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Posted by ブクログ
テクノロジーの社会実装の方法論は、企業の研究者が新規技術を提案、開発、導入する際にも役立つと感じた。
特にセンスメイキングの章が役立ちそう。現状のセンスメイキングとインパクトのセンスメイキングにより課題のセンスメイキングを行い、それから、解決策とテクノロジーのセンスメイキングを行う。人によって現状の認識は大きく異なるため、現状のセンスメイキングも必須であるということが新たな気付きだった。
センスメイキングの手法としてナラティブ、リフレーミング、参加型の取り組みが印象に残った。特に「リフレーミング」について、風営法の改正を、ダンスクラブの営業時間緩和から、夜の経済圏によるインバウンド需要の取り込みにリフレーミングしたことで賛同者を集めたという事例が印象的だった。ほかに「参加型の取り組み」で述べられていた「他人の行動を変えたければ、その人に対して主体感やコントロール感を与えるべき」という主張は、コーチングの分野でも聞いたことがあったため印象に残った。
Posted by ブクログ
テクノロジーの社会実装ではなく、テクノロジーが生み出す新しい社会、すなわち未来の実装という視点。
体系立って整理されていてわかりやすい。
◯背景と必要性
・大きなトレンドとして、今はデジタル技術のデプロイメント(展開)期
・テクノロジーによって、業種がアンバンドリング、リバンドリングされる。全てにデジタル技術を前提とした業界構造が変化する。
・業法の改正が必要であり、政治との接点が出る。
・社会貢献と営利活動、規模が同時実現できる。
・ロジカルシンキング、仮説思考、デザイン思考(問題解決)から、イシュー思考、アート思考(問いの立て方)が求められ、インパクト思考(良い問い)につながる。
・インパクトと政治との関わりで、ソーシャルセクターのアプローチを逆輸入する。
・ゼロイチの社会起業と、1から10への規模拡大の政策起業が必要
◯「社会の形」も同時に変わっていかなければ、その技術のポテンシャルを活かすことはできない
cf.蒸気機関から電気の社会実装
◯成熟社会における社会実装の課題
・課題の量が少ない
・理想の提示が難しい
・技術への信頼が、メリット・デメリット両面
・ニーズの多様性が高い
・新システムから得られる便益が比較的小さい
・新システムで損をする関係者が多い
・制度の変更が困難 ☆経路依存性
◯社会実装の4つの原則と1つの前提
1最終的なインパクトと、そこに至る道筋を示している
2想定されるリスクに対処している
3規則などのガバナンスを適切に変えている
4関係者のセンスメイキングを行なっている
+デマンドがある
×SISP: Solution in search of a problem
×「単一」かつ「最新」の技術で解決できる問題を探しがち
<インパクト>
・「長期的な」成果に目を向けることで、短期的な費用便益のバランスの合わなさを補填できる
・理想がなければ、課題もない。理想に当たるのがインパクト
・目指すインパクトに辿り着く道筋=ロジックモデル
◯ロジックモデル
・インプット/リソース:投入する資源(資金、人材、知財、技術、文化等)
・アクティビティ:プロセスや事象、行動
・アウトプット/実装:製品やサービス等
・アウトカム:製品やサービスによる個人や環境の変化・効果
・インパクト:成果がもたらす社会的な変化や効果
<リスク>
◯リスク分類
1リスク:
有害事象の発生結果の知識定まっている/発生確率の知識定まっている
2不確実性:
有害事象の発生結果の知識定まっている/発生確率の知識定まっていない
3他義性:
有害事象の発生結果の知識定まっていない/発生確率の知識定まっている
4無知:
有害事象の発生結果の知識定まっていない/発生確率の知識定まっていない
◯ASARP:as soon as reasonably practicable
<ガバナンス>
◯ガバナンスの定義:
関係者や関係するモノの相互作用を通して、法律(制度)や社会規範、市場、アーキテクチャなどを形成・変化させることで、効率・公正・安定的に社会や経済を治めようとするプロセス全般のこと
◯ガバメントからガバナンスへ
・グローバリゼーション、小さな政府、市民参加、不確実性の高まり、ガバナンス対象の広がりが背景
◯法律(制度)とビジネス
・健康診断制度と内視鏡技術市場の成長
◯アーキテクチャ
・ソフトウェア・インターネットの登場でより活用されるようになる
・ナッジ
<センスメイキング>
①アイデンティティに関わる
②回顧的である
③有意味な環境をイナクト(制定)する
④社会的である
⑤進行中である
⑥手がかりが焦点となる
⑦正確性よりももっともらしさ
・正確性よりも当人にとってのもっともらしさが重要
・決して誰かが一方的に与えるものではなく、関係者と一緒に共同構築していく
→徐々にその方向を一致させていく意味付けのプロセス
◯解決策とテクノロジーのセンスメイキング:解決策の導入によるアウトカムから説明を始める
◯ナラティブ・アプローチ
・行動変容を促す:ポジティブが有効
・現状維持を促す:ネガティブが有効
◯リフレーミング
例)ダンスクラブの規制緩和
× 風営法改正(だけの議論)
◯ナイトタイムエコノミーをどうするか
◯プロトタイプ
◯オーバーコミュニケーション
<社会実装のツーキット>
Posted by ブクログ
技術決定論に陥ることなく、社会との相互作用において技術の実装を図るために必要な4つの観点について解説している。また、それらの観点をより深めていくための”ツール”として、10個のtipsを巻末に用意している。
4つの観点(インパクト・リスク・ガバナンス・センスメイキング)について、一見横文字だらけで分かりにくく感じられるかもしれないが、それぞれの章で明確に本書なりの定義が与えられている。また、定義については、各種レビュー論文等を踏まえた上で本書なりの定義を与えている点は、知的に誠実な態度であると感じた。
各章では、4つの観点についての理解を深めるための事例、具体的な適用方法について、時事的な話題も踏まえて記載されている。
また、巻末のtipsでは更に多様なフレームワークや昨今の事例を詳細に紹介している。
全体を通して、記載が明瞭であるだけでなく、各分野や領域の主要な図書・論文を適宜参照しているため、信頼性のある主張が展開されている。
ずっとこういう書籍が読みたかったので、大変嬉しく、満足している。
もちろん、本書の内容をそのまま事業に活かすことは難しいと思うが、チーム内での認識共有や、ルールメイキングの重要性を説くのに非常に有用であると考える。
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