朝河貫一の作品一覧

「朝河貫一」の「日本の禍機」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 日本の禍機
    値引きあり
    4.4
    1巻550円 (税込)
    世界に孤立して国運を誤るなかれ──日露戦争後の祖国日本の動きを憂え、遠くアメリカからエール大学教授・朝河貫一が訴えかける。歴史学者としての明解な分析に立って、祖国への熱い思いが格調高く述べられ、読む者の心に迫る。彼の忠告も空しく、軍国主義への道をつき進んだ日本は、戦争、敗戦へと不幸な歴史を辿った。日米の迫間(はざま)で、日本への批判と進言を続けた朝河。彼の予見の確かさと祖国愛には、今もなお学ぶべきものが多い。 目次 ●前篇 日本に関する世情の変遷  日本に対する世評の変化  満州における日本に対する世の疑惑の由来  反動説──感情的反対者──利害的反対者  東洋における世界の要求  一八九九年以前  一八九九年以後  日露戦争以後 ●後篇 日本国運の危機 ・第1章 戦後の日本国民多数の態度に危険の分子あることを論ず   国権説は機に後れたり   国勢は劇変して国民の態度はこれに副わず   国民の危険なる態度、国運の危機 ・第2章 日本と米国との関係に危険の分子少なからざることを論ず   米国人の日本に関する感情の変遷   日本人の米国に関する思想の浅薄   日、清、米の重大なる関係   米国と新外交、清国の信頼   米国人民の東洋に関する輿論   米国為政者の東洋に関する思想 ローズヴェルト氏、タフト氏   結論 日本国民の愛国心

ユーザーレビュー

  • 日本の禍機

    Posted by ブクログ

    日露戦争後の中国での日本の行動を、世界史的視点で冷徹に分析し、それが将来へ及ぼす影響を的確に捉え手警鐘を鳴らした書である。
    著者の指摘するように、当時の日本の軍部を含む為政者が行動していたならば、日米開戦は避けられたのみならず、まったく別の歴史が展開されていったであろうと想像してしまう。日本にこういう人物のいたことを今まで寡聞にして知ることのなかった不明を恥じたい。

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    2025年10月05日
  • 日本の禍機

    Posted by ブクログ

    積ん読状態から解放。
    比較法制史研究者として特に欧米で知られる朝河貫一が、1909年(明治42)に著したのが本書。

    満州において、清朝の主権を踏みにじり貿易による利益を独占しようとするロシアと、清朝の独立・領土保全と満州の門戸開放・機会均等を主張した日本が、各国列強の思惑の中で「第0次世界大戦」とも呼ばれる日露戦争を戦って数年。
    「旧外交」を打ち破り、新たな潮流たる「新外交」の旗手となることで、世界史上の栄光に包まれるはずだった日本。
    その日本が、満州をめぐる問題において、今まさに岐路に立とうとしている。
    そうした背景の下、在米邦人の優れた歴史学者が論ずる分析は、もはや「慧眼」というような言

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    2013年09月09日
  • 日本の禍機

    Posted by ブクログ

    今の日本人が1909年の日本人に投げかける言葉は…
    「一時の利益を求めて国を危うくするか、協調に長期的な利益を得るか、よくよく考えて大陸政策を決めなさい」また、
    「アメリカの国民性を甘く見るなよ、思ってるほどだらしが無かったり団結力に欠けるわけではないよ」
    そんな今の感覚から当時を振り返るような陳述を、その同時代に行っている。
    いかに、国際的な道理となっていた大陸の独立と市場開放が重要かが分かる。そもそも日露で各国が日本支持に回った理由のひとつがそれなのだから。
    日本が大陸での覇権を目指すのであれば当然の帰結として日米対立がおこるわけで。そのようなことを気付かせてくれる。
    所々平身低頭して現状

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    2013年05月30日
  • 日本の禍機

    Posted by ブクログ

    「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」から。
    第1次~第2次大戦という時代に、これだけの国際人、教養人がいたことに素直に驚かされる。

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    2010年08月26日
  • 日本の禍機

    Posted by ブクログ

    100年ほど前に書かれた日本時事論。もともとは比較法制史が専門で、イェール大学教授を定年まで勤めた人物。文体が現代のものではないので読みにくいが、異国の地で母国を憂う気持ちが伝わってくる。「序」にあるように謙虚な姿勢で書かれているので、先入観なく読める。

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    2011年12月08日

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