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日本の行政は、突発事態への臨機応変な対応を得意としていない。そこへ想定外の新型コロナウイルスの世界的流行がやってきた。行政は不具合に陥り、国対自治体の構図に象徴される非難応酬が起きている。内閣に権力を集中させて危機管理に当たるかに見せて、それは空想の「災害行政組織」と迷走の「災害行政対応」として閉塞に陥る。民衆にとって行政のコロナ対策自体が禍いとなっている苛政の現状を分析し、現状の権力集中の願望に代わる、地道な災害行政のあるべき姿を考える。
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Posted by ブクログ
コロナ禍だけでなくコロナ対策禍の影響がはっきりそしてより深刻になっている今だからこそ読むべき本である。 感染症対策を災害対策として扱い、集権型で対策を行うことの弊害が示されており、日々進行する現実と照らし合わせた時、かなりの説得力を持つ。 現実には前のめりに集権的に対策することが民衆やメディアから求...続きを読むめられている状況であり、コロナ対策禍からの脱却は政治・行政ではできないことが歯痒い。
コロナ禍にまつわる現在の現象に、とにかく名前がつけられ、整理・分類がされている。「あるある」感はある。また、構造的にどうしてこうなってしまったのかがわかり、「あぁ・・・」という感じは得られる。 状況に当てはめた納得感はある。ただ、「それでどうすればいい?」というのは、現象を分類して名前をつけても答え...続きを読むが出るものではない。どの対策も、一長一短である。 たとえば、この本では最後に、目指すべき方向性の一つに「包摂」を挙げている。感染者等は徹底的に保護すべきであり店名や行動履歴等を公表すべきでないというが、濃厚接触者を特定し、感染のおそれがあるグループを把握するのは、当事者と第三者両方の安全に有益なことは否定できないと思う。 他に挙げている3つのポイントが「無力」「社会」「実務」。無力であることを認め期待しない(失敗しても仕方ないとおもう)、広域移動をしないで適度の範囲で暮らす、実務にがんばってもらう。 正直、どれもあまり響かない。「しょうがないよね」と言われても。出かけたいよ。どうやったら実務にがんばってもらえるか、その方法論が問題。 結局は、未知の事態に対しては、できることをやって、チャレンジし続けるしかない。
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コロナ対策禍の国と自治体 ――災害行政の迷走と閉塞
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金井利之
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