小川克彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
SNSやタッチ可能な高性能ゲーム機による社会構造の変化、そしてそれに伴うAKB48の登場は、恋愛というもののシステムを少しずつ揺さぶりつつある。その様相についての対談、およびパネリストによる論考をまとめた本。
これまた、『希望論』という本をきっかけに濱野智史さんに興味を抱き、卒業論文の参考文献探しを兼ねて読んでみた本です。
表紙が女子高生のちょっと扇情的な写真で電車内で読むのが恥ずかしかったです。駅員さん呼ばれたくないです(余談)。
表紙とは裏腹に、けっこうがっつりと2000年代以降の恋愛観がまとめられています。
主に濱野さん目当てで読んだので、そこら辺中心に。
濱野さん自身が猛烈なA -
Posted by ブクログ
しばらくITから離れた生活していたのですが、この度晴れて現代文明社会に回帰することになりました。んで、どっぷり浸かっちゃう前に一度客観的に通信メディアを捉えておきたいな、と思って、この本を読みました。
専門用語乱発で煙に巻くような本だったらやだなーと思っていたのですが、開けてみればその逆で、各時代に台頭してきた通信の機構と原理の説明は極めて簡潔でわかりやすかったです。というか、むしろ作者はその進化を促した、コミニケーションに対する人々の心境の変化を主題として扱っていて、それがなかなか新鮮。
でも考えてみれば当たり前ですよね。必要は発明の母というし、人々の需要、つまりこころが文明を象っているとい -
Posted by ブクログ
電話からデータ通信、インターネットに至る技術、サービスの変遷の紹介、SFCの学生の実態を紹介しながら若者のネットとの関わりの紹介、そして今後の社会とネットのかかわりについての考察という3部構成で、コミュニケーションとネットについて語られる一冊。
サービス、技術の変遷はともかく、実際の学生たちのTwitterなどの活用の実態の紹介は興味深い。
最後に、これからはネットでのコミュニケーションがリアルを包含していくという考察の上で、それでもやはりリアルなコミュニケーションへの渇望があり、それをネットが補完していくことでこれまでにない新たな社会が実現される可能性があるという論調は、目新しさはないかもし -
Posted by ブクログ
ケータイやネットの登場により、人と人との距離ははたして近くなったのか遠くなったのか?対面でのやり取りしかなかった時代は、それがすべてであり、他の選択肢というものが存在しなかった。しかしながら、技術の発達に伴い、相手との距離が縮まり(縮まったと感じられ)、時間を超えて連絡をとるのが容易になった。その一方で、目に見える日常の世界とは別のもう一つの世界が生まれ、そこでは本来の自分(もしくは偽りの自分)を形成することができるようになった。人とのつながりが狭く深くから広く浅くに変わり、これまでとは違ったコミュニティも形成されるようになった。つながりを支えるサービスも普及し、これまでにいたってきたわけでは