佐藤百合のレビュー一覧
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インドネシアに関して非常に内容の濃い良書だと思います。ぜひこちらのカンボジアミャンマー版も欲しいです。以下備忘録。
2011年5月インドネシア経済開発加速拡大マスタープラン
➡インドネシアが目指すべき将来像
グローバルな食糧安全保障の基地であり、農業、農園、水産業の各産品と鉱業エネルギー資源の加工センターでありそしてグローバルロジスティクスセンターであるインドネシア
➡国内大資本はパーム油や石炭輸出の担い手。一方重工業からは足を抜きつつある。オランダ病現象。
➡新興企業家 ハイルル タンジュン
パラグループ
➡ 2004年に民主主義を確立する。政治体制の安定。
2030年かけてインド -
Posted by ブクログ
一度はBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)に、もう一つの「I]を加えるかとまで云われたが、スハルト政権以後の民主化のうねりでインドネシアは混沌とし(赤狩りで大虐殺があった)、結局経済発展をする機会を逸してしまったインドネシア。今ではVISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)の1つとして数えられる。
インドネシアは二億人を超える人口大国であり、東西の広さはアメリカ合衆国を超える広さを持つ。またイスラム教国として有名であるが、キリスト教やヒンズー教、仏教も抱える多民俗・多宗教国家である。それが故のコンセンサスによる政治がなされ、今では日韓台に続く民主国家であると -
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ネタバレJETROアジア経済研究所の方が書かれています。
やはり,政治,自然災害,治安問題,環境問題,金融市場など,条件と役者は,
組み合わせとタイミングが重要であると感じた.
インドネシアにおいて,これからの10年,20年がどのように変化するのか,
長期的な成長と安定にむけて,どのような努力を今インドネシアが重ねているのか,
ここに到るまで,どのような足跡があったのか.
非常に精細で,とてもよくインドネシアのいまがわかる本だったと思う.
スハルト時代のインドネシアに関する本(20年弱前のもの)を読んだ後だったので,
変化するインドネシア,という印象が非常に強く残りました. -
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佐藤百合著「経済大国インドネシア」中公新書(2012)
リーマンショックの後2009年秋、欧米の格付け会社がインドネシアの持続的成長能力と財政的安定を評価し、国債の格付けを引き上げた。以来、インドネシアの有望性は世界が注目することとなった。世界代4位の2億4000万人近い人口と豊富な資源を背景とした潜在的な国力は、2004年、ユドヨノ政権になって以降の政治的安定によって、さらに強固な成長要因となっており、中国、インドに続く、アジアの大国へと成長している。
*インドネシアの有望性をいち早く発券したのは、証券市場関係者であった。2009年6月、モルガンスタンレーは『BRIC'sにもう1 -
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ネタバレ日経新聞の紹介で購入。著者の佐藤百合氏は上智⇒インドネシア大⇒アジア経済研究所。
感想。日本人のビジネスマンが知りたい今のインドネシアのことをわかりやすく教えてくれました。あとがきのコメントの通りです。今までインドネシアのことは、イスラム過激派や東ティモール独立のこととかで、行くのはとても考えられないを思ってましたが、そうじゃないんだよ、と気づかせてくれる本でした。
備忘録。
・大国だ⇒人口、資源、国土(海洋も含め)、貿易拠点になりえる
・人口ボーナス⇒(生産年齢人口÷総人口)で計算される比率が上昇される局面。生産物が国の成長に充てられる成長期。でも増加する生産年齢人口が雇用と結び付かないとむ -
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最新のインドネシアを俯瞰する良書。
スハルト以降の経済面におけるインドネシアの歩みを、政策・市場・要人といったポイントから多面的に解説している。
インドネシアの成長が人口ボーナスの恩恵によるものであることは広く理解されているところではあるが、その負の面として6%以上の成長を達成しないと労働人口を吸収しきれない、という点はインドネシアのマクロ経済を観察する上で重要な点だと思う。
第6章において産業界のキーマンについて記述されているが、華人が大半を占める点に驚かされる。この点についても、歴史的・政策的背景が記されているので理解が進む。
一方、広範なインドネシアの各地域性についての記述は第2 -
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インドネシア経済の専門家によるインドネシア経済論。インドネシアが今後経済的に有望であることが論理的に述べられている。インドネシアの学生論文を取り上げ、日本の占領時の残虐さや従軍慰安婦を問題視しているところ(p231)は、中韓によりでっち上げられた米国内の論調を根拠にしていると思われ、真実ではないと思われる。
「インドネシアの人口ボーナス期間は、タイ、韓国、中国やベトナムよりも長く、2030年まで続くと見られる」p36
「インドネシアの外交戦略に特徴的なのは、特定の大国の影響下に入らない、二大グループのいずれにも与しない、という思考法である」p95
「(インドネシアの渋滞が激しいことから)一日