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シェークスピアより昔に世阿弥がいた。「わびさび」の走り、世阿弥がいた。庶民の代表者である芸能者が、国を、社会を変える! 世阿弥こと鬼夜叉は、父親・観阿弥の命令でとりあえず舞っている美少年。観阿弥が頭をつとめる人気の一座・観世座に所属しているが、何故舞う必要があるのか常に疑問に思っている。そんななか、ある小屋で、貧弱な体と枯れた声、下手な動きで舞う女を見かけた。いいはずないのに、その姿に鬼夜叉は「よさ」を強く感じたのであった…。「身体」を武器にした中世ダンスレボリューション、開幕!!
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表紙に惹かれて購読
冒頭から主人公の思考描写が多いのが印象的。端正な絵柄と一つ一つ丁寧に描かれたユニークな表情、世阿弥の成長模様が面白い。
ーあらすじー
舞台は室町。主人公は後に世阿弥として世にその名が知れ渡る少年・鬼夜叉。観世座の座頭・観阿弥の下に生まれ芸を仕込まれてきたが、鬼夜叉には芸の良さが分からぬ。鬼夜叉が様々な人に出会い経験を積む中で新しい「気づき」を吸収し、舞を極めて猿楽・後の能楽を大成させる物語。
Posted by ブクログ
己の体の内に棲んでいるなにか。その、なにかを抑えきれず、心をたぎらせ、衝動のままに、そこにある。
といったぐつぐつ想いがあるのだと思うのですよ、世阿弥少年には。
それがなにかの拍子に表に湧き上がってくるのが、名もなき白拍子への手向けの舞で、その後の入り混じっての舞だったのか。
世界が狭いのならば広げてやる。
それは自分の居場所を作るための決意。ここでいう広げるとは、おそらく作り替えると同義なのでしょう。
体の内に、心の内に、棲んでいるなにかの存在感、それから感じてしまう熱とは隔絶した冷静さ。
世界を観るように、自分自身も観ているからか。無邪気ゆえの邪気みたいな怖さがある。
己の内の衝動に突き動かされ、何らかのジャンルで時代を変えてしまったという人間という点で、読んでいる自分に、こうであって欲しいという期待のテンプレみたいなものがあります。それと食い違いがあるので、むずがゆいもどかしい。
ただ、魅力的ではある。惹きつけられてはいます。
あれだ、プラネテスのロックスミスに似てる。彼は、世界との共存よりも、自分の執念を優先させる方を選んでしまった人間。ああなってしまうのか。あれは憧れではあるけど、しんどいんだよなぁ。
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