尊厳 その歴史と意味

尊厳 その歴史と意味

「尊厳」は人権言説の中心にある哲学的な難問だ.概念分析の導入として西洋古典の歴史に分け入り,カント哲学やカトリック思想などの規範的な考察の中に,実際に尊厳が問われた独仏や米国の判決などの事実を招き入れる.なぜ捕虜を辱めてはいけないのか.なぜ死者を敬うのか.尊厳と義務をめぐる現代の啓蒙書が示す道とは.

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尊厳 その歴史と意味 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2021年06月06日

    まあごくふつうな感じ。やっぱり役に立たない概念なのではないかと思うが、この手の話が手に入りやすい形になってるのはとてもよいことだと思う。いまどきの若手中堅の倫理学者の先生たちが名前をあげる人々が勢揃いしているので、そうした人々と国内の研究者がいったいなにを議論しているのかを一般の人に知らせるという意...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月08日

    日本語版への前書きにあるように、キリスト教が根本にあり、さらにカントについての批判的考察を行なっている。小人投げを禁止した行政について、投げられる人の尊厳ではなく、主催者の行政で禁止された人の尊厳を保つことなど、すこしおかしいところがある。

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    Posted by ブクログ 2021年06月23日

     「尊厳」をめぐる西欧の歴史をわかりやすく解説。特にカントの考え方、カトリックの考え方、ドイツの基本法の考え方の違いなど興味深かった。
     結局、著者は、尊厳の意義として第4の道「人間としての敬い」を選択する。自分を含めた人を「人間」として敬うことが尊厳とする。それこそ、カント、カトリック、ドイツの基...続きを読む

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