手塚富雄のレビュー一覧

  • ツァラトゥストラI

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    「神は死んだ」で、市中に根を張る既成の(まやかしの)価値観からの脱却を叫び、「超人たれ」でローリングストーンな生き方をすすめる。この本は現代でも十分示唆に富む。

    しかし、もしツァラトゥストラ(すなわちニーチェ)の語りがすべて終わった後「あなたの説はごもっともです。それでは次に、あなたの説を聞いたうえで感じた私の説を聞いてください。」とニーチェに語りかける機会があったとしても、ニーチェは絶対にこちらの声に耳を傾けはしなかっただろう。それほどに本書は注意して読まないと、一方的にその内容に飲み込まれる恐れがある、と感じた。

    この本が世に出てから年月を経た現在では、一気に通読しなくても適当に合いの

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    2015年11月10日
  • ツァラトゥストラI

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    ネタバレ

    高校生の時にこの本に出会って、人生変わりました。マジで。ニーチェを読まなければ大学へ行く事もなかっただろうし、ドイツ留学までして哲学を学ぶ事はなかったと思います。それほど、大きな影響を受けた本でした。今では考え方も変わり、ニーチェへの関心は薄れてしまいましたが、ここを原点にいろんな分野に派生し、今に至るのだと思います。
    ぜひ、一読を!中公クラシックスシリーズは丁寧に編集してあり、読みやすく入門にもおすすめですよ。

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    2011年07月26日
  • ツァラトゥストラI

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    高校時代、社会から疎外されたときに読んだ書。

    冒頭に「毒を以て毒を制する」という内容があったと思うが、まさにこの本自体が毒である。

    毒を飲んで「単なる見下し屋さん」になるか「真の意味でのエリート」になるか、それが問題である。(僕自身もその境界線に立っていると思う)

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    2010年06月15日
  • ツァラトゥストラI

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    僕は本書の中の「友」という項が好きだ。
    自分が「友情」というものに対して漠然と考えていたことを、ニーチェ特有の

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    2009年12月23日
  • ツァラトゥストラI

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    わたしが持ってるのは岩波版だけど、表紙が可愛いのでこっちにした。小説というか散文詩のような感じ。オープニングの綱渡り師が落下するあたりなんて、ホドロフスキーのディレクションっぽい映像が浮かぶ。

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    2009年10月04日
  • この人を見よ

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    今まで感じたことがないような凄みを感じました。難しくて分かりにくかったというよりもニーチェ氏の考えについていけなくて分かりにくかったです。おいおいとツッコミたくなるような部分も多いので信じるか信じないかは読んだ人次第だと思います。

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    2021年11月07日
  • ツァラトゥストラII

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    そんな時に読んだニーチェは僕を鈍器でぶん殴ったようだった。

    ニーチェとのコミュニケーションで僕が学んだことは以下のことだ。

    現生に希望をもてるよう向き合うことが人生だ。

    虚栄心ではなくよく生きようとする情熱に生かされなさい。

    しょうもない歴史が繰り返し、自分もその歴史の一部分だとしても、そのことを真摯に受け止め、そしてそれを超克しようとする人々を超人という。

    かなり恣意的な解釈も含まれるが、こんな感じである

    ニーチェの言っていることの9割は理解できていない、しかしその1割を理解するだけでも人生に大きな影響を与えるニーチェはやはり偉大なのだろう。

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    2014年12月26日
  • ツァラトゥストラI

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    長い旅に出るとき、僕は哲学書を持っていく。
    それは怠惰な自分が哲学書に向き合える唯一の機会だからである。

    ドイツからポルトガルまでの流浪の一人旅、通じない言語、スカスカの財布と相談するたびに、僕は本を開いた。

    ニーチェは雄弁だった、それが一人旅の自分にはすごく心地よかった。

    つい最近、宗教の持つ意味を深く考える機会が多かった。
    それは身の回りの変化や将来に対する漠然とした不安に根差したものだった。

    下巻書評につづく

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    2014年12月26日
  • この人を見よ

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    この自叙伝が書かれたのは、ニーチェが44歳のとき。この年が彼の正常な精神活動の最後の一年だったらしい。
    彼の精神活動の最後に遺されたこの自伝は、ニーチェの思考と著作の全体について自ら細かく解明していく構成になっている。
    シニカルな余裕に満ちた箴言、大上段から一気に振り落とす傲慢な名句に心踊るニーチェ好きには、目次からどストライクかもしれない。
    ・なぜわたしはこんなに賢明なのか
    ・なぜわたしはこんなに利発なのか
    ・なぜわたしはこんなによい本を書くのか
    言うまでもなく『この人をみよ』の「この人」とはニーチェさん自身のことである。

    とはいえシニカルな余裕というよりは、自己欺瞞にすらも目を背ける、傲

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    2013年09月09日
  • この人を見よ

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    「なぜ私はこんなにも利発なのか」のような見出しからもわかるように自らを人類史上希有な、旧来思想の転覆者として語る自伝的文章。堂々とした文体が魅力的だが危険でもある。

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    2013年04月08日
  • この人を見よ

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    数年前から、超訳ニーチェがちょっとしたブームだけど、最初に手を出したのが本書。

    阿部六郎訳で旧かなの新調文庫版。まだ平成になる前、世の中、バブルで浮かれてた。

    バブルにも乗れない僕には、あまりにも強烈すぎた。

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    2013年01月28日
  • この人を見よ

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    ニーチェが発狂する1888年の前年の秋に書かれた。
    題名のラテン語“Ecce homo”は新約聖書『ヨハネによる福音書』19章5節から引用されてる。
    各章の表題が笑わせてくれる。
      ◆なぜ私は、こんなにも賢いのか?
      ◆なぜ私は、こんなにも利発なのか?
      ◆なぜ私は、こんなにも良い本を書くのか?
      ◆なぜ私は、一個の運命であるのか?
    もー、この表題見ただけで、好きになった。
    だって、おかしい。
    笑わせようとしてる?
    これを書いたとき、すでに狂い始めてたのでは?と考える人もいる。
    でも、たしかに彼は「こんなにも良い本」を書いた。
    彼の苦闘し続けた人生を、こんなふうに表現できるなん

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    2017年03月15日
  • この人を見よ

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    ネタバレ

    何をそんなに思いつめているのか、という印象しか受けない。彼は哲学者であるらしいが、詩人でもあり、狂人でもあろう。
    たまにこういう哲学者が現れるのかな、とも思う。今までの哲学にすべて絶望して、罵っている。まあ、分からなくもないが、破滅的思考は身を滅ぼす。もっともこれは彼の最後の作品であるので、他を読んでみないことには彼への評価も断片的でしかない。

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    2012年08月18日
  • この人を見よ

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    ニーチェ自身がニーチェについて語る。書名の「この人」とはニーチェのことであり、当時世間から理解されることが少なかったニーチェが「(愚民ども)この私を(もっと)見よ!」と言っている。(笑)
    「解説」を読むとこんなにも深淵な大望が記されているのかと思いをいたすが、普通に読んでいると随所で笑いがこみあげてくる。(笑)
    章立てをみると、
    「なぜわたしはこんなに賢明なのか」
    「なぜわたしはこんなに利発なのか」
    「なぜわたしはこんなによい本を書くのか」
    といった感じでこれだけでも抱腹ものだ。(笑)
    「ひとにわたしのことを悪く思わせる技術を、どうしても身につけることができなかった」ニーチェさん。(笑)食べ物

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    2012年03月03日
  • この人を見よ

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    ひゃっひゃー(・∀・)
    おもしろすぎたww
    真剣に「なぜ私はこのように賢明なのか」
    「なぜ私はこれほど利発なのか」
    「なぜ私はこのようなよい本を書くのか」

    電車の中で笑いをこらえるのに必死でした。
    この1,2週間電車で乗り合わせたたくさんの人の中でまさか19歳の女の子がニーチェ読んでると思った人はいないだろう。

    途中からの著書の解説は元の本を読んでないのでよく分からなかったけど、一貫してたのは

    ドイツ大っっっ嫌い!!ヽ(`д´)ノ
    「飛びきりドイツ軽蔑者と見られることは私の野心でさえある」

    どんだけ嫌うねん(笑)
    よくもここまで嫌いである理由を書けるなぁと感心するほどです。
    ドイツ生ま

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    2011年10月23日
  • ツァラトゥストラII

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    ネタバレ

    本書には第3部から第4部が記載されている。

    第3部は、洞窟に帰る道すがら、自身の行動を振り返り、
    永劫回帰の思想を完成させるまで。

    振り返りということもあり、第1部、第2部で言及したことを
    ツァラトゥストラ自身が解説している感じになっている。
    よく、ニーチェを自己啓発本に仕立て上げたものがあるけど、
    たいていはこの三部からの引用が多いと思う。
    確かに処世術のように取れる言説が多いけど、
    あくまでもニーチェが目指したのは超人であり、
    人間とは乗り越えられるべきあるものに過ぎない。
    むしろまったく逆のことを言っていることもあったりして、
    あまりその手の本は読む気がしない。

    永劫回帰については

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    2011年08月01日
  • ツァラトゥストラI

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    ネタバレ

    主人公であるツァラトゥストラが人々に自身の超人思想を
    説いて回っているうちに永劫回帰という真理を見つける
    という物語風作品。
    ニーチェの代表的な作品。

    ツァラトゥストラは好きで何回か読み返しているが、
    読むたびに新しい発見があって面白い。

    そもそも、ニーチェを初めて読んでみようと思ったのは、
    発狂時の逸話がすごく印象的だったから。
    同情を毛嫌いしていたニーチェが鞭打たれている馬を助けようとして、
    そのまま昏倒し狂気の世界に入ったといわれる逸話。
    本当かどうかわからないけど、確かドストエフスキーの「罪と罰」に
    似た場面があり、それを日本の作家がエッセイで書いていたのを
    読んだのがきっかけだっ

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    2011年07月19日
  • この人を見よ

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    ネタバレ

     『なぜわたしはこんなに賢明なのか』、『なぜわたしはこんなに利発なのか』、『なぜわたしはこんなによい本を書くのか』など「なぜ~」シリーズと『ツァラトゥストラはかく語りき』、『善悪の彼岸』など各著書の解説文を収録した本。

     この本でも人々のルサンチマンの温床となる「道徳」を捏造してきたキリスト教に矛先を向けて筆を揮っている。これを読むとニーチェがやたらとポジティヴ志向であることがよくわからない。

     「出来のよい人間は、堅くもあるが、同時に弾力性をもってよいにおいのする木で彫られているということ、これがその目安である。」という一節を心に留めておきたい。

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    2011年06月19日
  • この人を見よ

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    ニーチェという人は人は非常に高慢というか、自信過剰というか、毒舌なオッサンなのですが、それが逆に人間臭くて、そう言う所も魅力なのでは無いかと思うのです。しかし、これを出版しようとした事自体が凄いと思う。
    もう、これを書いた時点で少し狂乱な状態だったのかも知れないけれど、所々、ジャックナイフ的にハッとさせられる
    セリフがあったりします。

    個人的には「死後にも残る作品を生み出すには、その作品を創造している間に何度も死ななければならない」という言葉が印象に残りました。つまりはそれぐらいの苦労が必要だという事だと。でも、結局の所、言い訳ばっかりなんですよね。なんで、俺を認めてくれないんだ!!…って言

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    2009年10月07日
  • ツァラトゥストラI

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    大好きなニーチェの名作。

    P130

    ・「女が愛するときには、男はその女を恐れるがいい。アイスふとき女はあらゆる犠牲を捧げる。そしてほかのいっさいのことは、その女にとって価値を失う。」

    ・「女はどういう男を最も憎むか。」
    ーお前が私を引きながらも、ぐっとひきよせて離さぬほどには強く引かないからだ

    ・男の幸福は「われは欲する」
     女の幸福は「かれは欲する」

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    2023年10月06日