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ロボット戦争から七年。その現場だったあゆみ地区で暮らす少年マドは問う。人の「心」ってなんだろう? 書下し長篇SF。 AIの暴走に端を発したロボット戦争から七年。その現場だったあゆみ地区で暮らす少年マドは、五つ年上のお騒がせ女子サクラから投げかけられた「心ってなんだと思う?」という疑問に悩んでいる。里親の千晶がかつて試作した、心をもつといわれるロボット千鶴の行方を探せば、その問いに光を当てることができるのか――? 奇想溢れるアイデアSFにして、瑞々しい感動を誘う青春小説。
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Posted by ブクログ
あんまりSFっぽくはなかったです。 千鶴とサクラがとっても哀しい。 ツルちゃんが愛おしい。 機械に感情移入するのも心なんですかね。
無人工場のロボットが反乱を起こすところから始まるお話で、突き詰めると心って何だ?って行くお話です。 SFではありますが、とてもアナログな生活を送る少年が主人公で、これはSFの姿を借りたモラトリアム小説です。なので、ロボットとかAIとかを期待して読むと外すかもしれません。
どれも近未来SFとは思えない、昭和の頃の下町人情物みたいな雰囲気が特異な一本。こーゆーのがジャンルの持つ巾なんだろう。 背表紙の惹句から判断すると、ターミネーターの後日譚みたいなものを連想してしまいそうだが、ロボットの反乱はあくまでも後景で、コアになるSF的ガジェットは〝分水嶺〟と呼ばれるもの。こ...続きを読むれの周囲では確率が歪み、例えばコインを千回投げたら表の目が502回出る。こんな僅かなひずみでも長いでも見れば、というので、これが闇取引の対象となって、それをまつわるあれこれが物語を動かすエンジンになる。 〝分水嶺〟の原理についての説明は一切なされないが、登場人物の言葉として、誰かが運命に抗ったとき、捻じ曲げられて怒った運命が、反抗を長い目で見てチャラになるよう、反対にねじ曲がった運命を生み出すのだ、というようなことが語られる。でここから、運命を換えられるのが人だ、というような議論が出てくる。この辺りは興味深いんだけど、お話としてはやっぱり少し華がないかな。
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