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世界に孤立して国運を誤るなかれ──日露戦争後の祖国日本の動きを憂え、遠くアメリカからエール大学教授・朝河貫一が訴えかける。歴史学者としての明解な分析に立って、祖国への熱い思いが格調高く述べられ、読む者の心に迫る。彼の忠告も空しく、軍国主義への道をつき進んだ日本は、戦争、敗戦へと不幸な歴史を辿った。日米の迫間(はざま)で、日本への批判と進言を続けた朝河。彼の予見の確かさと祖国愛には、今もなお学ぶべきものが多い。
目次
●前篇 日本に関する世情の変遷
日本に対する世評の変化
満州における日本に対する世の疑惑の由来
反動説──感情的反対者──利害的反対者
東洋における世界の要求
一八九九年以前
一八九九年以後
日露戦争以後
●後篇 日本国運の危機
・第1章 戦後の日本国民多数の態度に危険の分子あることを論ず
国権説は機に後れたり
国勢は劇変して国民の態度はこれに副わず
国民の危険なる態度、国運の危機
・第2章 日本と米国との関係に危険の分子少なからざることを論ず
米国人の日本に関する感情の変遷
日本人の米国に関する思想の浅薄
日、清、米の重大なる関係
米国と新外交、清国の信頼
米国人民の東洋に関する輿論
米国為政者の東洋に関する思想 ローズヴェルト氏、タフト氏
結論 日本国民の愛国心
Posted by ブクログ 2013年09月09日
積ん読状態から解放。
比較法制史研究者として特に欧米で知られる朝河貫一が、1909年(明治42)に著したのが本書。
満州において、清朝の主権を踏みにじり貿易による利益を独占しようとするロシアと、清朝の独立・領土保全と満州の門戸開放・機会均等を主張した日本が、各国列強の思惑の中で「第0次世界大戦」と...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年05月30日
今の日本人が1909年の日本人に投げかける言葉は…
「一時の利益を求めて国を危うくするか、協調に長期的な利益を得るか、よくよく考えて大陸政策を決めなさい」また、
「アメリカの国民性を甘く見るなよ、思ってるほどだらしが無かったり団結力に欠けるわけではないよ」
そんな今の感覚から当時を振り返るような陳述...続きを読む
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