倉田幸信のレビュー一覧
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iPhone誕生までの舞台裏、原料の採掘から、部品の組み立て、UIやハードのデザイン、機能、そしてiPhoneが廃棄される場所までのストーリーが知れてとても興味深かった。
技術の集大成という表現が適切かはわからないが、いろいろな発明や検討の結果があのデバイスに詰まっていると思うと(そして今iPhoneで打ちこんでいるが)なかなか感慨深い。
一方で過酷な生産現場や、大規模な採掘や洗浄水が必要であることや、廃棄されたiPhoneの行き場など、地球環境にも影響があるのも事実だと再認識。
デザインストーリーの話では、「iPodを電話にするか、MacOSを携帯デバイスにするか」。Apple内の分断 -
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ESG、サステナビリティ、、、
企業の責任が利益追求だけだった時代はもう終わった。潮目が変わった。
それはデータで裏付けできる。
著者はそういう。
なぜか何回もミルトン・フリードマンが引き合いに出される。
「企業の社会的責任は利潤を増やすこと」ということばとともに。
私はフリードマンが大好きなので、ん?と思う。
著者は必ずしもフリードマンを否定していない。
企業がESGに取り組むことで、利潤が減る、という見方は既に古く、
ESGへの取り組みのスピード、量によって、利潤に差が出る、
経営者はそこを失敗すれば馘にもなる、
と言っているのだ。
正直ほんまかいな?と思うところもある。
物言う株主は、 -
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Posted by ブクログ
読む奇きっかけ、ロシアによるウクライナ侵略
世界が直面している問題に関心を向けられる内容
ヨーロッパの一国であるが、近年の独裁、侵略、分断の歴史がメルケルのスター性を自身に求めない人柄を作った
特に気づいた点
•外国目線で世界の歴史を振り返ると、日本など殆ど存在しない。
•プーチンの厄介さをヒットラー独裁の歴史と東ドイツで育ったメルケルはとても理解していた。
•目を引くような事はしないが科学者らしく、着実で正確な措置ができ支持されていた。
•先端分野でトップに立つ中国の脅威
印象的な章
シリア難民の受け入れ
国民の不安、反対の声が相次いでも受け入れる意志を貫いた、生い立ちとも深い関わり -
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【感想】
国連の「世界人口予測2019」によれば、世界人口は2030年に85億人、2050年には97億人、2100年には109億人に達するとされている。しかし、筆者のダリル・ブリッカーはこの予測に懐疑的だ。筆者は2050年に90億人で人口がピークに達し、その後は減少が続き二度と上昇しなくなると予想している。
この「人口はどんどん減っていく」という前提条件のもと話が展開していくのだが、筆者の主張の数々はあまりに暗く悲劇的だ。人口減少は避けられない運命であり、しかもそれを覆す手段は「ない」。高福祉国が出産奨励施策を実行しても、中東地域からの移民を受け入れても、はたまた若い国であるインドやアフリカ -
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メルケルのコロナ対応に際して国民に呼び掛けた演説に感動して、どんな人物か少しでも知りたいと思い、読み始めました。
東日本大震災の惨事から原発政策からの完全撤退の決断、ロシアの天然ガスパイプラインへの投資の決断、中国への経済的傾斜への舵取り、ユーロ危機に際してEU支援に背を向けるも、コロナ禍で財政疲弊したEU加盟の国への支援にフランスと共に財政負担を決断等、その時々のドイツやEU、民主主義陣営を守るべく行動の数々がまさにメルケルなのだと思います。
首相の仕事を「私の呪わしい努め」と表現する人物、「努力の人だったと歴史書に書かれたい」と語る人物、本書が言うには「名誉や功績より、結果を求める人物」、 -
Posted by ブクログ
メルケルの人生と政治家としてのスタンス、実績、他国との付き合い方が分かる本。
日本にいると、欧州のトップ同士の付き合いとか分かりにくいけど、よくそれが理解できる。
メルケルとプーチンは元警察国家出身だから、お互い理解(ただし共感では決してない)できるし、対ロシアとの交渉は、欧州、時にはアメリカも含めメルケルが対応することが多かったよう。
また、アメリカ大統領で1番信頼していたのがブッシュだったらしい。
同じ女性として、ここまで頭が切れて人生を切り拓き、だけど権力に溺れず、家庭を大事にする人は素直に尊敬できる。
勿論かなり良い方に描かれてはいるだろうけど、メルケルと統治下のドイツ政治を知る最適な -
Posted by ブクログ
著者をあまり意識せずに読み始めたので、誰目線?って感じが強かった。
今でも存命の方の、伝記的要素の強い本なので、どうしてもフラットな書き方はできないのは分かりつつも、賞賛する方の書いた本と言う雰囲気がダダ漏れだったのはちょっと残念。
ただ、日本人が、日本語で、遠いヨーロッパの首相を務めた女性のあゆみを知ることに於いては、決して内容的に劣るものでは無い事も確かです。
この本を日本に出版し、彼女について私たちが知る事はとても有意義な事でしょう。
彼女が引退し、ウクライナとの戦争が始まったのは偶然では無いと思います。彼女の力で今までくすぶりつつも戦争にまで発展しなかったんだと、この本を読み、強く思い -
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私達はメルケルの多くを知りません。
確かに、ドイツという欧州で重要な国の一つである以上、日本にいてもメディアを通じて触れる機会は多いです。
しかしそれはあくまで一政治家としてのメルケルです。ドイツ関連の本でメルケルに触れる記述をみても、その人物像に触れる記載はほとんどありません。メルケルは多くの自己顕示欲の強い、派手な各国のトップと異なり、プライベートを徹底して明かさない人でした。
そのためメルケルについて多くを知る、ということは困難なことなのでした。
本書はそんなメルケルについて多くを知ることができます。
牧師の娘として生まれ、冷戦下の東ドイツで育ったメルケル
抑圧された生活の中で自分を -
Posted by ブクログ
電気を読むに相応しくないと思いつつも、深く感動し、胸が熱くなる想いで読み終える。彼女が4期歩んだドイツへの想い、東ドイツ出身なればこそ、牧師の娘、科学者という幾つかの運命的なモチーフを痛感する。2021末で表舞台から去った彼女は最後まで謙虚の姿勢を崩さなかった。良し悪しの評価は無責任な後世へ委ねるとして、個人的には世界最高の女性指導者にリストアップされると思える。
伍した中でもプーチン、習近平は権威主義の権化、とても並では太刀打ちできないと思うし、一旦退いたとは言えトランプ主義の残影は残って何時牙をむくやもしれぬ。
最後の時間で「やっと」訪れたアウシュヴィッツ収容所、彼女の想いの片鱗に触れ -
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