貫成人のレビュー一覧
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ネタバレ・プラトンは全ての人にとっての理想は善のイデアと説いた。人に限らず、全てがよりよい状態を目指している。
・デカルトは我思う故に我ありで主観こそ万物の存在する基盤と説き、自律的に存在する自分は近代個人主義の基礎となった。
・カントは実践理性批判で定言命法として人類全員がそれを行なっても構わないことしかしてはならないと説いた。それをやると最後は自分が困る。
・カントは判断力批判で、大自然や宇宙の神々しさを経験することを崇高と呼び、ひたすら想像力を拡げられるとした。全体の流れを阻害するものがなく適切なものが然るべき場所に置かれた宇宙全体の合目的性の流れに乗ることができ、すでにある知識や認識を超えて自 -
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ネタバレやはり赤ちゃんには離乳食だし、病人にはおかゆなわけで。
いきなり哲学の硬いリンゴは食せないので、すりおろしリンゴにしてみた。
本著はカント哲学を端的にまとめた4コママンガで、大変わかりやすい。
カントによると、哲学の問いは
「人は何を知りうるのか」
「人は何をすべきか」
「人は何を望みうるのか」
の3つに集約されるそう。
特に「人は何を望みうるのか」では、いくら人間が鳥になりたくても鳥になることはできない。
しかし、飛行機に乗って旅行したり、鳥人間コンテストに出たりはできる。
つまり望めることと望めないことを区別して、何のために生きるかを考えることで、人生は随分違うものになる、という話に -
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ニーチェ以後の哲学は、「普遍性」や「本質」「真理」、そして「自我」などの概念が確固としたものとして存在するという見方をしりぞけ、それらがさまざまな社会的関係の網の目のなかで規定されていることを明らかにしてきました。ニーチェのパースペクティヴィズムや後期フッサールの生活世界の現象学、フーコーの系譜学やシステム論などの思想に、そうした新しい考え方を見ることができます。本書は、身近な文化現象のなかにある具体例をとりあげながら、そのような新しい哲学的な発想について論じています。
哲学的な「見方」によって、身近な文化現象がどのように見えてくるのか、ということがわかりやすく解説されており、哲学のおもしろ -
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ネタバレ★★★☆☆
少し前に哲学・思想の歴史的な流れを理解したいと思って入門として評価の高い本を3冊買った。
『哲学入門』『ヨーロッパ思想入門』と順に読んで本書がトリとなる。
3冊読んでわかったことがある。
どうやら哲学は向いていないみたい。
一冊だとたまたまその本が合ってない可能性があるので3冊読んだんだけど、どれもいまいち頭に入ってこない。
僕の場合、別に勉強のために読んでいるわけじゃないから興味がわかないなら無理する必要はないわけ……
なんだけど、なんか止められない、哲学や思想に惹かれる部分が自分の中にあるのだ!
実際、萱野稔人さんの著書なんかは『国家とはなにか』みたいな僕からし -
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私たちは、自分の当たり前から抜け出すことがなかなかできない。「無知の知」は非常に有名な言葉だが、実践は難しい。一人の人間が知り得ることには限界があると理解していても、やはり自分が身につけてきた認識や思考の枠組みにとらわれてしまい、知らないという状態そのものに気がつかず、過ちをおかしてしまうことがある。
自分にとっての未知を発見し、新たな知識や経験を得ていくために、問いを立てるという方法が一つあると思う。日常考えもしない事について、なぜだろうと考えてみる。幸運にもうまく問いを立てることができれば、自分が答えられるかどうかで、自分の無知に気づくことができるかもしれない。
本書にあるように、哲学 -
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古代ギリシャから現代哲学までの西洋哲学の流れを総まとめしてくれている。東洋思想にも触れられていて、日本人である私にとって、とても受け入れやすい解説だった。
入門書であるが、前提知識を全く持たない人よりも、ある程度、各哲学者やその思想の知識を持っている方に勧めたい。
点であった知識がつながり、線の知識になる。線と線が交差し、発展することで、自分なりの哲学マップが形成される感覚を味わうことができた。
まだまだ、未開の地は多くある。
知識も浅いものばかりだ。
新たな知識を開拓し、今の知識をさらに深くする。
そして、より立体的な、哲学マップを形成していたいと思う。 -
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[ 内容 ]
われわれは、ある限られた状況からの眺め・考え・感覚をたやすく真理ととりちがえてしまう。
この病いを癒すためにもっとも有効なのが、ニーチェにはじまる二〇世紀の哲学にほかならない。
真理の相対性を明らかにしたニーチェ、その生成メカニズムを分析したフッサール、われわれが真理をいかに生きているかを問い直すメルロ=ポンティ、そして、権力との共犯関係を暴くフーコーを軸に、さらに分析哲学の真理観までを紹介。
現代哲学の、そして、われわれが生きることの入門書。
[ 目次 ]
第1章 真理の脱価値化-ニーチェ(“眺望固定病” 力への意志 “自我”“真理”“実体”)
第2章 真理の生成-フッサール