決は困難。
その困難さが一冊を通じてにじみ出ている。
日本がヨーロッパ等の諸外国とそもそも違っている点は、この国は、単一民族国家という建前でなりたっていること。だから、人種差別撤廃条約に理屈は賛同・加盟するが、単一民族国家であるこの国には人種問題などあり得ないという立ち位置をとるしかなくなってしまっている。それは外国人労働者などとはまた別次元の問題であり、国のアイデンティティに直結することでもある。
昭和はもうとっくに終わってしまったが本当は昭和のうちにケリをつけておくべき問題だった。
そんなことを考えながら、しかし、今ここにある問題として、法律や条約としてだけではな -
Posted by ブクログ
「ヘイト・スピーチとは何か」というよりは、「ヘイト・スピーチを法的に規制するにはどうすればよいか」といった内容だと思った。
そもそもヘイト・スピーチとは何なのか、ということを多角的に考察したり、その内実を検証するという本ではない。
あくまで著者は「他国と比較してみても、日本はヘイト・スピーチの現状にきちんと向き合っておらず、早急な対策が必要」だという立場で論じている。
しかし、著者がそう言葉を尽くすのももっともだ、としか言いようがない。日本におけるヘイト・スピーチ対策の現状はあまりにもひどい。たとえ著者の視点が多面性に欠けているにしても、この現状は日本社会の怠慢だといえるだろう。そして私もま -
Posted by ブクログ
自分用キーワード
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Posted by ブクログ
○京都朝鮮学校襲撃事件・備忘録
・2009年12月4日、事件発生。
〈刑事訴訟〉
・2011年4月、京都地裁、被告人らに侮辱罪で有罪判決(執行猶予)。
・その後、被告人のうちの一人が控訴するも、2011年10月、大阪高裁は控訴棄却。2012年2月、最高裁は上告棄却。
〈民事訴訟〉
・2013年10月7日、京都地方裁判所、在特会に対して約1226万円の損害賠償義務を認容。学校の半径200メートル以内における街宣等を禁止(本書のカバーしているのはここまで)。
・2014年7月8日、大阪高裁、地裁と同じく約1226万円の損害賠償義務を認容。学校の半径200メートル以内における街宣等を禁止。ただし、地