マーティン・セリグマンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
セリグマンの10年ぶりの新作。
前半は、セリグマンのいろいろなエピソードが紹介されていて、「私はどうしてポジティブ心理学者になりしか」的な自伝みたいな要素もある。とくに映画「フィールド・オブ・ドリームス」を紹介しつつ、callingについての話しは感動した。(その後、映画を見直してみて、涙、涙)
後半は、前著からの研究の進展を紹介する感じ。やや、話しが難しくなるのと、まだ進行中の研究もあって、ちょっと面白さは落ちるかな?が、今、ポジティブ心理学がどういうところに向かおうとしているかはよく分かる。
セリグマン自身は、悲観的な人で、「幸福」とはちょっと遠いのだけど、そういうなかでも、単に、well-beingを研究するだけでなく、自身のwell-beingを目指して、頑張るところが、なんか、感動なんです。自己承認感のベース的な値が低い私としても、とても共感します。
そして、セリグマンが、happinessではなくて、well-beingを目指すというところ。そして、それは一時的な、そのときそのときのwell-beingではなくて、継続的なwell-beingつまり、本書の原題であるflourishなんですね。
個人の幸福度は、遺伝的に65%は決まっているのだが、だけど、well-being⇒flourish、つまり持続的な人生の充実感といったものを目指すこと自体が、flourishなんだ、みたいなメッセージがじわっと伝わってくる。 -
Posted by ブクログ
邦題が恥ずかしい感じなのは何とかならんのかなと思う。本が売れるようにとの狙いなのはわかるが、出版社はもう少し読者の知性を信じてもいいんではないか。
内容としては、心理学の研究成果の紹介という観点から見ておもしろいが、果たしてこの邦題をみて買う読者の期待に添えるかどうか…。
ただ、後半に関しては題名どおりイケイケな感じ。著者は楽観的になることは万能ではないとはいいつつも、楽観的になることの大切さを一ミリも疑っていない。どんなに罵倒されても次々に勧誘の電話をかけられる保険のセールスマンが、果たして幸せなのかどうかはわからない。
本の最後にいささか唐突なタイミングで人のために何か行動すること、人の幸せを願うことを読者に勧めていることは興味深い。著者がこれを「モラルジョギング」、つまり楽しくはないけど、必ず自分に返ってくるという何とも鼻につく表現をしているが、成功者にありきたりの「慈善」かと思いきやその内容は自己満足に陥らぬよう、行為そのものが目的化しないように、自らを厳しく律するものだ。著者が気づいているかどうかはわからないが、利他的で目的本位な生き方に救いがあると言っているように思える。これは20年前の本だけど、その後著者の考えがどうなってるか、興味を惹かれた。
個人の魂を救済し、世界を破滅から遠ざけるのは利他的行為であるという当たり前の事実に私たちはたどり着こうとしているのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ポジティブ心理学はあまり興味がなかったということもあって,まじめに勉強したこともなかったし,そのつもりも無かったのだけど,キンドルでセールになっていたし,セリグマンの著書だったので試しに買ってみた。
思いの外面白く,すごく読みやすい。内容も思っていたほどポップなものではなく,結構学術的な内容になっていて読み応えもあった。
結構古い本だったのね。元々のタイトルは"Learned Optimism"だったと思うのだが,なんでこんなへんてこな邦題にしちゃったんだろうか。それと,引用文献などもまったく示されていないのがちょっと残念だった。この本のなかで調査途中のものがいくつか紹介されていたけれど,どのような結果になったのか気になるところ。別の書籍のなかで報告されてたりするんだろうか?
姉妹本的なものもあるみたいだが,邦題がやっぱりへんてこなので,あまり読みたいという気持ちが湧いてこない。